世界最大級の小型SAR衛星コンステレーションで防衛・防災を支援する「ICEYE」、第4世代小型SAR衛星「Gen4」の商用運用を開始
最大16cmの高解像度で400km規模の広域撮影に対応、観測頻度と即応性を大幅に強化
世界最大級の小型SAR衛星コンステレーションで防衛・防災を支援する「ICEYE」は、第4世代の小型SAR衛星「Gen4」の商用運用の開始を発表いたします。「Gen4」は最大16cmの解像度による世界最高水準の精細な商用SAR衛星画像を実現し、高分解能で観測できる範囲を従来の約150kmから400kmへと拡大した最新世代の衛星です。1回の軌道通過でより多くの撮像枚数を可能にし、重点観測エリアの観測範囲と即応性を大幅に強化します。

第4世代小型SAR衛星「Gen4」について
「Gen4」は、大規模コンステレーションでの運用に最適化され、最大16cmの高解像度と400km規模までの広域撮影を実現した最新の第4世代小型SAR衛星です。1日あたり最大500枚の画像を取得でき、そのうち半数を幅2,000kmの範囲に集中させることが可能です。さらに、1回の軌道通過で撮像枚数を増加させることで、15分未満の高頻度再観測を実現し、防衛や情報分野における迅速な状況把握を支援します。また、撮像と同時に最大700Mbpsでの高速伝送を行うことにより、同一軌道通過内での観測指示の設定から取得、配信までをほぼリアルタイムで完結できます。
強化された大型アンテナにより送受信性能が向上し、従来よりもシャープでコントラストの高い画像を提供します。従来比250%に拡大した観測領域により、艦隊規模の海域や国境ゲートを1回の軌道通過で把握でき、時間変化に敏感な対象も迅速に再観測することが可能となります。これにより、防衛や安全保障などの重要な意思決定を支える状況認識が一段と強化されます。さらに、Gen4が取得する高解像度データは、高分解能SAR衛星画像と先進的なAIを組み合わせたICEYEのAI自動検知・識別システム「Detect & Classify」の精度を高め、船舶・航空機・車両の自動検出・識別において90%を超える精度を実現します。
「Gen4」は、各国が自国の宇宙能力として導入できる体制に対応しており、米国の輸出規制(ITAR)の対象外です。地上局の整備や運用訓練、継続的なソフトウェアアップデートを含む安全性の高い一括パッケージとして提供され、最短12カ月での運用開始が可能です。2025年3月にはSpaceXのTransporter-13ミッションで初号機群が打ち上げられ、政府や防衛・情報分野の重要パートナーとしての実績をさらに強化しました。
ICEYEは現在、世界最大規模のSAR衛星コンステレーションを運用しており、強力なセンサーを効率的なプラットフォームに搭載することで、高頻度の再観測を実現しています。衛星はソフトウェアによって制御されているため、新たにハードウェアを製造することなく、地上から継続的に機能を進化させることができます。
ICEYE 共同創業者 兼 CEO ラファル・モドルゼフスキ氏コメント
「長年にわたる研究開発と技術革新の成果として、『Gen4』の商用提供開始を発表できることを誇りに思います。『Gen4』は、世界中のお客様に対し、これまで以上に“より多くを、より鮮明に、より迅速に、より柔軟に”届けるための大きな前進です。『Gen4』は単なる技術的進歩にとどまるものではなく、ICEYEがSAR衛星分野の限界を押し広げ続けていることを示す象徴です。そして、各国政府や防衛・情報分野の利用者が、地球規模の事象を『見て、理解し、対応する』あり方そのものを変革するゲームチェンジャーとなるのです。」
ICEYEについて
ICEYE(アイサイ)は、フィンランドに本社を置く、小型合成開口レーダー(SAR)衛星のリーディングカンパニーです。世界最大級の合成開口レーダー(SAR)衛星コンステレーションを所有するICEYEは、客観的でほぼリアルタイムの洞察を提供し、昼夜を問わず、また厳しい環境条件下でも行動可能なデータへの無比のアクセスを確保します。
世界において政府や商業産業の信頼できるパートナーとして、ICEYEは防衛・情報、保険、自然災害対応・復興、セキュリティ、海事モニタリング、金融などの分野でインテリジェンスを提供し、コミュニティのレジリエンス(回復力)や持続可能な開発に貢献する意思決定を支援しています。
日本法人の他、ICEYEはフィンランド、ポーランド、スペイン、英国、オーストラリア、UAE、ギリシャ、米国に拠点を持ち、国際的に事業を展開しています。700人以上の従業員が、地球観測における「真のデータ供給者」となることで地球上の生活を改善するという共通のビジョンに基づき活動しています。

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