HIV 予防薬PrEP を「当たり前の選択肢」に
署名14,132 筆を厚生労働省に提出し、感染症対策部長と面談しました
「SAPプロジェクト(Safe Access to PrEP)」呼びかけ団体は、2026年9月25日、HIV予防薬PrEPへのアクセス改善を求める全国14,132筆の署名と要望書を、厚生労働省 健康・生活衛生局 感染症対策部長に手交し、面談を行いました。PrEPを必要な人に届けるための取り組みについて意見を交わし、今後も継続的に協議していくことで一致しました。あわせて2026年8月末までに、抗HIV薬を取り扱う製薬企業3社にも同じ署名を提出しています。

提出の概要
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署名総数:14,132筆(オンライン署名 8,873筆/手書き署名 5,259筆)
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提出先:厚生労働省 健康・生活衛生局 感染症対策部長(2026年9月25日)
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要望3点:(1) PrEPへの安心・安全なアクセス体制の整備、(2) 公的な支援(費用負担の軽減・供給・普及など)、(3) 偏見なく処方・検査・見守りを受けられる啓発
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製薬企業3社(ギリアド・サイエンシズ、ViiVヘルスケア、MSD/いずれも日本法人)にも2026年8月末までに提出済み
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別紙:要望書(全文)、ファクトシート(PrEP/SAPプロジェクト)
面談の概要
当日は、署名14,132筆と要望書を感染症対策部長に手交し、要望の趣旨を説明しました。部長からは、改めて、PrEPが治療と予防の垣根をなくすものであり、必要とする人に適切な形で届けることの重要性が示されました。一方で、PrEPが公的医療保険の適用外であることなど財源・制度上の課題にも言及があり、現在は研究班を中心に検討を進めている状況が説明されました。当方の要望を受け止めた上で、今後、継続的に協議していくことで一致しました。

背景 ― 「承認されても、使えない」
PrEPは2024年8月に国内で薬事承認されましたが、公的医療保険の適用外で、現在は自由診療のクリニックで検査料を含め月1万円前後の自己負担により提供されています。骨太の方針2026では『攻めの予防医療』の一環としてHIV・性感染症の予防が明記された一方、研究段階から実際のアクセス(費用負担の軽減・供給・普及などの公的な支援)につなげる段階には、なお課題が残されています。私たちは、承認された予防手段を必要な人に確実に届けるため、引き続き求めてまいります。
参加団体からのコメント
特定非営利活動法人 akta 岩橋 恒太
全国から寄せられた14,132筆は、「HIV予防薬PrEPを、必要とする人が当たり前に使える選択肢に」という一人ひとりの切実な声です。PrEPは承認されましたが、費用の壁などにより、必要な人に十分に届いているとは言えません。本日、その声を厚生労働省にお届けし、継続して協議していくことで一致できたことを、大切な一歩と受け止めています。私たちは現場・当事者コミュニティの立場から、承認された予防が「実際に使える」ものになるまで、責任をもって関わり続けます。
認定特定非営利活動法人 ぷれいす東京 生島 嗣
一人ひとりの声を署名という形で束ね、厚生労働省に届けることができました。その結果、施策の舵取りを担う部長と直接対話する機会を得ることができました。対話の場では、PrEPをより使いやすいものにしていくために、コミュニティの側からどのようなエビデンスや情報を示せば施策の推進につながるのかを、具体的に確認することもできました。署名の提出はゴールではなく、次の一歩への出発点です。今後も、当事者やコミュニティの経験と実態を丁寧に可視化し、行政・医療・研究の皆様と連携していきます。
特定非営利活動法人 ピルコン 染矢 明日香
PrEPが日本でも薬事承認され、HIVを予防する新たな選択肢が生まれました。一方で、性教育や健康教育の現場では、支援者にもまだPrEPに関する情報が十分に行き届いているとは感じられません。「承認されたこと」と「必要な人が実際に利用できること」は同じではありません。費用負担や処方を受けられる医療機関の少なさに加え、PrEP自体を知らない、どこに相談すればよいかわからないといった情報面の壁もあります。まずは経済的負担を軽減し、安全に利用できる医療体制を整えることが必要です。そのうえで、国や自治体には、正確でわかりやすい情報を届け、検査・相談・医療につながる仕組みを整えてほしいと思います。PrEPを一部の人だけが知る予防法ではなく、必要な人が知り、相談し、選べる当たり前の選択肢にしていくことが重要です。
カラフル@はーと 翁長 祐太
様々な事情で経済状況が厳しい人や若い学生でもアクセスできる価格にすることが大切で、制度設計の際にはその部分を特に重視してほしいことを望みます。
PRIDE GROUP 竹内 勝人
PRIDE GROUPが、LGBTすべてのセクシュアリティとALLYが所属する日本初の団体として結成された1997年当時、HIVは「発症すれば死に至る病」とされていました。その後、治療の進歩により、HIVはコントロール可能な慢性疾患となり、現在ではPrEPによる予防も可能となりました。約30年を経た今、私たちは2030年のHIV流行終息を見据え、必要とするすべての人が安心・安全に予防、検査、医療へアクセスできる社会の実現に向けて、これからも取り組んでまいります。
社会福祉法人はばたき福祉事業団 後藤 智己
私たち血液製剤からHIV感染し、HIV感染症対策に関わり続けてきたものとして、HIV感染症流行の終息に向けた取り組みの一つとしての感染予防策の充実は極めて重要と考えています。「PrEP」という新たな手段が、HIV感染を防ぐものとして適切に使えるよう、当事者団体・医療者そして国が知恵を絞って施策を進めていかねばなりません。HIV感染症をめぐる状況は日々変わってきています。みなさまにもぜひ関心を持っていただけますよう、お願いいたします。
【別紙】要望書(全文)


団体概要
特定非営利活動法人 aktaは、東京・新宿二丁目を拠点に、HIV・性感染症(STI)の予防啓発と相談支援に取り組むNPO法人です。
Safe Access to PrEP(SAP)プロジェクト
呼びかけ団体:ぷれいす東京(生島嗣)/ akta(岩橋恒太)/ カラフル@はーと(翁長祐太)/ ピルコン(染矢明日香)/ #なんでないのプロジェクト(福田和子)
協力団体:PRIDE GROUP(竹内勝人)、松中権、はばたき福祉事業団(後藤智己)
本件に関するお問い合わせ・取材のご依頼
特定非営利活動法人 akta(SAPプロジェクト事務局)
担当:岩橋
TEL:03-6380-0833
Mail:office@akta.jp
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