航空グランドハンドリングの現場と挑んだ専用グローブ開発 ――「消耗品」から「誇りあるギア」へ――

プロフェッショナルの動きに特化した「最適解」を現地現物のゼロベースで設計する

株式会社ウィード

全日本空輸株式会社グランドハンドリング部門様との共同開発プロジェクト。「現場のプロフェッショナルの動きに特化したグローブをゼロから作りたい」——そんな現場のご要望に対し、既製品の組み合わせで妥協点を探るのではなく、「プロフェッショナルのパフォーマンスを最大化する専用ギア」という視点からゼロベースで開発し、現場に新たな基準をもたらした事例をご紹介します。

開発事例の概要

お客様

・全日本空輸株式会社 グランドハンドリング部門 様

開発の背景

・ 現場では精確な作業オペレーションを制限時間内に完遂させる
・ 市場の既製品では操作性と防護性の両立が困難だった
・ タブレット端末導入に伴い、装着したままでの操作精度が求められた

開発アプローチ

・ 真夏の駐機場(ランプ)での現場視察・動作観察
・ 「機能の足し算」ではなく「最適配置」の設計思想
・ ゼロベースでの共同開発(既製品の提案なし)

主な機能

・ 指先ピンポイントの衝撃緩衝材(18ゲージ繊維構成)
・ タッチパネル対応(5本指すべて)
・ 手首サポート付きリストベルト(腱鞘炎リスク低減)

導入後の声

・ 「指先の不安がなくなり、より作業に集中できるようになった」
・ 「長時間着用しても疲れにくく、コンディションを維持しやすい」
・ 「タブレット操作のために手袋を外す必要がなく、ワークフローが止まらない」

背景:既製品では不可能な、高い技術力を持つ現場だからこそ求められる「専用ギア」

グランドハンドリングの業務は、航空機の定時運行を守りながら、乗客の手荷物や貨物を安全かつ迅速に機内へ届けるものです。重量物を扱う力と、精密な操作を行う繊細さが同時に求められるこの仕事では、現場では長年「軍手」が使われてきました。

安全管理の観点からは、指先の挟み込みや切創リスクへの対策(プロテクション機能)の観点から市場にある耐衝撃手袋も検討されてきましたが、防御力に優れる反面、厚みや硬さがあり、現場が求める繊細な操作性とは乖離がありました。また、業務のデジタル化に伴いタブレット端末の現場導入が進むなかで、「装着したままスムーズに操作できる手袋」という新しいニーズも生まれていました。

「最高のパフォーマンスを発揮しながら、安全も妥協しない」という現場の高いプロ意識が確実に存在する一方で「相談しても、結局は既製品を勧められるだけだった」

そのような状況のなかで私たちにご連絡をいただき、ゼロベースでの共同開発プロジェクトが始まりました。

彼らは"作業員"ではなく"アスリート"

本プロジェクトを担当したウィードの勝田孝行に、開発の経緯・設計の考え方・導入後の変化について聞きました。

まず現場を見せてもらうことから始めた

――どのような経緯でプロジェクトがスタートしたのでしょうか。

勝田:最初のご相談は『市場にある耐衝撃手袋を試したが、現場の作業性に合わなかった』というものでした。いくつかのメーカーにも相談されたそうですが、既製品の範囲での対応しか得られなかったと。そこで私たちは、カタログスペックだけで判断せず、まず現場を実際に見せていただくことをお願いしました。何が合わないのかは、動きを見ないとわからないと思ったからです。

――現場を視察したときの印象を教えてください。

勝田:真夏の駐機場(ランプ)で、1トンを超えるコンテナをチームで連携しながら搬送する姿を見ました。炎天下という環境をものともせず、精確なオペレーションを続ける。その動きは単なる『作業』という枠を超えていて、制限時間内にミッションを完遂する『アスリート』そのものでした。この光景を見て、一般向けの汎用手袋ではこのプロフェッショナルの動きにはついていけない。アスリートが専用のスパイクを選ぶように、グランドハンドラーの動きに特化した『ギア(装備)』を作らなければと確信しました。

機能の最適配置という考え方

――設計にあたって、どのような方針を立てましたか?

勝田:機能を足せば足すほど手袋は厚く重くなり、プロの繊細な動きが鈍くなります。なので『何を入れるか』より先に『何を入れないか』を決めました。全面的な厚手のパッドは使わず、リスクの高い『指』部分にのみ衝撃緩衝材をピンポイントで配置する。ベース生地には18ゲージの繊維構成を採用し、指先の解像度と耐久力を両立しました。『守られている安心感』と『素手のような繊細な指先感覚』を同時に実現することを目標にしました。

――タッチパネル対応についてはいかがでしょうか。

勝田:業務の中で気掛かりだったのが、タブレットを操作する時に手袋を外す様子でした。タッチパネル対応のグローブは世の中に多くありますが、人差し指の先端のみに対応した部分的なものが目立ちます。感度と使いやすさが足りないと手が無防備になる瞬間がある、ウィードの手袋は特殊なコーティング技術で5本指すべてに対応し、反応速度と使い勝手に自信があります。現場ではタブレットによる業務管理が急速に広がっており、グローブを脱着するたびに仕事が止まるというのは、積み重なると大きなロスになります。デジタルツールをストレスなく使いこなせる仕様にすることは、今の時代の現場には不可欠だと考えました。

――リストベルトにはどのような意図がありますか?

勝田:重量物のハンドリングを繰り返す作業では、手首への負担が長期的に蓄積します。多様な人材が長く健康に働き続けられる環境をつくるという観点から、サポート機能を持つリストベルトを実装しました。雨天時のズレ防止にも機能するなど、過酷な環境で使われることを前提に設計しています。

現場からの声と、「専用ギア」という感覚

ANAグランドハンドリング専用ギア ZIZAI ZI-572

――現場からはどのような反応がありましたか?

勝田:『指先の不安がなくなり、より作業に集中できるようになった』『長時間着用しても疲れにくく、コンディションを維持しやすい』『タブレット操作のために手袋を外す必要がなく、ワークフローが止まらない』という声をいただいています。設計の段階で目指していたことが、現場できちんと機能しているという手応えを感じました。

――この開発を振り返って、印象に残っていることはありますか?

勝田:企業ロゴを冠し、使う人の名前を記せるグローブが届いた時のことです。単なる消耗品だったものが、プロフェッショナルとしての誇りを持って使ってもらえる『専用ギア』になった。それがこの開発でいちばん大切にしたかったことで、実現できたと感じています。

「どこに相談してもうまくいかなかった」という経験は、決して珍しいことではありません。メーカー側の事情——ロット・コスト・既存ラインナップの制約——によって、現場の要望が実現しないまま終わってしまうケースは、業界を問わず多くあります。

私たちがお約束できるのは、カタログから選ぶだけの提案はしないということです。現場を見て、動きを理解して、何が本当に必要かを一緒に考える。そこから始めることが、私たちのモノづくりです。

・現場が誇りを持って使えるツールを導入したい

・現場に合った仕様が分からなかった、コストやロットの壁で実現しなかった

・いろんなメーカーに相談したが、既製品しか提案してもらえなかった

こんな状況でお困りの方、一度話を聞かせてください。

■ ウィードの紹介

株式会社ウィードは、作業現場で実際に起きている事故や作業上の課題を起点に製品開発を行う、作業用手袋メーカーです。

現場では手指の切創や挟まれ事故などの労働災害が、多くの事業者の悩みでした。一方で作業性や現場環境ごとのリスクに最適化された製品は限られており、現場では既製品の中から選ぶ対応を余儀なくされてきたのが実情でした。

ウィードはそうした声に真正面から向き合い、「現場の困りごとそのものを製品で解決する」ことを開発の原点としてきました。

素材の選定、編み構造、フィット設計、現場検証まで徹底的にこだわり、安全性と作業性の両立という難題に挑み続けています。

これまで業界では実現が難しかった高い保護性能と快適な着用感を兼ね備えた製品を創出し、工業・食品・医療・物流など幅広い分野の現場で採用されています。

これからもウィードは、既成概念にとらわれることなく現場のリアルな課題に耳を傾けながら、「私たちの掌で、すべてのひとの手を護る」ことを使命に、安全を支え、産業の発展と未来の創造に貢献する製品を提供し続けてまいります。

■ 会社概要

社名:株式会社ウィード

代表者:吉田 智哉

創業:2005年

売上高:60億円(2025年度)

本社:千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1 ワールドビジネスガーデン マリブウエスト33階

■ 問い合わせ先

部署:営業部 セーフティグループ

メールアドレス:info@weed-safety.jp

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ビジネスカテゴリ
物流・倉庫・貨物
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会社概要

株式会社ウィード

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URL
https://www.weed-safety.jp/
業種
製造業
本社所在地
千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1 ワールドビジネスガーデン マリブウエスト33階
電話番号
-
代表者名
吉田 智哉
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2005年06月