世界エイズ・結核・マラリア対策基金 最新の成果を公表 ~2200万人の命が救われました~
また、グローバルファンドの支援を受けて感染症対策に取り組んできた国々では、エイズ・結核・マラリアによる死亡数が2002年に比べ1/3減少しました。エイズによる死亡数は、2004年ピーク時の190万人に対し2016年の死亡数は100万人、48%減少しました。結核による2015年の死亡率と死亡数は2000年よりそれぞれ35%、21%減少(注2)、2015年のマラリアによる死亡数は2000年に比べ半減しています。これらは、グローバルファンドを通じた各国政府、国際機関、企業、市民社会、感染症の当事者などの協働により、確実に成果が出ていることを示しています。
グローバルファンドは2002年の設立後、これまでの間に国際社会から約400億ドル(注3)を調達し、140以上の国・地域のエイズ・結核・マラリア三疾病対策や保健システム強化に支援を行ってきました。2016年末時点で、グローバルファンドの支援による成果は以下のとおりです。
- 抗レトロウィルス治療(ART)を受けているHIV陽性者 1100万人 (これは世界全体でARTを受けている人の半数以上にあたる)
- 結核治療を受けた人数 1740万人
- マラリア感染予防のために配布された蚊帳の数 7億9500万張
グローバルファンドの成果報告書および要旨は以下のURLよりご覧いただけます。
The Global Fund Results Report 2017 (英語)
https://www.theglobalfund.org/media/6773/corporate_2017resultsreport_report_en.pdf
The Global Fund Results Report 2017 Executive Summary(英語要旨)
https://www.theglobalfund.org/media/6774/corporate_2017resultsreport_summary_en.pdf
The Global Fund Results Report 2017 Executive Summary(日本語要旨)
https://www.theglobalfund.org/media/6775/corporate_2017resultsreport_summary_jp.pdf
注1:保健への投資の成果は様々な方法で測定可能ですが、最も重要な尺度は救われた命の数です。グローバルファンドはWHOやUNAIDSなどの技術パートナーが推奨する方法を採用して推計しています。特定の年に特定の国で救われた命の数は、主要な疾病介入が行われなかった場合に発生すると予想される死亡者数から実際の死亡者数をひいて算出されています。例えば、治療を受けていない喀痰塗末陽性の結核患者の70%が死亡すると示す研究がある国において、ある年に1000人の喀痰塗末陽性の結核患者が治療を受けた場合、登録された結核死亡者数がわずか100人だったとすると、このモデルは600人の命が救われたと結論づけることができます。治療がなければ、700人の命が失われていたことになります。(詳細は成果報告書p.6参照)。
注2:HIV陽性の結核を除く
注3:2017年3月末時点
■日本とグローバルファンド
日本は現在グローバルファンドの第5位のドナー国です。グローバルファンドを通じて途上国のエイズ・結核・マラリア対策と保健システムの構築を支援し、三大感染症の流行の終焉に向けて、2002年からの累計で約28億3862万ドルを拠出してきました。2002年に設立されたグローバルファンドは日本と深い関係にあります。日本が議長国を務めた2000年のG8九州・沖縄サミットで、感染症対策を国際的な主要課題として取り上げたことがグローバルファンド設立のきっかけとなりました。
■世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)について
グローバルファンドは、中低所得国の三大感染症対策のために資金を提供する機関として、2002年にスイスに設立されました。G7を初めとする各国政府や民間財団、企業など、国際社会から大規模の資金を調達し、中低所得国が自ら行う三大感染症の予防、治療、感染者支援、保健システム強化に資金を提供しています。現在、グローバルファンドは年間約40億ドルの資金を集め、現在100以上の国・地域の対策プログラムを支援しています。世界中のパートナーと協働し、これまでグローバルファンドの支援で2200万人の命が救われました。
http://www.theglobalfund.org/
■グローバルファンド日本委員会(FGFJ)について
世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)を支援する日本の民間イニシアティブ。三大感染症とグローバルファンドに対する理解を促進するとともに、感染症分野における日本の官民の国際貢献を推進するため、政策対話、調査研究、意識啓発などを実施しています。(公財)日本国際交流センター(JCIE)のプログラムとして運営されています。
http://fgfj.jcie.or.jp/
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