【アンケート結果】日本で就職する理工系外国人留学生の会社選びとキャリアプラン

「1つの企業でできるだけ長く勤めたい」が約半数(47.0%)! 中長期的な視点でキャリアを考える、日本の企業風土に合う理工系留学生が多数

株式会社オリジネーター

理工系外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーター(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:長谷部 裕樹)は、当社が運営する外国人留学生就職情報サイト『リュウカツ』(https://www.ryugakusei.com/)の登録者を対象にアンケートを実施し、調査結果がまとまりましたので発表いたします。回答者の多くは、高学歴で日本語レベルが高い理工系外国人留学生で、本調査からこの層のキャリア指向などが見えてきました。
【調査概要】
調査名  :『日本で就職する理工系外国人留学生の会社選びとキャリアプランに関するアンケート』
対象者  : 当社が運営する、外国人留学生就職情報サイト『リュウカツ』の登録者
調査方法 : インターネット調査(日本語と英語で調査) 
調査期間 : 2019年9月~11月 
有効回答数: 217名
調査目的 : 当社は2006年より企業向けの外国人材採用支援・留学生を中心とした外国人材就職支援事業を開始し、理工系外国人留学生の採用支援を強みとしています。本アンケートは、理工系外国人留学生の実態を調査することで、正確なニーズを把握するとともに、業界データとして活用していただくことを目的に実施しました。

 

<ポイント>
● 選ぶ業種に変化! 過去大多数だったメーカーが約30%となり、全方位をカバー
かつて理系はメーカーに就職するケースが多数でしたが、現在はIT・サービス・金融含め、全分野が検討対象に(Q2)。

● 外国人採用の実績がない企業でもOK! メーカー希望者は勤務地へのこだわりも低い
企業を選ぶ際に重視する点を聞いたところ、「母国に拠点があるなど、母国との関わりがある」や「外国人社員の採用実績がある」はあまり重視していないことがわかりました(Q4)。また、勤務地にこだわらない留学生の希望業種は、「電機・精密」や「自動車・重機械」などが上位だったことから、メーカー希望者は地方勤務を厭わないことが考えられます(Q2)。

● 中長期的なキャリアプランを持つ留学生が多数。ただし、明確な昇給・昇進の基準が求められる
約半数(47.0%)が「1つの企業でできるだけ長く勤めたい」と回答。中長期的な視点でキャリアを考える、日本の企業風土に合う理工系外国人留学生が多いことがわかりました(Q9)。一方、日本で長く働きたいと思う職場の条件に「昇給・昇進の基準が明確」(Q7)が約半数(47.5%)と多く、希望勤務地別に見ると、都市部の勤務地が良い人ほど強い傾向に。人事・評価制度は、年齢や勤続年数など従来の日本式職能資格制度に捉われるのではなく、客観的かつ透明性の高い評価基準を取り入れ、外国人材が当該企業で長く働きたいと思える環境を整えていくことが大切と言えます。

● 外国人留学生が考える強みは、自国も日本も知っているハイブリット人材ということ
日本人に比べ外国人であることの強みは、「母国と日本それぞれの文化・慣習を理解している」(62.7%)が1位(Q6)。現地採用の外国人材は日本の企業文化に合うか入社してみないと分かりませんが、留学生は既に一定期間日本で生活しているため、日本文化を理解し、日本の企業に馴染みやすいと言えます。次いで「母国語と日本語など語学力がある」(59.0%)が2位に。特にIT業界では、日本語だけでは情報収集が遅れてしまうことがあるため、情報源が複数あることは強みと言えます。

● 日本語レベル上級者でも、「敬語」に不安。信頼できる人と働く環境を切望
回答者の8割近く(76.0%)が、日本語レベル上級者(N1、N2程度)にも関わらず、日本での就職で不安なこととして「敬語など日本語に自信がない」が1位に(Q5)。日本語能力試験などのレベルと、実際の仕事で使う日本語レベルが異なることを理解しているようです。対策として、入社後、日本人新卒者とは別にビジネス日本語やマナーなどについての研修を行う、こまめな面接(フィードバック)の実施、相談窓口の設置などが挙げられます。また、日本で長く働きたいと思う職場の条件として「信頼できる人間関係で雰囲気のよい職場」が1位に(Q7)。理系人材の傾向として、完璧主義で文法を気にしすぎ、間違った日本語を使いたくないために、完璧な日本語が話せるまで一切日本語を話さないことも。そのような態度は孤立に繋がりかねないので、周りが声をかけるなどして話しやすい環境を作ることが大切です。


 

【回答者の属性】 『リュウカツ』登録者を反映し、高学歴で日本語レベルが高い理工系留学生が多数

※出身地域に含まれる国
・アジア(中国,韓国,台湾,中国香港,モンゴル,その他)
・東南アジア(インドネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,その他)
・南アジア(インド,ネパール,スリランカ,バングラデシュ,パキスタン,その他)
・ヨーロッパ・ロシア(イギリス,ドイツ,フランス,スペイン,ロシア,北欧,その他)
・北アメリカ・南アメリア(アメリカ,カナダ,メキシコ,ブラジル,その他)
・アフリカ(エジプト,エチオピア,その他)
・オセアニア(オーストラリア,ニュージーランド,その他)

 



Q1.勤務地にこだわりはありますか?(単一回答)
約6割(59.9%)が「都市部が良い」と回答する一方で、3割以上(32.7%)が「勤務地にこだわらない」と回答。勤務地にこだわらない層も一定数いることがわかりました。

 
Q2以降は、都市部が良い人と勤務地にこだわらない人で抱いているキャリア指向に違いがあるのかを見ています。またグラフの色は、単一回答は「青」、複数回答は「オレンジ」で区別しています。


Q2.就職したい業種は?(単一回答)
●全体の傾向として、25%弱(24.4%)が「IT・情報通信」と回答しましたが、希望勤務地とのクロス集計では、1位が異なる結果となりました。
●都市部が良い人は、専攻分野に関わらず 「IT・情報通信」(27.7%)が人気業種となり、2位と10.8ptもの差を広げて1位に。勤務地にこだわらない人と比べて12.2ptも高い結果に。
●勤務地にこだわらない人は、「電機・精密」(19.7%)、「自動車・重機械」(16.9%)が 上位に。「電機・精密」「自動車・重機械」などのメーカー希望者は、地方勤務をいとわないと解釈できます。また、「建設・不動産」(14.1%)は、都市部が良い人よりも11.8ptも高い結果となりました。

 


Q3.就職したい職種は?(単一回答)
●全体の傾向として、約3割が「研究開発」と回答し、1位に。これは大学院生の回答者が多いためと考えられます。
●都市部が良い人は、「システム開発」(26.2%)も人気職種に。勤務地にこだわらない人に比べ14.9ptも高くなりました。


Q4.就職企業を選ぶ際に、重視する点は? (3つまで選択可)
●全体の傾向として、「グローバルに仕事ができる」の割合が高いのは、留学生ならではの結果と言えます。一方、「母国に拠点があるなど、母国と関わりがある」、「外国人社員の採用実績がある」はあまり重視されていませんでした。
●都市部が良い人は、「給与水準が高い」が勤務地にこだわらない人に比べて15.9ptも高く、都市部が良い人の方がお金に関してシビアに考えていることと解釈できます。
●勤務地にこだわらない人は、「グローバルに仕事ができる」(47.9%)が「給与水準が高い」(31.0%)より16.9ptも高く、重視している傾向に。これは、グローバルに展開するメーカー等を視野に入れていることが考えられます。


Q5.日本で就職するにあたって、不安なことはありますか?(複数回答)
●全体の傾向として、アンケート回答者の多くが日本語レベル上級(N1、N2程度)であるにも関わらず、「敬語など日本語に自信がない」のが上位になったのは、留学生自身が、日本語能力試験などのレベルと実際の仕事で使う日本語レベルが異なることを理解していると解釈できます。また、「残業が多い」、「有給休暇が取りにくい」など日本企業によく見られる働き方にも不安が集まりました。
●都市部が良い人は、「外国人だと昇給・昇進できない」(56.2%)が2位と16.2ptもの差をつけて1位に。勤務地にこだわらない人と比べて13.9ptも高くなりました。


Q6.日本人に比べて、外国人であることの強みは何だと思いますか?(複数回答)
●「母国と日本それぞれの文化・慣習を理解している」(62.7%)が1位に。留学生はすでに一定期間日本で生活をしているため、日本文化を理解し、日本の企業に馴染みやすいと考えられます。次いで「母国語と日本語など語学力がある」(59.0%)が2位に。情報源が複数あることは強みと言えます。

 


※勤務地のこだわりとは関係ないため、クロス集計は省略

Q7.日本で長く働きたいと思う職場の条件は?(複数回答)
●全体の傾向として、「信頼できる人間関係で雰囲気のよい職場」が1位に。留学生は母国から1人で出てきているため、職場の人間関係を重視していることが考えられます。
●都市部が良い人は、「昇給・昇進の基準が明確」(51.5%)が、勤務地にこだわらない人よりも10.7ptも高い結果になりました。Q5でも、都市部が良い人の方が「外国人だと昇給・昇進できない」(56.2%)が勤務地にこだわらない人と比べて13.9ptも高かったことから、より明確なキャリアプランの提示を求めているようです。
●勤務地にこだわらない人は、「自分の専門性を尊重してくれる職場」(46.5%)が、都市部が良い人よりも12.7ptも高くなりました。

 


Q8.日本の企業に就職した場合、1社に何年ぐらい働きたいですか?(単一回答)
●勤務地にこだわらない人の方が、都市部が良い人よりも希望勤続年数が高い傾向であることがわかりました。


Q9.日本の企業に就職した場合、どのようなキャリアプランを考えていますか?(単一回答)
●全体の傾向として 、「1つの企業でできるだけ長く勤めたい」という回答が圧倒的に多く、5割近く(47.0%)となりました。日本の企業風土にマッチした理工系外国人留学生が多いことがわかりました。
●都市部が良い人は、「機会があったら転職したい」(19.2%)が勤務地にこだわらない人よりも9.3ptも高くなりました。都市部が良い人の方が、転職に対して積極的なようです。
●勤務地にこだわらない人は、「就職した企業の海外法人で働きたい」(28.2%)が、都市部が良い人よりも12.8ptも高い結果となりました。これはグローバル展開するメーカーをイメージしていると解釈できます。


<本リリースのPDF版は、以下のURLよりご覧ください>
https://prtimes.jp/a/?f=d45936-20191211-5487.pdf

※ご参考 【リュウカツニュース バックナンバー】
Vol.1「外国人留学生の採用トレンド」(2019年6月発行)
https://originator.co.jp/ryukatsu-news-vol1/
Vol.2「グローバル採用の外国籍人材に必要な日本語レベルと教育のポイント」(2019年9月発行)
https://originator.co.jp/ryukatsu-news-vol2/
Vol.3「内定者パーティレポート―日本の企業で働く外国人社員、来春から働く外国人留学生のホンネ」(2019年10月発行)
https://originator.co.jp/ryukatsu-news-vol3/

■株式会社オリジネーター (https://originator.co.jp/
2006年より企業向けの外国人材採用支援・留学生を中心とした外国人材就職支援事業を開始。外国人留学生就職情報サイト『リュウカツ』は、理工系外国人留学生の採用支援を強みとしており、外国人留学生・教育機関(主に大学)・企業の人事担当者の三者と連携を取りながら、外国人採用トータルサービスを提供しています。
 [代表者] 代表取締役 長谷部 裕樹
 [設立] 2001年12月
 [資本金] 1,000万円
 [所在地] 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-12 monparte北参道6階
 [主な事業内容] 外国人材採用支援事業 https://www.ryugakusei.com/
 [事業許可] 有料職業紹介事業許可番号(13-ユ-300900) 一般労働者派遣事業許可番号(派13-302460)

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業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-12 monparte北参道6階
電話番号
03-6432-9390
代表者名
長谷部 裕樹
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2001年12月