家庭用ルーターなどIoT機器のマルウェア検査サービス「am I infected?」の無料提供を開始

〜5分以内に検査結果をメールでお知らせ。マルウェアに感染していた場合の対処法までサポート〜

株式会社ゼロゼロワン

国立大学法人 横浜国立大学(所在地:神奈川県横浜市、学長:梅原出、以下「横浜国立大学」)と株式会社ゼロゼロワン(本社:東京都渋谷区、代表取締役 CEO:萩原雄一、以下「ゼロゼロワン」)は、家庭用ルーターやスマート家電を始めとしたIoT機器のマルウェア(※1)検査サービス「am I infected?(アム・アイ・インフェクテッド)」(https://amii.ynu.codes/)の提供を開始します。

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本サービスは、家庭用ルーターやスマート家電などのIoT機器がマルウェアに感染していないか、脆弱な状態で利用していないかを利用者自身で検査・対策できる無料のサービスです。検査結果は、利用者が入力したメールアドレス宛てに5分以内に届き、万が一マルウェア感染が疑われる場合や、IoT機器が脆弱な状態であった場合の推奨対策についてご案内します。

(※1) マルウェア(malware)とは、「malicious software」(悪意あるソフトウェア)の略であり、感染した機器に不正かつ有害な動作をさせるプログラムの総称です。

■ サービス提供の背景
横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点では、IoT機器におけるセキュリティ対策についての研究を2015年から取り組んできました。IoT機器を狙うサイバー攻撃は増加を続けており(※2)、特に新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、ニューノーマルな働き方としてテレワークが広く普及したことから、家庭用のルーターやウェブカメラなどのIoT機器のセキュリティ確保の重要性がさらに高まっています。
マルウェア感染したIoT機器は感染後も変化なく動作し続けるため、感染していたとしても利用者側が気付きにくい特徴があります。そこで、自宅のIoT機器を安心して利用し続けられることを目的としてマルウェア感染や脆弱性の有無を検査するサービスを開始しました。

(※2) 総務省:「サイバー攻撃に関する最近の動向、NICT(NICTER)によるサイバー攻撃観測」
URL:https://www.soumu.go.jp/main_content/000771974.pdf

■ 本サービスの概要
本サービスは、家庭用ルーターやスマート家電などのIoT機器がマルウェアに感染していないか、脆弱なまま利用していないかを利用者自身で簡単に検査できる無料のサービスです。専用サイト(https://amii.ynu.codes/)から、検査結果を送信するメールアドレスの入力と、検査を実施する環境に関するアンケートに回答することで、Webサイトにアクセスした際に利用しているIPアドレスに対して検査を実施します。検査結果は、入力したメールアドレス宛てに検査結果ページへのリンクが送付されます。万が一、マルウェアへの感染が疑われる場合は同ページの推奨対策を参考に利用者自身で対策を行います。
<利用方法>
・費用:無料(オプション等による追加料金は発生しません)
・サービスURL:https://amii.ynu.codes/
・お問い合わせ:ynugr-cyberpcr@ynu.ac.jp

■ 本サービスにおけるそれぞれの役割
本サービスは、横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点が運用しているハニーポット(※3)のほか、ゼロゼロワンが開発・提供するIoT検索エンジン「Karma(※4)」のデータ、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)が開発・運用するサイバー攻撃観測・分析システム「NICTER(※5)」のデータを利用しています。横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点とゼロゼロワンは、2021年6月より横浜国立大学内外のセキュリティスキャンに関する共同研究を行っており、今回のサービスは学外のIPアドレスに対するセキュリティスキャンの成果を活用しています。また、横浜国立大学は、NICTが昨年4月に創設した産学官連携拠点CYNEX(Cybersecurity Nexus)(※6)に参画しており、CYNEXのサブプロジェクトであるCo-Nexus S(Security Operation & Sharing)よりNICTERの観測データの提供を受けています。

(※3) 横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点では、脆弱なIoT機器を模倣して攻撃を観測するハニーポットと呼ばれる囮システムを運用しています。具体的には、IoT機器のWebインターフェースを模倣したハニーポットと、Telnetと呼ばれる脆弱なサービスを動作させたハニーポットを運用しており、IoT機器の脆弱性を利用した攻撃や、IoT機器に感染するマルウェアの収集を行っています。
URL: https://sec.ynu.codes/iot

(※4) Karma(カルマ)は、インターネットに接続された国内のIoT機器を検索するサービスです。独自開発した判別手法と、機器に紐づくポート番号やIPアドレス等の情報、バナーに含まれる日本語検索を組み合わせることで、詳細な機器情報の判別が可能です。また、既存の脆弱性情報や機器のバージョンからセキュリティリスクの可視化も可能です。
URL: https://www.00one.jp/karma/

(※5) NICTER(Network Incident analysis Center for Tactical Emergency Response:ニクター)は、無差別型サイバー攻撃の大局的な動向を把握することを目的としたサイバー攻撃観測・分析システムであり、ダークネットと呼ばれる未使用のIPアドレスを大規模に観測しています。
URL: https://www.nicter.jp/

(※6) CYNEX(Cybersecurity Nexus:サイネックス)は、NICTに設けられたサイバーセキュリティに関するデータや人材育成の結節点となる組織であり、サイバーセキュリティ情報の収集・分析・蓄積・共有を行っています。
URL: https://www.nict.go.jp/cynex/

■ 今後の展開
本サービスの提供により、脆弱なIoT機器の根本原因の解決や効果的な注意喚起手法などに向けて、更なる研究開発に活かします。今後もサイバーセキュリティの研究を通じて、安全・安心な社会の実現に貢献します。

【横浜国立大学 大学院環境情報研究院/先端科学高等研究院 吉岡 克成 准教授のコメント】
我々の周りにある様々なモノがインターネットに接続するようになり、サイバー攻撃やマルウェア感染による脅威が高まっています。また、昨今のテレワークの普及に伴い家庭用ルーター等のセキュリティの重要性が今まで以上に高くなっています。これまでの研究成果と知見を生かして、攻撃を未然に防ぐことや、万が一、感染したりてしまっても自分で気づくことができる仕組みをこの度作りました。無償でご利用いただけますので、ぜひ多くの方にこのサービスを使っていただき、安全・安心にIoT機器を利用いただけたらと思っています。

■ サービスの利用イメージ


 

安全な状態の表示例安全な状態の表示例

マルウェア感染が疑われる際の表示例マルウェア感染が疑われる際の表示例

  • 横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点 概要
横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点では、サイバー攻撃の実観測、分析に基づき、対策を導出する研究を行っています。おとりのシステムである「ハニーポット」によりサイバー攻撃を惹きつけ、詳細に観測する受動的観測や攻撃の対象となる脆弱なシステムを探索する能動的観測により、これらの状況を把握し、独自の分析により、そのメカニズムを明らかにすることで、効果的な対策を導出します。これまでIoTにおけるサイバー攻撃やマルウェア感染の蔓延、超大規模サービス妨害攻撃の観測、分析を行い、その観測・分析結果を多数の公的機関、民間企業、研究コミュニティに提供しています。
 
  • 株式会社ゼロゼロワン 概要
ゼロゼロワンは、IoT機器開発事業者向けに設計段階におけるセキュリティ面での不安解消や想定外の脅威を作らないための支援を行うとともに、IoT機器を安全・安心に利用してもらうための啓蒙活動を行う会社です。IoT機器の普及に伴いインターネットに繋がることが当たり前になった時代の不安を取り除くために生まれました。OSINTを含む様々な情報を可視化する検索エンジンであるKarmaと、より安全な製品開発のためのコンサルティングサービスを事業の柱としています。

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会社概要

株式会社ゼロゼロワン

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URL
https://www.00one.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区本町4-22-10 パークハビオ渋谷本町レジデンス219号
電話番号
-
代表者名
萩原 雄一
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2019年08月