アントグループ、ESG戦略の活動状況をまとめた「2022年サステナビリティレポート」を発表
技術革新の分野において、2022年にアントグループは研究・開発(R&D)に204億6,000万人民元(約28億9,000万ドル)を投資しました。これにより、同社の年間の研究開発費は2019年から実質倍増したことになります。これらの投資は主に、分散データベースとコンピューティングインフラストラクチャ、ブロックチェーン、プライバシーコンピューティング、データ&ネットワークセキュリティ、グリーンコンピューティング、人工知能といった重要分野のイノベーションに配分されました。
レポートの冒頭で、アントグループの会長兼CEOであるEric Jing(エリック・ジン)は次のように述べています。「創業以来、当社は技術革新を通して、コミュニティが直面する実際の課題に対処すべく取り組んできました。商業的価値と社会的価値の両方を生み出すことこそが、当社の持続可能な成長を推進する鍵になると考えます。」
一例として、サステナビリティレポートの「環境に配慮した低炭素開発」の項にあるように、アントグループではグリーンコンピューティング技術を導入しました。この導入はデータセンターの電力効率の最適化とAIモデルのトレーニングを目的としたもので、CO2排出量の62,127.53 トンの削減という大きな成果を達成する上で、重要な役割を果たしました。これらの削減はアントグループのリースデータセンターにおいて達成されたものであり、当社バリューチェーンの2022年のCO2排出削減量に含まれます。アントグループの「カーボンニュートラリティロードマップ(Carbon Neutrality Roadmap)」 によれば、同社は2025年までにサプライチェーン全体における全ての温室効果ガス排出量の完全な評価を完了する予定です。2022年、アントグループ は事業活動におけるカーボンニュートラル目標(スコープ1および2)を2年連続で達成し、2030年までにスコープ1、2、3の全てでCO2排出量実質ゼロを達成するという約束を果たすべく、さらなる1歩を踏み出しました。
アントグループは、2022年サステナビリティレポートで、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のガイドラインに沿った評価と開示の枠組みを初めて採用しました。これによって、気候関連のリスクと機会を積極的に特定し、管理することができます。さらに、2022年サステナビリティレポートでは、特定された全ての重要課題のコアパフォーマンスベースラインについて概説し、第三者機関による確認を行っています。これらのパフォーマンス指標は、進捗状況を追跡し、同社のサステナビリティに関する記録の一貫性、検証可能性、比較可能性を高めるのに役立ちます。
アントグループの最高サステナビリティ責任者であるYijie Pengは、レポートの中で次のように述べています。「当社は長年をかけて、テクノロジーとプラットフォームによって促進される、環境に配慮した低炭素型の成長の道を探ってきました。にもかかわらず、2030年のカーボンネットゼロ目標を達成するには、依然として大きな課題が立ち塞がっています。より多くの労力とリソースを投じると同時に、長期的な計画を立てる必要があります。環境に優しい、地球全体の未来のために、社内でグリーン経営を実践し、バリューチェーン全体において広範なユーザーベースとパートナーネットワークと連携することを目指して取り組んでいます。」
2022年、アントグループは関連会社のMYBank(網商銀行)と共に 、「小規模・零細企業のグリーン格付け基準(Green Rating Standard for Small and Micro Enterprises)」の策定と発表に参画しました。この共同の取り組みは、金融機関による小規模・零細企業(SME)のグリーン経営や環境貢献の評価を容易にし、グリーンローンなどのインセンティブを提供することを目指すものです。MYbankは、2022年末までに累計で623万社のSMEのグリーン格付けを無事完了しました。さらに、インセンティブとして、優遇金利を設けたグリーンローンを42万社のSMEに提供しました。
2022年、アントグループは、サステナビリティレポートで詳しく言及している特定済みの19件の重要課題の全てを、3年間の目標と主要な結果(OKR)および実行計画の設定を担当する主要な経営陣とビジネスリーダーに割り当てました。たとえば、小規模・零細企業の包摂的な成長という課題について、当社はユーザー数や1日のアクティブユーザー数(DAU)といった、インターネット企業でよく使われる従来の指標の使用を取りやめ、代わりに、小規模・零細企業のサービスアクセシビリティの向上に重点を置くことにしました。これまで、他の手段を使うことで、小規模・零細企業のこれらの機会が奪われる結果となっていました。さらに、SMEの運用コストの削減と運用効率の向上も指標として用いています。
Yijie Pengはさらにこう述べています。「企業の将来の成長の機会は、社会問題への対応力と密接に関連していると確信しています。そのため、当社は商業面と社会面で総合的な価値を生み出すことをESG戦略の中核に据えており、これによってイノベーションの機会を見出し、将来の持続可能な成長を推進することが可能になります。」
デジタルインクルージョンの分野において、アントグループと関連会社のMYbankは、これまでに累計で8,600万社のSME(中堅・中小企業/小規模事業者を含む)に包摂的な決済・金融サービスを提供しており、2030年までに1億社のSMEにサービスを提供するという目標に向けて着実に前進しています。2022年、アリペイにおけるマーチャントのミニプログラムの年平均取引金額は、前年比で49.2%増加しました。国際的な協力と協調という重要課題に対処するために、アントグループでは、グローバルパートナーのサービスをトータルで2億6,000万人のお客様に利用していただけるようにサポートし、SMEが当社の国境を越えた決済・金融サービスを通して、容易にグローバルな取引に関与できるようにしました 。
アントグループは2022年に、リスク管理・消費者権利保護委員会(Risk Management and Consumer Rights Protection Committee)とESG持続可能な開発委員会(ESG Sustainable Development Committee)という2つの専門委員会を立ち上げ、コーポレートガバナンスの取り組みを強化しました。これらの委員会を設置したことで、同社のガバナンス体制がさらに強化されることとなりました。業界のエンパワーメントと相互発展を促進するという重要課題に対応するために、アリペイのオープンプラットフォームでは独立系ソフトウェアベンダー(ISV)と協力して、400種以上の業界特化型ソリューションを生み出すことで、さまざまな業界の加盟店の成長と効率化を支援しています。また、アントデジタルファイナンスのオープンプラットフォームを利用することで、150を超えるパートナー金融機関が年間約100万人のユーザーを増やすことに成功しています。
2022年のアントグループの慈善目的の寄付の総額は7億9,000万人民元(約1億1,160万ドル)に達し、2019年以降の慈善目的の支出は累計で27億人民元(約3億8,150万米ドル)となっています。これらの取り組みの1つである「サイバームーラン(Cyber Mulan)」プログラムを通して女性を支援することで、基本的保護、雇用・キャリア支援、多様な成長の機会という3つの重要分野での進展が実現することとなりました。これによって、375万人の農村部の女性が保険に加入でき、1万人の女性に職業訓練とデジタル雇用の機会が提供されました。また、無利子もしくは低金利の融資の対象が100万人以上の女性起業家にまで広がり、農村部の70の女子サッカーチームが支援を受けることができました。
2017年より、アントグループはGlobal Reporting Initiative(GRI)の基準に従い、年次サステナビリティレポートを発行しています。これらのレポートは、アントグループのウェブサイトでご覧いただけます。
中国語:https://www.antgroup.com/esg/reportdetail
英語:https://www.antgroup.com/en/esg/reportdetail?SustainabilityReport
(現時点では2022年レポートは、中国語版のみ公開。英語版は数週間の内に公開される予定です)。
アントグループについて
アントグループは、サービス産業のデジタルトランスフォーメーションを支援する基盤とプラットフォームの構築を目指しています。すべての消費者と企業が、包括的で環境に優しく、持続可能な金融サービスやその他のサービスに平等にアクセスできるように取り組んでいます。
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