【プレスリリース】Global Vascular、シリーズBで10億円を調達ー累計調達額は27.7億円に到達

Global Vascular

脚の末梢動脈疾患(PAD)治療に特化した次世代医療機器の開発を行うGlobal Vascular株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:尾藤健太、代表取締役CTO:前川駿人)は、シリーズBラウンドにおいて総額10億円の資金調達を完了したことをお知らせいたします。これにより、創業からの累計調達額は27.7億円に達しました。

本ラウンドでは、Diamond Medino Capital株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、三井住友信託銀行株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、メディキット株式会社、株式会社ファストトラックイニシアティブ、東京理科大学イノベーション・キャピタル株式会社、東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社などが引受先となっております。

■今回の資金調達の目的

今回調達した資金は、以下の目的で活用します。

  • 国内における探索的治験・検証的治験の実施

  • 製造プロセスの最適化および量産体制の確立

  • 米国を中心とした海外市場での規制対応および申請準備

当社が開発するBTK(Below-the-Knee)領域の薬剤溶出性ステント(DES)は、治療選択肢が限られていたPAD重症患者に対して、長期的な血管開存性と高い安全性を提供することを目指しています。

■2027年にかけて国内治験実施、薬事承認を目指す

当社は、今回の資金調達により、生体内での異物反応を引き起こさないことを目指して開発しているBioStealth™ステントを搭載した膝下動脈疾患用薬剤溶出性ステントデリバリーシステムの国内薬事承認取得に向け、治験を実施いたします。既に2024年には米国GLP基準に準拠した非臨床試験を完了しており、グローバルでの薬事戦略も同時に推進中です。まずは日本国内での臨床開発をマイルストーンとし、世界の患者さんへの貢献を目指します。

■Global Vascularの強みと独自技術

Global Vascularは2000年代から医工連携共同研究チームHasebe Research Group(以下HRG/グループリーダー:長谷部光泉)の長年の研究にて研究・開発されてきたバイオマテリアル「フッ素添加ダイヤモンドライクカーボンコーティング(F-DLC)」を下肢に用いられるニッケルチタン(NiTi)ステント表面にコーティング可能な技術を確立させたことで、他社がアプローチできなかった「生体と人工物との異物反応」の極小化を実現しました。ステントの構造設計、ポリマー/薬剤溶出層の設計、カテーテル設計など、素材からプロダクトデザインまでを含めた一連の開発工程において、研究からエンジニアリング、治療ガイドラインを熟知した専門医を含めたマーケティング、製品化、製造販売承認取得に至るまでを一気通貫で推進し、世界に先駆けた次世代ステントを世界中の医療現場に届けることを目指しています。

■市場背景と今後の展望

世界には2億人を超えるPAD患者が存在し、その多くが重症化によって日常生活に重大な支障をきたしています。特に膝下の末梢血管は、細く血流が遅いため再閉塞しやすく、有効な治療の選択肢が限られていました。

Global Vascularは、これまで培ってきた研究成果と臨床知見を融合し、治療困難な領域への新たなアプローチを提供することで、グローバル市場での展開を見据えた世界標準の医療機器開発を進めてまいります。

■投資家からのコメント

Diamond Medino Capital株式会社

取締役 パートナー 西田 尚弘

Global Vascular社(以下、GV社)のステント開発事業は、尾藤・前川両代表が弊社代表の長谷部とともに10年以上にわたり取り組んできた研究開発の成果を基盤としています。創業当初より、弊社(弊ファンド)は出資に加え、取締役を派遣するなど、技術革新と事業成長の両面にわたって全面的な支援を行ってまいりました。

昨年米国にて実施したGLP準拠の動物試験は、日本発スタートアップとしては異例のスピードで無事完了し、この度、創業からわずか2年半という短期間で国内における治験開始を迎える運びとなりました。この成果は、多くの国内外の支援者・投資家の皆様のご協力の賜物であり、また、スピード感と緊張感を維持し続ける経営陣ならびに新たに参画された全てのGV社のメンバーの大きなマイルストーンと言えます。

今回の大型資金調達の成功により、国内治験に必要な資金を確保するとともに、グローバル展開を見据えた次の成長フェーズへと進む準備が整いました。GV社はこの2年半で日本を代表するバイオベンチャーとしての地位を築いてまいりましたが、今後は世界市場を視野に入れた本格的なグローバル事業展開を目指していく予定です。

弊社としても、この素晴らしい技術の社会実装を通じて、国内外の患者様への貢献を一日も早く実現すべく、引き続きGV社とともに歩んでまいります。

三菱UFJキャピタル株式会社

ライフサイエンス部 次長 井澤 洋介

アンメットメディカルニーズの高い膝下領域の動脈硬化症に対して、Global Vascular社が開発するステントであれば、新たな治療オプションになる可能性が高いと考え、弊社はこれまで2度同社に出資を行いました。

2023年11月の初回出資以降、株主として同社に伴走させて頂く中で、同社メンバーであれば本事業を成功に導き、多くの患者様を救うことができるという確信が更に増し今回追加出資を致しました。

同社の事業成長に向けて、MUFGの有するネットワークを駆使し、全力で支援して参ります。

三井住友信託銀行株式会社 

インパクトエクイティ投資部 部長 米田 一弥

このたび、Global Vascular株式会社への出資を通じて、同社の革新的な下肢動脈疾患用ステントデリバリーシステムの開発事業を支援できることを大変嬉しく思います。高齢化が進む中で、血管疾患の早期発見・治療はますます重要性を増しており、同社が築き上げている開発の難易度が非常に高い先進的なステント技術は、患者様と医療現場双方に新たな価値をもたらすと確信しています。早いスピードで成長を遂げられている同社の将来性と社会的インパクトに大いに期待しております。

三井住友海上キャピタル

投資部 パートナー 平井 宏明

Global Vascular社は、膝下領域の末梢動脈疾患治療用として、血管の屈曲・蛇行・変形に対応できる超薄型・拡張性を備えた、世界初の新ステントを開発するスタートアップです。

現状の治療方法やその効果を踏まえると、膝下領域に適用できる有効なステントは世界に存在しておらず、まさにunmet medical needsに対応できる新ステントになります。

この新ステントは、同社の長谷川教授(取締役)と尾藤代表・前川代表による長年の研究開発成果の賜物であり、この新ステントが膝下血管治療の必要な多くの患者様の予後やQOLを大幅に改善することができると確信しております。

Global Vascular社には、この開発成果を1日でも早く患者様にお届けできるように事業推進していただくことを期待しております。

メディキット株式会社

代表取締役 景山 洋二

下肢閉塞性動脈硬化症の治療に関して、膝窩動脈領域では、血管径が細く、血流が遅いといった特殊性により、有効な医療機器(ステント)が開発されるに至っておりません。Global Vascular社が、高い専門性を持つメンバーの英知を結集し、この医療課題に対して取り組んだことは意義深いものですし、有効性が期待できるステントを開発し治験の開始にまで進めたことは先駆的な取組みと考えられます。弊社にとって、こうした同社の取組は、同じ医療に関わる者として共感し、今回の出資を通じた同社との関係が、弊社のインターベンション・ビジネスにも良い影響を与えてくれるものと確信しております。

東京理科大学イノベーション・キャピタル株式会社

共同創業者/代表取締役マネージング・パートナー 片寄 裕市

共同創業者/代表取締役マネージング・パートナー 高田 久徳

Global Vascular社が推進する末梢動脈疾患治療用ステントの社会実装に向けた取り組みは、これまで治療の選択肢が限られていた末梢動脈疾患に対する有望な新たな手段として、大きな期待が寄せられています。Global Vascular社による米国や日本での試験・治験準備の進展、そして組織体制の強化などを通じて、その実現に向けた歩みは着実に前進しています。このステントが、一人でも多くの患者さんの治療に役立てられる日が一刻も早く訪れるよう、私たちも引き続き、変わらぬ思いで支援してまいります。

株式会社ファストトラックイニシアティブ

ベンチャーキャピタリスト 森 智世

ベンチャーキャピタリスト 加藤 尚吾

シリーズAラウンドに続き、今回の資金調達ラウンドにおいてもフォローオン出資をさせていただきました。前回ラウンド以降、同社は圧倒的なスピードで大きな進捗を遂げ、いよいよ開発中のステントが、治験を通じて世界で初めて患者さんに使用される段階を迎えようとしています。

また、経済産業省の「J-Startup」企業に認定されるなど、名実ともに日本で最も注目されるメドテックスタートアップの一つへと進化を遂げています。 グローバル展開を見据えたチーム体制の整備と事業展開も積極的に進められており、日本から世界市場に挑むスタートアップへと、さらなる飛躍を遂げることを確信しています。

患者さんの「いのち」と「くらし」に貢献することを目指す私たちにとっても、このような素晴らしいチームとご一緒できることを心より嬉しく思います。閉塞性動脈硬化症の患者様に一日でも早く治療法を届けられるよう、引き続きFTIとして全力で支援してまいります。

■代表取締役より

代表取締役CEO 尾藤 健太

代表取締役CTO 前川 駿人

私たちはこれまで、工学と医学、そして研究と実業が一体となった類まれなるチームをコアに、前例にないという壁を幾度となく突破し、その結果を示してきました。今後も多くの壁が立ちはだかることが予想されますが、強固なチームワークと確かな技術で、それらを乗り越えていく未来を信じています。

治験の実施により、病気に苦しむ患者さんを対象にしてリアルワールドでのデータ取得フェーズが始まります。メンバー一同、命に関わる大きな責任を背負いながら、世界中の患者さんに新しい治療を届けるべく、引き続き開発を進めてまいります。

■Global Vascular株式会社について

Global Vascular株式会社は、「歩くという当たり前が守られる未来を目指して」をミッションとして、独自の生体適合性マテリアルを搭載した医療機器「薬剤溶出性ステントデリバリーシステム」開発により世界初の最先端血管内治療を実現する、大学の医工連携グループ発のディープテック・スタートアップです。Hasebe Research Groupのポリマーチームリーダーであった尾藤、ダイヤモンドナノコーティングチームリーダーであった前川が2022年12月に共同で創業し、設立3年未満にも関わらず、複数の受賞・表彰を受け、急成長しております。

現在、Global Vascularではコーポレート人材、エンジニア人材ともに積極的に採用を進めております。詳しくはhttps://www.g-vasc.com/recruitをご覧ください。

■会社概要

(1)会社名:Global Vascular株式会社

(2)代表者:代表取締役CEO尾藤健太、代表取締役CTO前川駿人

(3)所在地:東京都新宿区市谷田町3-8市ヶ谷科学技術イノベーションセンタービル2F

(4)設立:2022年12月

(5)事業内容:医療機器の製造販売、研究、設計開発、コンサルティング 等

(6)URL:https://www.g-vasc.com/

■本件に関するお問合せ先

Global Vascular株式会社 広報担当

メール:pr★g-vasc.com(★を@に変えてご連絡をお願いいたします)

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬化学
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会社概要

Global Vascular株式会社

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URL
https://www.g-vasc.com/
業種
製造業
本社所在地
東京都新宿区市谷田町3-8 市ヶ谷科学技術イノベーションセンタービル2F
電話番号
-
代表者名
尾藤健太、前川駿人
上場
未上場
資本金
2億5000万円
設立
2022年12月