株式会社サイト-ファクト 第三者割当増資にて12億円を調達
受託製造体制の充実と製造DX化を加速させ、更なる事業拡大を目指す

株式会社サイト-ファクト(本社:神戸市、代表取締役:川真田 伸、以下「CF社」)は、このたび
シリーズ Bラウンドにおいて 12億円の資金調達を実施しました。本ラウンドでは、シリーズ Aからの
既存投資家である MPower Partners GP, Limited および新規投資家である富士フイルム株式会社の
共同リード投資家と、住友商事株式会社と旭化成株式会社の4社を引受先とした第三者割当増資を
行いました。これにより CF社設立以来の累計資金調達額は 27億円に到達しました。
シリーズA 実施後の CF社の事業進捗
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AMED ”再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業” において、「商用提供が可能な遺伝子改変細胞の国内製造技術基盤の確立に向けた研究開発」として採択(2024年8月)
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サンバイオ社のシーズであるアクーゴ®脳内移植静注の品質管理試験の開発を目的として、基本合意契約を締結(2024年9月)、その後、商用製品の品質試験、細胞特性解析試験を継続的に実施
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国内創薬系バイオテック企業から治験製造サポート業務を受託 (2024年10月)、国立研究機関から
非臨床試験、治験製造に関する業務を受託(2024年12月) -
国内製薬企業から間葉系幹細胞製品の製造に関する業務を受託 (2024年12月)
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クラウド型統合遺伝子細胞製造管理システム CytoFactory 4.0のローンチ(2025年4月)
CF社が目指す遺伝子・細胞療法の世界と今後の展望
遺伝子・細胞治療は次世代の医療として国内外で急速に注目を集めていますが、その製造・供給体制
には依然として多くの課題が残されています。たとえば、国内やアジアの患者様に提供される製剤が
欧米で製造される場合、原材料や最終製品の長距離輸送に多大なコストと時間を要する上、品質・安定供給の観点でもリスクを伴います。また、製造工程の多くが手作業で行われており、自動化・標準化が進んでいないことから、人件費や品質保証コストが価格に跳ね返り、医療費の高騰に繋がっています。
また、国内やアジアに供給される遺伝子・細胞製剤を欧米で製造する場合は、患者様の組織や血液などが欧米の製造工場へ送られ、再び製品として日本やアジアに送り返されるため、輸送に膨大な費用が
かかります。すなわち、一般の医薬品とは異なり、遺伝子・細胞製剤の製造は自動化が進んでおらず、手動による製造や製造記録にかかる人件費などのコストにより遺伝子・細胞製剤の価格が高額となり、それが患者様の大きな負担となっています。
1. 商用製造体制の拡充とアジア展開の加速
今後、日本国内における商用製造の需要拡大に
対応するため、既存施設の増強および新規施設の立ち上げを推進します。また、薬機法に基づく
製造管理体制の強化、人材育成、品質保証体制の高度化を図るとともに、欧米のグローバル製薬
企業との協業で培った商用製造の実績を活かし、アジア諸国における遺伝子・細胞製剤の製造・
供給拠点として機能する「国際的製造ハブ」としてのポジション確立を目指します。

2. 製造DXの加速と自社製造基盤への実装展開
CF社は、SaaS クラウド統合型遺伝子細胞製造管理システム「CytoFactory 4.0 (CF4.0)」のローンチ(2025年4月) に伴い、当社受託製造プロセスへの展開を開始いたしました。すでに社外顧客向けには
製造管理モジュール (MES: BatchLine) の販売をはじめており、今回の資金調達により開発を加速、
2026年内には社外顧客への導入を開始します。
CF4.0は、原材料・製造・試験・出荷管理を一元化し、製造全工程の電子化・データ化を実現するCDMO 発のシステムです。SaaS クラウド上での統合により、柔軟かつ安価に導入でき、データ連携とセキュリティ管理の簡素化を可能にします。さらに、国内外に販路を有するパートナー企業との代理店契約を通じ、グローバル市場への展開も推進してまいります。

CF社からのコメント
代表取締役 川真田 伸のコメント
2023年3月末に当社前身である公益財団法人神戸医療産業都市推進機構からスピンアウトし、ようやく2年が経過しました。昨年に続き、皆さまのご協力により 12億円の資金調達ができたことは、当社事業の社会的立ち位置や重要性をご理解いただき、従来以上に大きな期待を込めていただいた結果であると、大変感謝しております。
また、本ラウンドは事業法人を中心とした出資構成となったことも、当社にとっては大きなプラスで
あると考えております。今後の事業シナジーが十分見込め、持続的な成長に繋がるものと確信しております。
調達した資金を必要な分野に適切に配分し、遺伝子・細胞療法事業で世界のトップレベルを目指して
まいります。
当社について
遺伝子・細胞製剤に特化し、CMO・CDMO事業、品質試験の受託、遺伝子細胞製剤の製造コンサル
ティングを行っています。
1. これまでの実績
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キムリア点滴静注®の商用製造(前身の公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 細胞療法研究開発センター)において実施 https://www.fbri-kobe.org/pdf/press20190129.pdf
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自家滑膜間葉系幹細胞を用いた再生医療等製品(開発コード: FF31501)の治験製品製造
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/9142 -
その他、国内外の遺伝子細胞製剤のシーズにおける治験製造やプロセス開発での細胞加工施設の
提供や、QC試験の外注、各社へのコンサルティングなど、GMP準拠の環境下での最新の細胞治療の開発を支えている。
2. 会社概要
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社名:株式会社サイト-ファクト(英語名:Cyto-Facto Inc.)
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本社所在地:神戸市中央区港島南町2-1-11 市民病院前ビル3階
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代表取締役:川真田 伸
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事業内容:細胞治療及び遺伝子治療製剤の研究、開発、製造及び販売
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設立:2022年 10月 18日
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従業員数:69名(2025年 6月 1日現在)
本件に関する問い合わせ先:info@cytofacto.com
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