キャリア・育児・介護・健康課題など50の支援団体・企業を可視化した「働く女性のためのサポートマップ」公開
「働く」という選択をした女性たちが自分の状況に合ったサポートを見つけ、孤立することなく働き続けられる社会の実現を目指す
「ライフイベント」と「働く」が二者択一にならない社会の実現目指す特定非営利活動法人ArrowArrow(代表理事:海野千尋)は、女性が働き続ける中で抱える悩みや困りごとに合わせて、支援団体・企業を探せる「働く女性のためのサポートマップ」の無料公開を2025年6月30日(月)から開始しました。

「働く女性のためのサポートマップ」とは
「働く女性のためのサポートマップ」とは、女性が仕事を続ける中で直面するさまざまな課題や状況に応じて、自分自身の悩みに合った支援を見つけるためのPDF形式のビジュアルガイドです。50の団体・企業を3つのカテゴリ(「働く」「ケア」「健康」)に分類し、団体・企業ごとに支援の特徴を表したハッシュタグを付けて紹介しているため、悩みに合わせた支援を見つけやすいのが特徴です。
掲載している団体・企業は、首都圏を活動の中心とし、オンラインでの全国対応、または女性の悩み解決に必要な専門情報を発信するサイトの運営により、女性をサポートしています。
【カテゴリの詳細】
働く:「働く」の選択肢をひろげ、悩みを解決へ導く支援団体・企業
・多様な働き方に触れる
・多様に働くことができる企業に繋がる
・キャリアアップに挑戦する
・“働く”の困りごとを相談する
・未来のための学び
ケア:家族の介護や子育てなど、家族との関わりを支援する団体・企業
・子どもを育てる
・パートナーシップを育む
・親のケアをする・介護
・心のケアをする
健康:ライフイベントに寄り添う女性の健康に関する支援団体・企業
・子どもを産む・産みたい・産んだあと
・女性特有の身体をケアする/健康・更年期・女性特有のがん

ハッシュタグから支援の特徴を知り、ロゴをクリックして各団体・企業のWebサイトで情報を得られる
「働く女性のためのサポートマップ」作成の背景
当法人が活動を始めた2010年以前は、第1子出産前後の就業継続率は4割程度でしたが、最新の数値(2015~2019年)では69.5%へと大きく上昇しています(※1)。さらに、2024年の女性の年齢階級別就業率は全ての年代で過去最高水準となり(※2)、この15年で働く女性の数自体が大きく増加してきました。この変化は、子育てや介護など、これまで家庭でケアを担っていた人々が社会に出ることを意味し、働きながらケアを担うことが一般的となったことで、様々な課題が顕在化してきました。さらに近年では、生理や更年期といった女性特有の健康課題がキャリア形成に与える影響も広く認識されるようになっています。
育児・介護休業法の改正や女性活躍推進法、働き方改革関連法の制定など、法制度面での整備は着実に進んでおり、各企業で多様な働き方を支援する環境は整いつつありますが、現場では依然として課題が残っているのが現状です。企業側が課題を認識していても、企業内だけでは解決できない問題や、制度設計に時間を要する場合もあります。また、非正規雇用や孤立しやすい就業環境では職場内の相談体制が不十分なケースも多く見られます。
一方で、働く女性自身は、妊娠、出産、子育て、家族の介護、自身の心身のケアなど、人生で起こりうる様々な出来事について、社会に出る前に学ぶ機会がありません。事前の知識がないまま働くことに1日のほとんどを費やす中で、課題に直面して初めて情報を探すことになります。その結果、適切な支援に接続できずに働くことに支障をきたすケースが少なくありません。この現状は、女性の働く選択肢がひろがったからこそ生まれた新しい社会課題であり、企業側の体制整備を進めるとともに、女性個人への支援が必要です。
このような新しい社会課題への解決策の一つとして、デジタル人材の伴走による企業へのDX現場支援事業を展開する株式会社メンバーズのプロボノ支援を受け、半年間かけて「働く女性のためのサポートマップ」を作成しました。首都圏を活動の中心とし、オンラインで全国対応している支援団体・企業を調査し、各支援の特徴を分析・分類する作業を重ねた結果、IT業界の「カオスマップ」にヒントを得た形式で可視化しました。
支援の特徴を表したハッシュタグを付けて団体・企業を紹介しているため、悩みに合わせた支援を見つけやすくなっています。また、女性が働く上で直面する可能性がある様々な課題を集約することで、まだ経験していない状況を見通すことができます。頼れる先があることを知ることは、「困ってもなんとかなるかもしれない」という安心感につながり、女性が働き続ける上で精神的な支えになります。このサポートマップは、「働く」という選択をした女性たちが人生の様々な局面でサポートを見つけ、自身の選択を叶え続けられる社会の実現を目指すものです。
《参考》
※1:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(令和3年)


働く女性の複雑なニーズや課題を整理・分類し視覚的にわかりやすく必要な情報を簡潔に伝える工夫を重ねた
NPO法人ArrowArrow代表理事・海野千尋 コメント
支援を知ることで広がる、働く女性の選択肢。
「働きたい」という選択を叶え続けられる社会を目指して。
当法人が活動を始めた2010年以前は、第一子の出産を機に5割を超える女性が離職していました。ライフイベントかキャリアか、その二者択一となってしまう社会を変えていきたいという思いで活動を立ち上げ、15年間にわたり個人と企業、双方の選択肢を拡げる取り組みを進めてまいりました。現在は、企業も働き方の多様性を受け入れる時代に変化しており、この変化によって生まれた新しい課題に対して、個人と企業双方の歩み寄りが必要です。

私がこのサポートマップの作成を考えたきっかけは、コロナ禍で女性の「働く」の脆さを、改めて痛感したことにあります。様々な女性とお話しする中で、置かれた状況によって影響の度合いが全く異なること、どこに相談したらいいか分からず抱え込んでしまう女性が多くいることを目の当たりにしました。
しかし、働く上で立ち止まってしまう課題が多い女性を、様々な分野で支援している団体・企業は、実は世の中に数多く存在しています。私はNPOの活動を通してその事を知ることができたからこそ、今後働き続ける中で何かに悩んだとき、相談できる場所があり、何とかなるだろうという安心感を持つことができています。
一方で、会社員がNPOなどの支援組織に関わる機会はほとんどありません。私自身も、民間企業で働いていた20代は接点がありませんでした。自分にとって、結婚・妊娠・出産が身近になり、「このまま働けるのか」という不安を抱えて初めて、相談出来る場所を探したのです。だからこそ、働く中で課題に直面したとき、「何をどうしたらいいか分からない」という状況に陥ってしまう問題を何とかしたいと思っています。
サポートマップ作成にあたっては、女性が抱える可能性のある悩みや困りごとを集約し、女性が自分の悩みに合わせて支援を見つけ、「探して接続する」アクションを応援する地図となることを目指しました。自分にどんなことが起きる可能性があるのかを知った上で、どんな状況になっても、支えてくれる人たちがいることを実感していただきたいと考えています。
自分が何を知っているかで、選べる選択肢は大きく変わります。女性たちが自分に必要な支援を見つけられ、一人で悩み何かを諦めるのではなく、支援やサポートを受けながら、「働きたい」という自分の選択を叶え続けられる社会の実現を一歩でも前に進めていきたいと思います。
【トークイベントのご案内】
「働く女性のためのサポートマップ」の公開に合わせ、「働く女性が直面する社会課題の今」を伝えるオンラインイベントを7月14日(月)~18日(金)に開催いたします。各分野で女性支援に取り組む団体・企業をゲストに迎え、現場の声をお届けします。
特定非営利活動法人ArrowArrowについて
NPO法人ArrowArrowは、ライフイベントと「働く」が二者択一となってしまう社会課題の解決を目指し、誰もが自分の望む未来を実現できる選択肢があふれる社会の実現に向けて活動している団体です。男女共に産休・育休を取得推進するサポート事業、子育てしながら働く両立支援事業、女性再就職支援事業など、個人と組織、双方の選択肢を拡げる取り組みを展開しています。
法人名:特定非営利活動法人ArrowArrow
代表者:海野千尋
設 立:2010年7月1日
事業内容:産育休取得に関わるサポート事業、ライフイベントを迎える女性及び男性のキャリア形成をサポートするための研修事業、講演・研修などを含めた情報提供をおこなう事業
【本件に関するお問合せ】
特定非営利活動法人ArrowArrow
メール:info@arrowarrow.org
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像