吉利汽車のハイブリッド技術i‑HEVが示すガソリン車の新たな可能性
吉利汽車(Geely)は、インテリジェントハイブリッド技術「i‑HEV」を発表した。トヨタのハイブリッドシステムが長年にわたり大きな影響を与えてきた市場に、新たなアプローチを提示する技術だ。AIによるエネルギーマネジメント、高出力の電動駆動システム、高い放電性能を備えたバッテリー、高効率エンジンを組み合わせ、燃費性能、走行性能、安全性、信頼性の向上を図る。

吉利汽車グループ(Geely Auto Group)によると、i‑HEV用エンジンの最高熱効率は48.41%に達し、現在量産されているエンジンの中で最も高いという。燃費試験では、Geely Emgrand i‑HEVが複合モードで100km当たり2.22Lの燃料消費量を記録し、ギネス世界記録に認定された。
i‑HEVは、エンジンと電気モーターをそれぞれ独立して作動させる構成を採用し、条件が整えばモーター駆動を優先する。電動駆動システムの出力は最大230kW。吉利汽車グループによると、WLTC試験サイクルでは走行時間の80%超をモーター駆動が占める。また、時速66kmまでモーターのみで走行でき、駆動系の応答時間は10ミリ秒としている。
AIを活用したエネルギーマネジメントプラットフォームは、走行状況に応じてエンジンとモーターの出力配分を調整し、車両全体のエネルギー効率を10%超向上させる。i‑HEVは、スマートコックピットや運転支援機能にも対応する。
安全面では、駆動系の冗長性を確保する特許取得済みの設計を採用している。エンジン、P1モーター、P3モーターがそれぞれ独立して作動するため、いずれか一つが使用できなくなった場合でも、走行を継続できる構成だ。
吉利汽車グループは、Preface L Plus、Xingyue L、Boyue Lなど、複数の量産モデルにi‑HEVを展開している。今後登場するXingyue L PLUSは、最高出力160kWのエンジンと230kWのP3モーターを組み合わせた「2.0TD i‑HEV」システムを初めて搭載するモデルとなる。
充電インフラが十分に整っておらず、ランニングコストが重視される市場では、外部充電を必要としないハイブリッド車(HEV)が、燃料消費を抑える現実的な選択肢となり得る。吉利汽車グループは、i‑HEV搭載車を世界各地の市場へ順次投入し、低燃費、モーター駆動ならではの応答性、先進技術を兼ね備えたフルハイブリッド車を提供していく計画だ。
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