NPOこどこど 〜うつ病予防支援事業を実施〜
「うつ病予防」への理解と実践に向けての課題
取り組みの概要
特定非営利活動法人こどもたちのこどもたちのこどもたちのために(以下NPOこどこど、所在地:東京都千代田区有楽町)は、休眠預金等活用制度に基づき、一般財団法人日本民間公益活動連携機構の助成を受け「うつ病予防支援事業」を実施しました。
現在の日本では、うつ病患者は年々増加しており、全人口の*約6.6%が罹るとされる一方で、その予備群はさらに多く存在すると言われています。特に働く世代を中心に、心身の不調を抱えながらも適切な支援にアクセスできていない人々が多く、社会的・経済的損失の観点からも大きな課題となっています。これまでのメンタルヘルス対策は、発症後の治療やケアが中心であり、「未然に防ぐ」という視点での体系的な取り組みは十分に普及していません。また、医療機関での対応だけではカバーすることが難しい症状が軽度である方や、受診に至っていない人々に対するアプローチの必要性が指摘されています。 *平成18年度厚生労働科学研究「こころの健康についての疫学調査に関する研究」主任研究者:川上憲人
本事業は、増加し続けるうつ病およびその予備群に対し、発症後の対応ではなく「予防」に焦点を当てた取り組みとして、5つの実行団体と連携しながら約3年半にわたり推進し、具体的に以下の取り組みを行っている団体と共に事業を行いました。
・株式会社フェアワーク(ラインケア・カウンセリングにつながるサーベイ)
・特定非営利活動法人東京メンタルヘルス・スクエア(誰でも利用することができる無料電話相談窓口/お話パートナー)
・特定非営利活動法人森林セラピーソサエティ(心身のストレス改善が証明されている森林セラピー)
・株式会社イーガイア(株式会社S’UIMIN)(睡眠についてもっと知るセミナーや睡眠の質を可視化する睡眠計測)
・一般社団法人ローランズプラス(花・植物を通じたメンタルヘルスの改善)
各実行団体で取り組みの効果を可視化し、社会的価値を示すために「社会的インパクト評価」を事業設計段階から導入しました。具体的には、リーチ数、参加率(コンバージョン)、継続率(アドヒアランス)、そしてうつ病リスクの削減率をもとに設定しました。結果として2025年末時点で推計事業総額2億4282万円に対し、2025年末時点で評価額は6億802万円と、約2.5倍の効果が得られました。

削減率12.3%を達成
うつ病予防の効果を定量的に把握するため、各実行団体の予防プログラムの実施前後にアンケート(QIDS-J:簡易抑うつ症状尺度)を行いました。下図に1回目と2回目の分布を示します。1回目に比べ、2回目では正常の方が増え、軽度や中等度の方が減る傾向がみられました。ただし重度の方には効果が見られませんでした。

対象741名の削減率は12.3%と示されました。正常=1、軽度=2、中等度=3、重度=4、きわめて重度=5のカテゴリに分類し、カテゴリ間の変化を調べたところ、1回目:1.599、2回目:1.456と、
t検定でp<4.61E-08の有意なリスク削減が示された結果となりました。
(東京メンタルヘルス・スクエアはアンケート取得方法が異なるため、ローランズプラスは団体都合により途中で終了したため、データには含まれていません。)
健康経営EXPOへの出展
予防の取り組みをより広く社会に発信するとともに、今後の事業継続および発展に向けた新たな連携機会の創出を目的として、健康経営に関心の高い企業や関係者が集まる健康経営エキスポに出展しました。本事業の知見や成果を、健康経営に取り組む企業や導入を検討している担当者に直接届ける機会となりました。

事業報告会の開催
さらに今年2月には、これまでの取り組みと成果を広く共有するためにメンタルヘルスの専門分野の方にご登壇いただき、うつ病予防に関するさらなる理解の促進と、多様な関係者とのネットワーク構築を目的として事業報告会を実施しました。医学界、産業保健職、健康経営エキスポで交流をした方々にご参加いただきました。社会への予防の重要性の啓発のために事業報告書「メンタルヘルスの手引き」を作成しました。報告書は3月26日(木)17:00までにお申し込みいただいた方に無料で冊子版を印刷して送付いたします。ぜひこちらのリンクよりお申し込みください。

認識の変化
健康経営エキスポと事業報告会では参加者の方に「うつ病予防に対して認識の変化が現れているか」についてアンケートを実施しました。
日頃からメンタルヘルスに課題を持っている方々の認識の変化は大きく、うつ病予防に対する理解と、その重要性の再認識が広くみられました。これまでは罹患後の対応に重視される傾向にありましたが「うつ病は予防できる」という視点を改めて認識できたことは大きな成果であり、今後の業務において予防の観点を取り入れていきたいと感じた方もいらっしゃいました。

今後の課題
一方で、実際の現場では経営層の理解不足や組織体制の課題が見え、実践に向けては障壁があることも改めて明らかとなりました。本報告会は、事業成果の発信にとどまらず、うつ病予防を社会全体で推進していく体制を作るための重要な機会となりました。
当団体はこれらの課題を重要な示唆として捉え、今後も問題意識を持ち続けながら、より実効性の高いうつ病予防の取り組みに挑戦してまいります。
【NPOこどこどについて】
◆About
名称:特定非営利活動法人こどもたちのこどもたちのこどもたちのために
設立:2011年11月11日
所在地:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館6階 goodoffice有楽町
理事長:桂川直樹
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◆Our Mission
「こどもたちのこどもたちのこどもたち」、つまり100年後の将来世代が幸せになれるかを考え、行動し、実現していきます。
楽しみながら、学びながら、そして誠実に、社会的課題をみつめ、解決し、貢献していきます。
◆Our Service & Products
■ POSRI(ポスリ)https://www.posri.jp/
罹患リスクの先送りをお手伝いするスマホアプリ
アンケートからメンタルヘルスの不調を早期発見し、うつ予防をサポートします。健康習慣を簡単に登録でき、継続的な健康行動を応援し罹患リスクの先送りをお手伝いします。多数の医師・研究者が監修し、エビデンスレベルの高い、300種類以上の健康習慣を掲載しています。

■ GreenChord(グリーンコード)https://www.greenchord.jp/
人間ドック・健診施設で受ける遺伝学的検査

■ ゲノムコンシェルジュ https://www.kodokodo.or.jp/genomeconcierge
ゲノムの解説とアドバイスをする資格

【一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)】
「うつ病予防支援事業」はJANPIAの支援を受けて実施しています。

本事業に関するお問い合わせ:NPOこどこど担当窓口
kyumin@kodokodo.or.jp
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