登山者の「本音」をAIが収集。Astermindsと白馬館、スマホ完結の「AIヒアリング」で潜在ニーズを可視化
〜北アルプス白馬山荘にて観光客約50名にAIがヒアリング。市場調査の「AIネイティブ」化により観光DXの意思決定を加速〜
業務・顧客ヒアリング特化型のAIエージェント「AIヒアリング」を開発するAsterminds株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:本多真二郎)は、株式会社白馬館(本社:長野県北安曇郡白馬村、代表取締役社長:松沢貞一)と共同で、同社が運営する「白馬山荘」において、観光客のニーズ把握を目的とした実証実験(PoC)を実施いたしました。

本PoCでは、AIエージェントが国内外の登山者約50名に対し、合計約12.5時間分のヒアリングを自律的に実行。従来の対面調査とは異なるアプローチとして、「実用に足る深さ」を維持しつつ、人手では困難な「スケールとスピード」で観光客の声を収集・構造化できることを確認しました。
1. 背景:世界で加速する「AIネイティブ調査」と白馬エリアの課題
世界の市場調査市場は年間約20兆円規模に達し、米国を中心にAI主導の新しい調査プラットフォームが台頭しています。著名VC Andreessen Horowitz (a16z) も「AI-driven market researchは顧客理解を根本から変革する」と指摘しており、リアルタイムで継続的な顧客インサイト収集が世界的な潮流です。
その一方で、白馬エリアを含む観光現場では以下の課題がありました。
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来訪者の属性・目的の多様化
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多言語対応の難しさ
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現場での会話が“データ資産化”されず失われてしまう
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専門家による対面調査は高品質だが、人員とコストがボトルネックになる
■株式会社白馬館 概要
会社名: 株式会社白馬館
代表者: 代表取締役社長 松沢 貞一
所在地: 長野県北安曇郡白馬村大字北城6307番地
事業内容: 北アルプス白馬連峰における山小屋、スキー場リフト、レストランの運営
URL:https://hakubakan.com/

2. PoCの概要:AIヒアリングによる観光客インサイトの自動収集
白馬山荘館内に掲示したQRコードを登山客がスマートフォンで読み取るだけでAIヒアリングが起動し、ハンズフリーの対話形式で回答を取得しました。 記述式アンケートでは離脱しやすい層からも、行動の背景や印象的な体験など、“ストーリーを伴った情報”を多く収集することに成功しました。
【従来調査との比較】

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項目 |
AIヒアリング |
従来型の定性調査 |
アンケート調査 |
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情報の深さ |
深い理解が可能 |
深い理解が可能 |
傾向把握が中心 |
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回答体験 |
音声回答で自然 |
対人で緊張 |
記述回答は負荷大 |
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対象者数 |
中~多数 |
少数 |
多数 |
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スピード |
即時構造化 |
時間がかかる |
集計は早い |
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コスト構造 |
低コスト |
高コスト |
低コスト |
<参加者の声>
「AIだから気兼ねなく話せた」、「普段スマホで文章を打つのが辛いが、話すだけなので回答しやすかった」といったコメントが多く寄せられました。
3. 明らかになったインサイト(調査結果ハイライト)
以下の分析はAIヒアリングの結果から、AIが自動的に分析・可視化した調査結果ハイライトの記述の一部となります。

① 登山を始めたきっかけ:年代別の動機
全体の傾向として、「自然や景色に触れたい」が最も多く、次いで「家族・友人の影響」、「新しい趣味に挑戦」が続きます。
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20代【コロナ禍での渇望とオーセンティックな体験】
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時間を持て余していた学生時代の誘いや、コロナ禍で都市部を離れ「自然に触れたい」という渇望がきっかけ。人がいない中での本質的(オーセンティック)な体験に価値を感じています
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「自然や景色に触れたいという動機で登山を始め、人がいない中でオーセンティックな自然の体験をすることに魅力を感じている。非日常があるからこそ日常を頑張れる。」(20代女性)
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30代【都会への違和感と身体的な変化】
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ビルの中での生活への違和感や、体重増加など身体的な変化がトリガー。山頂でのカップラーメンや、パートナーとの出会いなど具体的な「楽しみ」が動機づけになっています。
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「30代になって体重が10キロほど増えたことをきっかけに登山を始めた。体が軽くなった感覚を得て、南八ヶ岳のキレットでのテント泊縦走が印象的だった。」(30代男性)
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40代【過去の再開と健康意識】
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過去の経験(家族登山や学校行事)からの再開や、禁煙・ダイエットなどの健康意識がきっかけ。サークルなど「仲間」との時間を重視する傾向も見られます。
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「タバコをやめたことを機に体重増加を気にして登山サークルに入った。仲間と過ごす時間が楽しく、景色や動物と触れ合うことが楽しみになった。」(40代男性)
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50代【子供の影響と新たな挑戦】
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子供が山岳部に入った影響や、山グルメの美味しさがきっかけ。体力づくりを通じて「いろんなことに挑戦しよう」という前向きな気力が生まれています。
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「娘が山岳部に入り、北アルプスや南アルプスでテント泊をする話を聞き、自分もやってみたいと体力づくりを始めた。」(50代女性)
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60代以上【旅先での感動と孫からの誘い】
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旅行先で見た雪景色や紅葉の美しさが入り口。孫からの「一緒に登ろう」という誘いが、新しい世界への扉を開いています。
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「お孫さんから『一緒に登ろう』と誘われた。最初は戸惑いもあったが、お孫さんが楽しそうに話す様子に気持ちが動かされ、やってみたいと思った。」(60代男性)
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② 白馬岳登山体験の感想:心の琴線に触れる「絶景」
全年代が「絶景」に感動していますが、その捉え方や背景にあるストーリーに世代の特徴が表れています。
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20代【星空と自身の悩みとの対比】
雷鳥との出会いや大雪渓のクラックなど「自然の偉大さ」に直面。特に星空の下で自然の大きさに包まれ、日常の悩みが相対化される体験が強く印象に残っています。
「夜の登山で、星空が特に印象に残った。天の川がはっきり見え、明け方の空と星が重なる瞬間に、自然の大きさに包まれる感覚を覚え、日常の悩みがちっぽけに感じられた。」(20代女性) -
30代【五感の記憶とスリル】
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紅葉の鮮やかな色彩、氷河の割れ目の青さ、風の涼しさなど五感に残る記憶が鮮明です。スリルと隣り合わせの絶景が「たまらない」瞬間に繋がっています。
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「夜中に満天の星空を見て、天の川やオリオン座がはっきりと確認できたことが特に印象に残っている。稜線と星空、そして朝日が重なる瞬間がたまらなく良かった。」(30代男性)
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40代【物語への没入と覚悟】
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ドラマの風景との一致による没入感や、極限の疲労の中で「歩かないと死ぬ」という覚悟で進んだ後の達成感など、深い精神的な体験が語られています。
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「NHKのドラマ『坂の上の雲』で見た風景と同じ場所を白馬岳で実際に通ることができ、その瞬間まるでドラマのワンシーンに自分が入り込んだような感覚になった。」(40代男性)
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50代【色彩のコントラストと安堵感】
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赤や黄の紅葉、白い雪渓、青い空のコントラストに感動。難所「天狗の大下り」などを越えた後に山荘で飲むビールや、安堵感が特別な記憶となっています。
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「秋の澄み渡る青空、紅葉の鮮やかな赤や黄、そして雪渓の白が織りなすコントラストが非常に印象的だった。雪渓が崩落して割れている箇所を目の当たりにし、その雪の厚みに驚愕した。」(50代女性)
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60代以上【環境変化への気づきと「生」の実感】
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以前と比べて小さくなった雪渓に温暖化を感じる視点はベテランならでは。雄大な景色を前に湧き上がる「生きててよかった」という感情は、深い感動を物語っています。
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「朝日を見た時の白馬岳の景色が強く印象に残っており、雲海が太陽の光で美しく輝いていた様子に深く感動した。『生きててよかった』と思えるほどの強い感情が湧き上がった。」(60代男性)
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4. 関係者コメント
株式会社白馬館 代表取締役社長 松沢 貞一 氏
「紙のアンケートでは拾いきれなかった『お客様の熱量の高い生の声』を、これほどの解像度とスピードで得られたことに驚いています。長年培ってきた経験に加え、こうした客観的なデータを組み合わせることは、これからのサービス向上において重要なヒントになります。伝統を守りながらもテクノロジーを融合させて、より良い山小屋を作っていきたいと考えています」
Asterminds株式会社 代表取締役 本多真二郎
「意思決定の質とスピードは企業の競争力そのものです。その源泉は、現場に埋もれている無数の“声”にあります。今回の取り組みは、人との対話の代替ではなく、AIが集めた広くて深いインサイトを元に、人がより戦略的な意思決定に集中するための第一歩です」
5. 今後の展開:数百〜数千名規模の業務ヒアリングへ
今回の白馬山荘でのPoCを通じて、AIヒアリングが「現場で自然に集まる声」を、実用に足る深さとスピードでデータ資産化できることが確認されました。
Astermindsの「AIヒアリング」は、観光分野にとどまらず、すでに大手企業における数百名規模の業務ヒアリングや、部門横断の業務棚卸し(BPR)といった領域でも活用が進んでいます。
人手では時間とコストの制約から実施が難しかった大規模な定性ヒアリングを、「スピード × 深さ × スケール」のバランスを保ったまま実行できる点が評価されています。今後は、こうしたAIヒアリングを通じて収集された一次情報を起点に、企業や自治体がより迅速かつ納得感のある意思決定を行える環境づくりを支援してまいります。
【活用が進む領域】
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全社業務棚卸し(BPR):属人化した業務や暗黙知を可視化し、組織全体の構造的課題を把握
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AIユースケース探索:現場業務の実態理解を通じた、実装可能性の高いAI活用テーマの抽出
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新規事業開発:顧客や現場の声を起点とした、インサイトドリブンな仮説構築

6. お問い合わせ・AIヒアリングについて
「AIヒアリング」は、定性調査や業務調査における質問設計・対話・分析・レポーティングまでをAIが一貫して担う、業務・顧客ヒアリング特化型のAIエージェントです。Webアンケートの手軽さと、インタビュー調査の情報量を両立し、従来は取りこぼされがちだった回答の背景・文脈・意思決定理由を、会話形式で自然に収集・構造化します。
現在、AI活用や業務改革を検討中の企業・自治体の皆さまを対象に、実際の業務や調査テーマをもとに体験いただける無料デモおよび特典付きアーリーアクセスプログラムを提供しています。
「自社の現場でどこまで使えるのか」
「既存の調査やヒアリングをどう置き換えられるのか」
ー そうした検討段階からでも、是非お気軽にご相談ください。
会社概要
Asterminds Inc.は、定性調査を効率化するAIエージェント製品の開発と、伴走型AIコンサルティングで、企業のAI変革を支援します。日本企業で唯一、Vercel Inc.主催のVercel AI Accelerator 2025に採択された、AIエージェント・ソリューション提供企業です。
※Vercel Inc.について:
生成AIによるUI構築ツール「v0」や、OpenAIやUberなど世界的企業も採用しているWeb開発フレームワーク「Next.js」などを手掛ける評価額25億ドル(約3,800億円)超の米国のテクノロジー企業
会社名: Asterminds Inc.
所在地: 東京都渋谷区
事業内容: AIエージェントの開発・提供、AI導入コンサルティング
お問い合わせ:contact@astminds.com
企業HP: https://asterminds.ai
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