「トラウマ童話」の伝説・大海赫『ビビを見た!』を追悼復刊

吉本ばなな、松井周、岡山天音、石橋静河らが追悼文を寄稿。長らく品切れとなっていた代表作が10月9日によみがえる!「『ビビを見た!』を幼いときに読み、私の人生は変わりました」――吉本ばなな

S&Tオフィス合同会社

S&Tオフィス合同会社(本社:東京都荒川区、代表社員:左田野渉)は、2026年1月に逝去した児童文学作家・大海赫(おおうみ・あかし)の代表作『ビビを見た!』を、追悼復刊として2026年10月9日(金)より全国の書店ならびにオンライン書店にて発売をいたします。

大海赫「ビビを見たか?」「ビビを見た!」

2026年1月20日に逝去した児童文学作家の大海赫(おおうみ・あかし)は、「トラウマ童話作家」とも呼ばれ、子ども時代に読んだ人々の記憶に強烈な印象を残してきました。その代表作の一つである『ビビを見た!』が、長らく品切れとなっていた時を経て、新たな読者へ届けられます。

今回の復刊では作品本編に加え、大海赫を愛した作家・吉本ばなな、劇作家・松井周、俳優・岡山天音と石橋静河などによる追悼文、大海赫の復刊作品リストなどを収録しました。

子どものころに読んだ「あの怖い本」を、もう一度

大海赫の作品は、いわゆる「子ども向け」の枠に収まりません。

不安、恐怖、孤独、欲望、善と悪、生と死――。子どもが本能的に感じていながら、大人がなかなか言葉にできない感情を、大海赫は独特の物語と、自ら手がけた強烈な版画によって描きました。

単純な勧善懲悪でも、予定調和のハッピーエンドでもありません。

だからこそ、子どものころに読んだ読者の心に何十年たっても残り続け、「怖かった」「忘れられなかった」「もう一度読みたい」と語り継がれてきました。

大海赫は1968年に雑誌デビューし、1973年に『クロイヌ家具店』で書籍デビュー。一時は作品発表が途絶えましたが、読者からの復刊を求める声を受け、2004年に『ビビを見た!』で再び注目を集めます。2005年には日本児童文芸家協会より児童文学功労賞を受賞しました。

吉本ばなな「私の人生は変わりました」

今回の追悼復刊には、大海赫と作品を愛してきた5名が文章を寄せています。

中でも作家・吉本ばなな氏は、追悼文の冒頭で、

「『ビビを見た!』を幼いときに読み、私の人生は変わりました」

 とコメントを寄せています。

吉本氏による評価は、大海赫作品が2000年代に再び読者と出会う大きな契機の一つとなりました。

完成版には、現在の追悼文に加えて、吉本氏による「『ビビを見た!』について」も収録されています。

松井周、岡山天音、石橋静河―舞台版『ビビを見た!』のメンバーも追悼

『ビビを見た!』は、本の中だけにとどまらず、2019年にはKAAT神奈川芸術劇場で舞台化されました。

今回、同舞台で台本・演出を務めた松井周氏、主人公ホタルを演じた岡山天音氏、ビビを演じた石橋静河氏も追悼文を寄稿しています。

岡山氏は作品について、時を経てもなお「わからない」部分を残しながら、それでも大切で、大好きで、たまらなく面白い本であるという思いを綴っています。

石橋氏もまた、現在の社会において『ビビを見た!』の世界がよりリアルに感じられるとし、「物事を見る、とはどういうことなのか」をあらためて考えたいと追悼文に記しています。

半世紀近く前に生まれた物語でありながら、「見るとは何か」「自分だけが見える世界とは何か」という問いは、情報があふれる現代だからこそ、さらに強く響きます。

『ビビを見た!』―7時間だけ「見える」ようになった少年が出会ったもの

主人公のホタルは盲目の少年。

ある日、不思議な声から、「7時間だけ見えるようにしてやろう」と告げられます。

初めて目にする世界に喜ぶホタル。しかし、気がつくと、今度は周囲の人々がなぜか目の見えない状態になっていました。

そんな世界でホタルが出会ったのが、美しい緑色の少女「ビビ」。

見えることとは何なのか。

美しいとは何なのか。

幸福とは何なのか。

やがて物語は、一般的な児童文学のイメージを大きく超えた展開へと進んでいきます。

悲しく、怖く、それでいてどこか美しい。

一度読んだら忘れることのできない、大海赫ならではの物語です。

大海赫自身による版画も、本書のもう一人の「主人公」

『ビビを見た!』の大きな魅力は、物語だけではありません。

大海赫自身が手がけた、黒を基調に赤や緑を鮮烈に配した版画・イラストレーションも作品世界を形づくる重要な要素です。

人物たちの異様な表情、巨大な目、時計、群衆、奇妙な生き物――。

ページをめくるたびに現れる絵は、文章の説明ではなく、もう一つの物語として読者に迫ってきます。

今回の復刊は、2004年に復刊ドットコムから刊行された版をもとに加筆し、B5判へ大判化。大海赫の独創的なビジュアル世界も、より楽しめる仕様となっています。

追悼復刊版だからこそ収録できた、大海赫の「その後」

今回の『ビビを見た!』は、単なる復刻ではありません。

本編に加え、吉本ばなな氏ら5名による追悼文を掲載。さらに大海赫作品の復刊作品リストを収録しています。2004年の復刊以降、再評価され、読者と交流し、舞台化にもつながった大海赫作品。

そして2026年、その生涯を終えた作家を偲びながら、代表作を次の世代へ手渡す一冊として完成させました。

発行者・左田野渉より

本書を刊行するS&Tオフィス代表社員・左田野渉は、復刊ドットコム元社長として、かつて大海赫作品の復刊に携わりました。

読者から寄せられた数多くの復刊希望によって、長く忘れられていた作品群が再び世に出たことを、今回の追悼文では「奇跡の復活」と振り返っています。

『ビビを見た!』をはじめ、『クロイヌ家具店』『ドコカの国にようこそ!』など、大海赫作品を再び読者へ届けた日々。そして大海赫夫妻との長い交流。

今回の復刊は、作品をもう一度世に送り出すと同時に、大海赫と、長年その創作を支えた妻・アジサイさんへの追悼の意味も込められています。

【書籍情報】

- 書名:『ビビを見た!』

- 著者:大海赫

- 発行:S&Tオフィス

- 発売日:2026年10月9日(金)

- 判型:B5判・並製

- 頁数:140頁

- 本体価格:2,500円

- 税込価格:2,750円

- ISBN:978-4-911454-06-0

- Cコード:C8093

- 販売:全国書店・オンライン書店ほか

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★主な書店

茨城・シークセール

東京・丸の内丸善本店

東京・ブックファースト中野店

東京・東京堂書店

東京・丸善多摩センター店(生前、大海赫ご夫妻が「リサイクルショップ魔女」を開いていた所縁の地です)

大阪・紀伊国屋書店グランフロント大阪店 など

【著者プロフィール】

大海 赫(おおうみ・あかし)

(1931―2026)児童文学作家。1968年、「小学二年生」連載で雑誌デビュー。1973年、『クロイヌ家具店』(理論社)で書籍デビュー。

自ら手がけた印象的な版画とともに、人間の心の奥に潜む恐怖、不安、孤独、残酷さなどを描いた独自の作風で知られ、後年「トラウマ童話作家」とも呼ばれるようになる。

一時作品発表から遠ざかっていたが、読者からの熱烈な復刊希望を受け、2004年『ビビを見た!』などの復刊によって再評価。2005年、日本児童文芸家協会・児童文学功労賞受賞。

2026年1月逝去。94歳。

S&Tオフィス合同会社について

復刊ドットコムの代表を務めた左田野渉と説話社CEOを務めた高木利幸の二人により2024年に設立。出版事業および出版・コンテンツに関するコンサルティング事業を展開しています。

【本件に関するメディア関係者のお問い合わせ先】

S&Tオフィス合同会社

代表社員 左田野 渉

E-mail:

TEL:080-6503-3088

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会社概要

URL
-
業種
サービス業
本社所在地
東京都荒川区西尾久8-30-1-327
電話番号
-
代表者名
左田野渉
上場
未上場
資本金
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設立
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