【注意喚起・経過報告】沖縄県宮古島市の建築工事をめぐる民事判決および建設業法違反事件の確定について
― 確定した民事判決および建設業法違反事件の略式命令について、公的資料に基づき経過をご報告します ―
当社は、沖縄県宮古島市内における当社事業所の建築工事をめぐり、民事訴訟および刑事事件に関する手続に対応してまいりました。
本件について、民事訴訟の判決が確定し、さらに建設業法違反事件についても略式命令が確定したことから、当社が保有する判決書、判決確定証明書、略式命令確定通知書等に基づき、現在までの経過を公表します。
本リリースは、特定の個人・法人に対する誹謗中傷、私的制裁その他の攻撃を目的とするものではありません。
建築工事をめぐって実際に生じた問題と、その後の司法手続によって確認された内容を共有することで、同様の建築トラブルの再発防止および注意喚起につなげることを目的としています。
なお、本リリースにおける民事訴訟上の認定・判断については判決書の記載に基づき、刑事事件の結果については略式命令確定通知書の記載に基づいています。
また、判決書には裁判所が認定・判断した事項のほか、当事者が訴訟上主張した内容も記載されているため、本リリースでは、裁判所による認定・判断と当事者による主張とを区別して記載しています。
■ 本件建築工事について
判決書によると、本件では、相手方事業者と当社との間で、当社事業所に関する設計・施工等について複数の契約が締結されました。
判決書に記載された契約金額を合計すると4,290万円となり、当社が相手方事業者に対して本件各契約に基づき支払った金額については、合計3,857万円と認定されています。
その後、本件建築工事をめぐり民事訴訟となり、さらに別途、建設業法違反事件として刑事手続が行われました。
■ 民事訴訟について
本件建築工事をめぐる民事訴訟は、相手方事業者が原告、当社が被告となった「工事代金請求事件」です。那覇地方裁判所平良支部は、原告の請求を棄却し、訴訟費用を原告の負担とする判決を言い渡しました。
当社は同訴訟において、本件各契約について、詐欺を理由とする意思表示の取消し等を主張しました。
裁判所は、建設業法および建築士法の趣旨等を踏まえ、建設業許可および建築士事務所登録を受けていない建物建築等の請負業者が、その事実を告知または開示せず、建築主に請負契約を締結させる行為について、判決理由の中で「特段の事情のない限り、違法な欺罔行為に該当する」との判断を示しました。
そのうえで本件について、裁判所は、原告代表者が本件各契約を締結する際、原告が建設業許可および事務所登録を受けていないことを認識していながら、当社代表者にその旨を告知せず、当社代表者は原告が建設業許可等を受けていないことを知らずに本件各契約を締結する旨の意思表示をしたことなどを認定しています。
裁判所は、原告代表者の行為について、「信義則上の告知義務又は情報開示義務に違反する違法な欺罔行為」であると判断しました。
また判決では、原告代表者が建設業許可等を受けていないことを知りながら、その旨を告知又は開示せずに本件各契約を締結したこと自体が、「詐欺の故意を推認させる事情」であるとされています。
さらに裁判所は、原告が当社代表者から指摘を受けるまで、工事現場において「建設業の許可票」および「建築基準法による確認済」を掲示していなかったことを認定しています。
そのうえで、こうした事情について、原告が建設業許可等を受けていないことを「秘匿しようとしていたことがうかがえる」と判断しています。
これらの諸事情に照らし、裁判所は、原告代表者が当社代表者をして、原告が建設業許可等を受けているものと誤信させ、本件各契約を締結させようとする意図を有していたものと認め、「原告には詐欺の故意が認められる」と判断しました。
また、原告は、本件各契約に建設業許可等を有する別の事業者が関与していたことなどを理由として、原告の行為は欺罔行為には当たらない旨を主張しました。
これに対し裁判所は、建設業許可等を有する事業者が関与したことについて、建設業許可等の意義や重要性に直ちに影響を与えるものではなく、前記欺罔行為を解消するものでもないとの判断を示し、原告の主張を退けました。
そして裁判所は、「本件各契約は、原告の詐欺による意思表示によって成立したもの」であるとし、当社が本件各契約を取り消す旨の意思表示をしたことから、本件各契約は遡及的に無効であったものとみなされると判断しました。
その結果、裁判所は原告の請求には理由がないとして、原告の請求を棄却しました。
本判決は2026年1月26日に言い渡され、その後、2026年2月13日に判決が確定しています。
当社は、判決書正本および判決確定証明書を保有しています。
※民事上の「詐欺」と刑事事件について
上記の「詐欺」「欺罔行為」「詐欺の故意」等の記載は、民事訴訟における那覇地方裁判所平良支部の認定・判断を紹介したものです。
相手方事業者またはその関係者について、刑事事件における詐欺罪の有罪判決が確定したという趣旨ではありません。

■ 判決書に記載された建物に関する当事者の主張
民事判決書の「争点及び当事者の主張」には、本件建物の施工状況等について、当社(被告)が訴訟上主張した内容が記載されています。
当社は訴訟において、別紙「不適合一覧表」を引用し、外壁・内壁塗装、床、雨水侵入、換気、電気等の工事、敷地内整地、万能水栓その他、複数の項目について主張しました。
また、補修工事費用について、合計611万9,740円である旨を当社が主張したことが判決書に記載されています。
これらは当社が訴訟上主張した内容として判決書に記載されたものであり、裁判所が各項目の不適合または補修工事費用611万9,740円を事実として認定したものではありません。
本リリースでは、裁判所が認定・判断した事項と、当事者が訴訟上主張した事項とを区別して記載しています。

■ 建設業法違反事件について
本件に関連する刑事事件について、当社が受領した略式命令確定通知書により、建設業法違反事件について以下の結果を確認しています。
※略式命令について
略式命令は、刑事事件において有罪となり、罰金または科料が科される手続です。
本件では、建設業法違反について罰金30万円が科され、その略式命令が2026年9月1日に確定しています。
① 法人
2026年8月12日、平良簡易裁判所において、法人を罰金30万円に処する略式命令が出されました。
同略式命令は、2026年9月1日に確定しました。
② 個人
同じく2026年8月12日、平良簡易裁判所において、個人を罰金30万円に処する略式命令が出されました。
同略式命令についても、2026年9月1日に確定しました。
本リリースでは、注意喚起および公的結果の報告という公表目的に照らし、法人名および当該個人の氏名は掲載していません。
また、刑事事件について本リリースで公表する内容は、当社が受領した略式命令確定通知書によって確認できる範囲に限定しています。

■ 民事訴訟と刑事事件は異なる手続です
本件について正確に理解していただくためには、民事訴訟と刑事事件を明確に区別する必要があります。
民事訴訟では、相手方事業者が原告、当社が被告となり、当社は詐欺を理由とする意思表示の取消し等を主張しました。
裁判所は前述のとおり、「違法な欺罔行為」「詐欺の故意」等について判断し、本件各契約について「原告の詐欺による意思表示によって成立したもの」と判断しました。
一方、今回刑事事件として略式命令が確定した事件は、建設業法違反事件です。
刑事事件において詐欺罪について有罪判決が確定したものではありません。
当社は、この二つを明確に区別したうえで、それぞれの資料によって確認できる内容を公表しています。

■ 本件を公表する目的
当社は、本件について長期間にわたり、民事・刑事双方の手続に対応してきました。
民事判決が確定し、さらに2026年9月1日には建設業法違反事件について略式命令が確定したことで、本件は一つの大きな区切りを迎えたものと受け止めています。
当社が本件を公表する目的は、新たな対立を生じさせることや、特定の個人・法人を社会的に攻撃することではありません。
民事判決および建設業法違反事件の略式命令をはじめとする公的資料によって確定・確認された事実を、正確な記録として広く知っていただくとともに、同様の建築トラブルの再発防止・注意喚起につなげることを目的としています。
建築工事、とりわけ高額な工事を発注する際には、契約主体、建設業許可、資格・登録、施工・管理体制等について、契約前に確認することが重要です。
当社が実際に経験した事案と、その後の司法手続によって確認された内容が、同様の問題を未然に防ぐための一つの参考となればと考えています。
■ 建築工事を契約する際に確認していただきたいこと
本件の経験を踏まえ、建築工事を検討される場合には、契約前に次のような事項を確認することが重要であると考えています。
・契約する事業者について、必要となる建設業許可の有無や許可番号等を確認する。
・契約書に記載される事業者と、実際に施工・管理を担当する事業者との関係を確認する。
・建築士や建築士事務所が関係する場合には、資格・登録状況および担当業務を確認する。
・契約書、見積書、設計図書、工事内容、支払条件等を書面で確認する。
・重要な説明については、書面、メールその他の方法で記録を残す。
・工事の進捗状況と設計図書等との整合性を適宜確認する。
・必要に応じて、第三者の建築士、弁護士その他の専門家に確認を求める。
■ 地域における再発防止のために
建築工事をめぐる問題は、発注者に経済的な影響を及ぼすだけでなく、完成後の事業運営等にも影響を及ぼす可能性があります。
特に離島・地方では、地域内で選択できる事業者や専門家が限られる場合もあります。
今回の情報公開が、宮古島をはじめ建築工事を検討されている方々にとって、契約前に許可・資格・契約主体・施工管理体制等を確認するきっかけとなることを願っています。
■ 本リリースとこれまでの報道について
本件については、これまで地域報道機関による報道も行われています。
ただし、本リリースは、特定の報道機関の記事内容を批判・評価したり、報道機関とのやり取りを公表したりすることを目的とするものではありません。
民事・刑事双方について現在確認できる公的・客観的資料を基礎として、当社自身の責任において現在までの経過を整理し、公表するものです。
■ 今後について
当社としては、本件について新たな対立を生じさせることを望んでいません。
今後、行政機関その他の関係機関による手続・判断等について、新たに公的資料によって確認できる事項が生じた場合には、その内容と公表の必要性を検討したうえで情報を更新します。
また、本件を通じて得た経験については、同様の建築トラブルの再発防止および注意喚起につながる範囲で情報発信を行ってまいります。
■ 報道関係者の皆様へ
本件について取材をご希望の場合、当社は開示可能な範囲で対応いたします。
民事判決書、判決確定証明書、略式命令確定通知書その他の資料についても、個人情報や第三者の権利等に配慮したうえで確認いただくことが可能です。
当社としては、当社の説明のみを前提として報道していただくことを求めるものではありません。
公的資料を直接確認し、必要に応じて関係者への取材を行うなど、各報道機関において独自に事実確認をしていただくことを希望しています。
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