カクイチ建材工業株式会社で「カナルパイロット」を活用 ~同じ現場でも発汗量に約4倍の差。一人ひとりに合わせた熱中症対策を~

カナルウォーター、第117回市村清新技術開発助成に採択。発汗量に加え、塩分濃度・塩分喪失量の計測技術を実用化へ

カナルウォーター株式会社

■ 現場の「暑さ」だけでなく、一人ひとりの「発汗」に着目

  カナルウォーター株式会社(本社:長野県茅野市、代表取締役社長:小須田 司、以下「カナルウォーター」)は、建設・製造現場などの暑熱環境下で働く方を対象に、発汗計測機器「カナルパイロット」を活用した「熱中症リスク管理・調査サービス」を提供しています。

 暑熱環境下の製造現場を有するカクイチ建材工業株式会社(本社:長野県東御市、代表取締役社長:田中 離有、以下「カクイチ建材工業」)において、昨年度から「カナルパイロット」を活用した熱中症対策に取り組んでいただいています。

 カクイチ建材工業で実施した発汗量調査では、同じ現場で同じような作業をしている方でも、発汗量に約4倍の差があることが確認されました。

 もっとも発汗量が多かった方は約5.6L/日、少ない方は約1.4L/日でした。

この結果をもとに、作業者ごとの発汗量に応じた水分補給量の目安を設定するなど、従来の「全員一律」の熱中症対策から、個人の違いを考慮した熱中症対策への取り組みが始まっています。

 さらにカナルウォーターは、2026年度に公益財団法人市村清新技術財団の「第117回新技術開発助成」に採択されました。今後は、発汗量に加えて汗の塩分濃度や塩分喪失量を計測できる技術の実用化と、計測機器のさらなる小型化を進めます。

■ カクイチ建材工業で「カナルパイロット」を活用

 カクイチ建材工業は、昭和42年に設立されたカクイチグループの会社で、小型プレハブやガレージ、各種屋根材などの製造を行っています。製造工程には、夏場には非常に高温になる炉が設置されている工程もあり、厳しい暑熱環境下での作業があります。

 同社では昨年度から、現場の暑熱環境を把握する「熱中症リスク管理サービス」と、作業者の発汗量を調査する「熱中症リスク調査サービス」の両方を活用しています。

■ 5つの現場で熱中症リスクを管理

 昨年から5つの現場で「カナルパイロットC」を活用しています。

熱中症リスクが高まった際には管理者へメールで通知され、その情報をもとに管理者が該当する担当者へ追加の休憩を指示するなど、現場での対応に活用されています。

 カクイチ建材工業 製造部 若林伸后部長は、次のように話しています。

「熱中症リスクが高まった際に管理者へメールで通知されるため、その情報をもとに管理者が該当する担当者へ追加の休憩を指示するなど、現場での対応に活用しました。その結果、前年と比べて体調不良者の減少につながったと感じています。

 また、全体としては同種の製造業の中でも比較的良好に暑熱管理されている現場との評価を受けた一方、現場別に見ると、突出して厳しい暑熱環境となっている工程があることも分かりました。

そこで今年は、その工程について予算をかけて暑熱対策を実施し、夏場に備えました。」

 写真1 熱中症リスク管理                (カナルパイロットC)

■ 「現場全体」から「現場ごと」の対策へ

 カナルウォーターが2025年度から提供している「熱中症リスク管理・調査サービス」では、これまでに建設・土木、建材加工、鋳造、食品加工、産業廃棄物処理、太陽光パネル設置など、さまざまな暑熱現場で活用されています。

 これまでの調査から、暑熱環境は業種だけでなく、同じ会社の中でも現場・工程によって大きく異なることが分かっています。カクイチ建材工業でも、全体としては比較的良好な暑熱管理が行われている一方、特定の工程では非常に厳しい暑熱環境が確認されました。こうした違いを「見える化」することで、全ての現場に一律の対策を行うのではなく、特にリスクの高い工程に重点的に対策を行うことが可能になります。

■ 同じ現場でも「発汗量」は約4倍違う

 今回の取り組みで特に注目されたのが、作業者一人ひとりの発汗量の違いです。

カクイチ建材工業で実施した発汗量調査では、同じ現場で同じような作業をしている方でも、発汗量に約4倍の差があることが分かりました。

発汗量 Aさん(発汗量が多い方) 約5.6L/日

    Bさん(発汗量が少ない方)約1.4L/日 差約4倍

若林部長は、この結果について次のように話しています。

「人によって汗をかく量が、これほど違うとは思いませんでした。同じ現場で同じような作業をしていても、これだけ発汗量に差があることが分かり、非常に驚きました。」
「カナルパイロット」を用いて、暑熱環境下で作業する方の発汗量を計測。作業者ごとの発汗量の違いを把握し、個人に合わせた熱中症対策につなげます。

写真2 熱中症リスク調査         (カナルパイロットA)

■ 発汗量に応じた「個人別の給水量」を設定

 発汗量の調査結果をもとに、それぞれの発汗量に応じた水分補給量の目安を設定しています。

水分補給量 Aさん 約706mL/時間

      Bさん 約188mL/時間 

若林部長は、「一律に『全員同じ量を飲む』のではなく、その人の発汗量に応じて水分補給を考えられるようになったことは、大きなメリットだと感じています。」と話しています。

※給水量は発汗量等をもとに算出した目安であり、実際の水分補給については個人の健康状態、作業内容、気象条件等を踏まえて適切に設定する必要があります。

■ 第112回市村清新技術開発助成により「発汗量計測機器(カナルパイロット)」を実現

 カナルウォーターは、作業者の発汗量汗をリアルタイムに計測する「カナルパイロット」の開発を進め、公益財団法人市村清新技術財団の第112回新技術開発助成により実現しました。これにより、従来の環境情報だけでは把握しにくかった「人による発汗量の違い」を計測し、個人に合わせた熱中症対策につなげることが可能となりました。

             【図1】発汗量には約4倍の個人差

■ 第117回市村清新技術開発助成に採択。次は「塩分濃度・塩分喪失量」の計測へ

 発汗によって失われるのは水分だけではありません。

汗にはナトリウムなどの電解質も含まれているため、発汗量だけでなく、どの程度の塩分を失っているのかを把握することも重要です。

 そこでカナルウォーターでは、次の段階として、発汗量に加えて汗の塩分濃度や塩分喪失量を計測する技術の開発に取り組んでいます。この取り組みは、2026年度の公益財団法人市村清新技術財団「第117回新技術開発助成」に採択されました。今回の助成を活用し、汗の塩分濃度・塩分喪失量の計測と計測機器のさらなる小型化を進めます。

    【図2】熱中症対策の進化 「環境」から「人」、そして「塩分」へ

これまでの「環境の暑さ」の把握に加え、「一人ひとりの発汗量」、さらに「塩分濃度・塩分喪失量」まで把握することで、より個人に合わせた熱中症リスク管理を目指します。

■ 「環境」×「発汗量」×「塩分喪失量」へカナルウォーターが目指しているのは、現場の暑さだけを基準とした熱中症対策ではありません。

今後は、

① 環境:どれだけ暑いのか

② 発汗量:どれだけ汗をかいているのか

③塩分喪失量:どれだけ塩分を失っているのか

という情報を組み合わせることで、より個人に合わせた熱中症リスク管理を実現していきます。

これまで「現場全体」に対して行われてきた熱中症対策を、「一人ひとりの身体の状態」にまで踏み込んだ対策へと進化させることが、カナルウォーターの目指す方向です。

■ 「建築を変革するベンチャー100」にも選出

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00325/?SS=imgview&FD=-1440539199

 カナルウォーターは、日経アーキテクチュア8月27日号の特集「建築を変革するベンチャー100」にも選出されました。建設・製造現場などにおける熱中症対策を、IoT・センシング技術によって高度化する取り組みが評価されています。今後も現場での実証を重ねながら、より小型で使いやすい発汗・塩分計測機器の開発を進め、暑熱環境下で働く方々の安全確保に貢献してまいります。

■ カナルウォーター株式会社について

 カナルウォーター株式会社は、公立諏訪東京理科大学発の技術を基盤として設立されたIoTベンチャーです。発汗計測機器「カナルパイロット」を中心に、建設・製造・物流などの暑熱現場を対象とした「熱中症リスク管理・調査サービス」を提供しています。「環境」だけではなく「人」の発汗状態を計測することで、現場ごと、そして一人ひとりに合わせた熱中症対策の実現を目指しています。

【カナルパイロットについて】

「カナルパイロット」は、暑熱環境下で作業する方の発汗状態を計測する発汗計測機器です。現在は発汗量の計測を中心としたサービスを提供しており、今後は塩分濃度・塩分喪失量の計測機能を加えることで、より高度な熱中症リスク管理への発展を目指しています。

【カクイチ建材工業株式会社 概要】

会社名:カクイチ建材工業株式会社
代表者:田中 離有
所在地:長野県東御市加沢778
URL:https://www.kakuichi-house.jp/blog/20716/

【カナルウォーター株式会社 概要】

会社名:カナルウォーター株式会社
代表者:小須田 司
所在地:長野県茅野市豊平5000-1 公立諏訪東京理科大学内
URL:https://www.canalwater.biz/

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会社概要

カナルウォーター株式会社

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URL
https://www.canalwater.biz/
業種
製造業
本社所在地
長野県茅野市豊平5000-1 公立諏訪東京理科大学内
電話番号
0266-73-1364
代表者名
小須田 司
上場
未上場
資本金
950万円
設立
2021年04月