キャンピングカーユーザーの旅行予定から読み取れる世の景気回復基調
■ 北海道、東北、北信越、九州があいかわらずの人気
当協会にて、キャンピングカーユーザーが、この夏の旅行の予定先として考えている地域を調べたところ、トップになったのは24.8%のユーザーから支持された「北海道」となり、同地が相変わらずキャンピングカー旅行の目的地として根強い人気を誇っていることがわかりました。
この調査は、6月18日~7月17日の約1ヶ月間、当協会のホームページにアクセスするキャンピングカーユーザー330人を対象に行ったもので、いわばユーザーの夏休み直前の気持ちを反映したものとみなしてよいでしょう。
それによると、1位の北海道(24.8%)のあとには、東北(19.7%)、北信越(14.8%)と、いずれも気候的に涼しいイメージが漂うエリアが続き、東海(6.7%)、関西(2.4%)、中国(4.2%)、四国(5.5%)、沖縄(0.3%)など暑いイメージを持たれやすい地域が敬遠される傾向が目立ちました。
しかし、九州だけは関東(10.3%)を超える10.6%を記録し、北海道、東北、北信越の次に位置して4番目をキープしました。
北海道・九州は、ともに日本列島の両翼ともいえる離れた地域だけに、多くのユーザーにとっては、移動日数も多くなれば、交通費もかさみます。しかし、キャンピングカー旅行の場合は宿泊代がかからないため、その分、長距離を走るための交通費へ予算を回せるという意識が働くと考えてよいでしょう。
このように北海道、東北、北信越、九州などに人気が集まる傾向は、当協会が昨年調べた動向と大きくは変わらず、たとえ旅行費用がかさんでも、キャンピングカーユーザーがこれらのエリアに象徴される「広々とした土地」、「豊かな自然」、「温泉」を求める傾向が強いことを浮かび上がらせているともいえるでしょう。
JATA(日本旅行業協会)の調査によると、2013年度の夏休みにおける一般的な人気エリアは、東京をトップに、北海道、沖縄、中部、山陰がベスト5を占めているといわれています。東京にはスカイツリー、ディズニーランドなどの人気プレイスポットが集中するほか、東京駅や歌舞伎座などのリニューアルなど、メディアの話題も集中する傾向にあり、東京を訪れる観光旅行者は増加傾向にあるそうです。
しかし、キャンピングカーユーザーは、車両サイズの問題などで都内に入りづらいこともあり、やはり「北海道」、「東北」など、土地にゆとりのあるエリアを好む傾向がありそうです。
■ 1週間以上の休みを取る人の率が少しずつ上昇
この夏休みに、キャンピングカーユーザーが1回の旅行に費やす日数をどのくらい確保しているのか調べたところ、いちばん多い回答は、2泊3日(28.1%)であり、次に多いのが3泊4日(20.2%)、3番目は「1週間程度」(14.1%)という結果になりました。
「2泊3日、3泊4日」 という回答が全体の半数近くなるため、1ヶ月以上のサマーバケーションを取る欧米に比べると日本のキャンピングカーユーザーの夏休みはとても短いように思えますが、それでも1週間以上の休みを取っている人が32.4%もおり、その比率は、前回の同時期調査(2012年6月)の23.7%を8.7ポイントも上回るようになりました。リタイヤ世代の増加もあり、日本のキャンピングカーユーザーの旅行も少しずつ長期化する傾向がありそうです。
■ 旅行予算も増加傾向
1回の旅行に用意する予算としては、「3万円~5万円未満」という回答が22.7%を獲得してトップに立ちました。2番目はそれより安い「1万円~3万円未満」(18.9%)となり、3番目は、逆に高い「5万円~8万円未満」(16.3%)という結果になりました。
これを、今回の調査とほぼ同時期に行われた前回調査(2012年6月)と比べますと、前回調査では「5万円以上」の予算を組んでいる人は38.3%しかいなかったのに対し、今回調査ではそれが54.2%にまで増加しています。
世の中の景気が回復してきたといわれるようになりましたが、キャンピングカーユーザーの旅行予算の組み方にもそのことが反映しているようです。
■ 旅の同伴者として「夫婦2人」の比率が増える
キャンピングカーユーザーの夏休み旅行の同伴者を調べたところ、「夫婦2人」という回答が52.1%を占め、トップになりました。その次が「夫婦、子供を入れたファミリー」(34.6%)となり、その二つで86.7%を占めることがわかりました。
なお、その二者の比率には若干動きがありました。前回調査と比べてみると、前回では同行者の人数を「2人」と答えた人は41.0%でしたが、今回はその比率が約10ポイント増え、2人旅の比率がより高まりました。
それとは逆に、前回は「3名~5名」と答えた人の率は45.7%から34.6%に下がり、キャンピングカー旅行を楽しむシニア夫婦の増加が特徴づけられるようになりました。
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