NI、より安全な自動車の開発を後押しするC-V2X(Cellular Vehicle-to-Everything)通信の発展に貢献
新しいソフトウェア定義C-V2Xソリューションは費用対効果の高いエントリポイントであり、5G C-V2Xにも対応可能
自動テスト/自動計測システムの開発とパフォーマンスを加速するソフトウェア定義プラットフォームのプロバイダであるNI(Nasdaq:NATI)は、S.E.A.C-V2X Open Loop Test Systemを発表しました。このテストシステムは5Gセルラー無線技術を利用しているため、車車間(V2V)および路車間(V2I)通信に対応した高帯域幅かつ低レイテンシの通信が可能です。
NIは、NIアライアンスパートナーであるS.E.A.社との協力の下、コネクテッド/インテリジェントモビリティの可能性を最大限に引き出す取り組みを行っています。その一環として、自動車の安全性と効率性の検証を行う自動車OEMおよびティア1サプライヤを支援するためのソフトウェア定義ソリューションを提供しています。2020年に予定されている3GPP Release 16に5G NR機能が含まれるなど、3GPP規格は進化を続けています。ソフトウェア定義プラットフォームは、最小限のハードウェアおよびソフトウェアの変更で最新技術に適応できる柔軟な環境をOEMおよびティア1サプライヤに提供します。
NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)は、2016年の調査で、V2VおよびV2Iが実現するセーフティアプリケーションによって、交差点での衝突や車線変更時の衝突などによる重大事故(飲酒や薬物による事故を除く)のうち最大で80%を防止または軽減できると推定しています。V2Xでは、通信によって運転の意図を伝えるとともに他の車の周囲のデータも収集し、従来よりも高度な情報を人にも自動運転車にも伝えることで、反応時間を短縮できるだけでなく、交差点での左折(米国)、本線への合流など車が相互に関わりあう局面で容易に意思決定ができるようになります。
C-V2Xは、物理層の通信にセルラー技術を利用するため、5Gを含むセルラー通信への多額の投資と広大な技術エコシステムの恩恵を受けることができます。セルラー技術を十分に機能させるためには、通信の標準化を行う一方で、複数のベンダのシステムの相互作用について理解し、実世界のシナリオで挙動の特性評価を行う必要があります。 最終的には、自動運転車向け通信のスループット向上と低レイテンシ化、高解像度マップのダウンロード、歩行者との高度な情報交換が5Gによって実現すると期待されています。ほとんどのプロジェクトはまだ評価の初期段階にあり、各種規格も今なお策定段階にありますが、自動車関連のOEM、サプライヤ、研究者らによって、C-V2Xテクノロジの進化に適合するツールへの投資は継続して行われています。
S.E.A.Datentechnik GmbHのCEOであるGerd Schmitz博士は次のように述べています。「V2Xテクノロジを搭載した自動車では、人間が運転する場合でも、自動運転システムの場合でも、危険な状況に対して余裕をもって対応できます。次々と新しいテクノロジを市場に投入してきた当社の長い歴史のなかで学んだことは、研究チームが、信頼性が高く再現性のある環境において、いち早くデバイスの機能を把握し、パフォーマンスを検証する必要があるということです。路上でのテストは確かに有益ですが、ラボで性能を検証すれば、反復テストをすばやく行うことができます。また、再現が難しく、稀にしか発生しない状況など、多様なシナリオの下でのデバイスの動作について、高い信頼性を確保することができます」
Schmitz博士は、イノベーションを志向するNIのアプローチによって、自社の開発プロセスがどのように強化されたかについても認識しています。「NIのプラットフォーム上にシステムを構築したことで、当社は要となるV2X IPとシステムが動作する走行シナリオに集中して取り組むことができ、開発が加速されました。その結果、設計サイクルの早い段階でC-V2Xツールのリリースが実現し、研究チームはデバイスの性能に確かな自信を持って、社内の関係部署に適切な提案を行うことができました。」
新しいC-V2Xソリューションは、NIアライアンスパートナーであるS.E.A.GmbHのソフトウェアと、NIのソフトウェア無線(SDR)ハードウェアとを組み合わせることによって、C-V2Xコントローラおよびテレマティクス制御装置のRFおよびGNSSチャンネルに実信号を送信します。C-V2XとGNSSの信号をC-V2Xコントローラに連結することにより、緊急ブレーキ警告や4方向一時停止から送信される実信号をシミュレートできるため、ラボ内でデバイスの性能を特性評価できるようになります。また、新しいC-V2Xソリューションには、左折(米国)アシスト、緊急ブレーキ警告、渋滞警告などの走行シナリオがコンパイルされた状態で含まれているため、最初の計測までにかかる時間を短縮できます。
S.E.A.社は、以下のソフトウェアアドオンも提供します。
- 渋滞シミュレーションソフトウェア。最大数百台の車両が含まれる周辺環境をエミュレートすることで、テストカバレッジを拡大できます。
- チャンネルエミュレーションソフトウェア。電波の物理的歪みをエミュレートすることで、信号伝搬状況を確認できます。
さらに、これらのシステムは、NIのベクトル信号トランシーバを使用したキャリブレーション済みのRF計測によって、特性評価およびコンプライアンス検証用に拡張できます。
S.E.A.C-V2X Open Loop Test Systemにより、V2X研究チームはシステムを迅速に開発できます。簡単なV2X再生テスト(オープンループ)や機能テストをはじめ、複数のセンサターゲットシミュレータを含む自動HILテストシステム、GNSS RF、シナリオシミュレーション、ユーザ定義モデルのインザループモデル統合にいたるまで、あらゆる開発に対応します。変化し続ける規格、新しく台頭してくるビジネスモデルを受けて、次世代のモビリティ開発に携わるエンジニアは、スケーラビリティと市場投入までの時間との間でバランスを取らなければなりません。新しいC-V2Xソリューションは、開発チームが早い段階で成功を実証できるハイレベルなスタートポイントと、市場のニーズに確実に適応できる柔軟なNIプラットフォームを提供します。
詳細については、こちらをご参照ください(http://www.ni.com/en-us/innovations/automotive/infotainment-test.html?cid=News-127898-Global-CV2X)。
NIについて
NI(ni.com)は、現在だけでなく将来をも見据えたエンジニアリングの課題解決をサポートする、高性能な自動テスト/計測システムを開発しています。NIのソフトウェア定義のプラットフォームは、モジュール式ハードウェアと拡大を続けるエコシステムから構成されており、このオープンなプラットフォームを採用することにより、優れたアイデアを具現化できます。
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