Webマーケターのお悩み調査を実施。出社している人の方が「相談できる人がいない」と回答

『Webマーケティング業務上の悩みと解決方法調査』 企業規模・従事年数別の調査結果

株式会社ベンチマークジャパンは、日本のWebマーケティング従事者の抱える業務上の悩みや、困ったときの解決方法について調査を行いました。また、各回答者の年齢・企業規模・Webマーケティング業務に従事した年数・社内のWebマーケティング従事者の数・勤務先への平均出社日数などによって、回答にどのような変化があるか分析を行いました。
  • 【調査結果サマリー】
  • 中小企業では「担当すべき業務が多い、人手が足りない」、大企業では「上司の説得、承認、予算確保に時間がかかる」が多い
  • 経験1年未満の人は「相談できる人がいない」、15年以上の人は「人手が足りない」が多い
  • 出社日数が多い人の方が「困ったときに相談できる人がいない」点で悩んでいる
  • 困ったときの解決方法1位は、「インターネット(Google、Yahoo!など)で検索して調べる」

調査概要
■調査方法 :インターネット調査
■調査期間 :2021年月9月14日~10月4日
■対象者  :自社製品・サービスのマーケティング部門、広告代理店、制作会社、コンサルティング会社などでWebマーケティングに関わっておられる日本国内の20代~60代の会社員、会社役員、自営業の方々
※本調査では下記の業務をWebマーケティングと定義しています。
・Web制作 (ディレクション、開発、デザイン、ライティング、動画、LPなど)
・Web解析 (Google Analyticsなど)
・SEO対策
・Web広告の運用管理、分析など
・メールマガジンの運用管理、分析など
・SNSアカウントの運用管理、分析など
・MAツールの運用管理、分析など
・マーケティングリサーチ、分析など
・マーケティング戦略、企画全般
■有効回答数:975

※本記事の全文は以下ブログ記事に掲載しております。
https://www.benchmarkemail.com/jp/blog/survey-results-concerns-and-solutions-on-marketing-in-2021/
 
  • Webマーケティング業務上の悩み 企業規模別の結果とランキング
※「現在、あなたがWebマーケティング業務を行う上で、以下のような悩みはありますか?」という質問に対しての回答です。

まずは、企業規模によって業務上の悩みにどのような変化があるかを見ていきます。従業員数10名以下と、従業員数5,001名以上の会社に勤める人の結果がこちらです。
また、この表を元にした業務上の悩みランキングは以下でした。

■ 従業員数「10名以下」ランキング
1位:期待する成果がなかなか出ない(65.5%)
2位:専門知識不足、Webマーケティングの学習に時間がかかる(59.8%)
3位:担当すべき業務が多い、人手が足りない(58.6%)

■ 従業員数「5,001名以上」ランキング
1位:各施策の効果測定をやりきれていない、どの施策が効果的かわからない(82.4%)
2位:上司の説得、承認、予算確保に時間がかかる(77.9%)
3位:期待する成果がなかなか出ない(77.2%)



規模が小さい会社は専門知識や学習時間不足、業務量に関する悩みのシェアが多かったのに対し、規模が大きい会社は「上司の説得、承認、予算確保に時間がかかる」という悩みが2位に入りました。
 
  • Webマーケティング業務上の悩み 従事年数別の結果とランキング

さらに、Webマーケティング業務の従事年数と各悩みにはどのような関係があるのか見ていきます。従事年数が「1年未満」の回答者と、「15年以上」の回答者の結果がこちらです。

■ 従事年数「1年未満」ランキング
1位:困ったときに相談できる人がいない(66.3%)
2位:ツールの選定や習熟に苦労する(63.5%)
3位:他部署とのコミュニケーションで苦労する(61.5%)

■ 従事年数「15年以上」ランキング
1位:担当すべき業務が多い、人手が足りない(78.9%)
2位:上司の説得、承認、予算確保に時間がかかる(68.4%)
3位:ツールの選定や習熟に苦労する・困ったときに相談できる人がいない(65.8%)





Webマーケティング業務の従事年数が「1年未満」の回答者は、困ったときの相談相手や他部署とのコミュニケーションなど仕事上の人間関係に関する悩みが多いのに対し、従事年数が「15年以上」の場合は、業務量や上司の説得・予算確保など業務に直接関わる悩みが多いことがわかります。
 
  • Webマーケティング業務上で困ったときの解決方法 企業規模別の結果とランキング
※「現在、Webマーケティング業務を行う上で、困ったときの解決方法として以下の中で行うことはありますか?」という設問の結果です。


企業規模によって、Webマーケティング業務上で困ったときの解決方法はどのように異なってくるのでしょうか。従業員数10名以下と、従業員数5,001名以上の企業に勤める回答者の結果がこちらです。

■ 従業員数「10名以下」ランキング
1位:インターネット(Google、Yahoo!など)で検索して調べる(76.2%)
2位:利用しているサービスのマニュアル(FAQ、サポートページなど)で調べる(43.6%)
3位:Youtube動画を見る(40.6%)

■ 従業員数「5,001名以上」ランキング
1位:インターネット(Google、Yahoo!など)で検索して調べる(81.4%)
2位:社内の詳しい人に相談をする(77.1%)
3位:利用しているサービスのマニュアル(FAQ、サポートページなど)で調べる(74.3%)


「インターネット(Google、Yahoo!など)で検索して調べる」が、いずれにおいても1位という結果となりました。さらに2つのランキングを比べてみると、従業員数10名以下の会社では「Youtube動画を見る」が3位に入った一方、従業員数5,001名以上では「社内の詳しい人に相談をする」が2位となり、企業規模によって異なる解決方法が採用されていることがわかります。
 
  • Webマーケティング業務上で困ったときの解決方法 従事年数別の結果とランキング


続いて、困ったときの解決方法が、Webマーケティング業務の従事年数によってどのように異なるのかを見ていきます。従事年数が「1年未満」と「15年以上」の回答者の結果がこちらです。

■ 従事年数「1年未満」ランキング
1位:インターネット(Google、Yahoo!など)で検索して調べる(77.9%)
2位:社内の詳しい人に相談をする(54.2%)
3位:利用しているサービスのマニュアル(FAQ、サポートページなど)で調べる(49.6%)
■ 従事年数「15年以上」ランキング
1位:インターネット(Google、Yahoo!など)で検索して調べる(82.9%)
2位:利用しているサービスのマニュアル(FAQ、サポートページなど)で調べる(61.0%)
3位:Web関係の取引先(Web制作、広告代理店、コンサルタント)に問い合わせる・利用しているサービスの担当者やサポートに問い合わせる(53.7%)

また、Webマーケティングの従事年数を4段階に分けて困った時の解決方法を見たところ、以下のような特徴が分かりました。
  • ~5年未満は「社内の詳しい人に相談をする」がインターネット検索に次いで多い
  • 5年以上〜9年未満は「Web関係の取引先(Web制作、広告代理店、コンサルタント)に問い合わせる」がインターネット検索よりも多い
  • 9年以上〜13年未満、また13年以上の従事者はいずれも「利用しているサービスのマニュアル(FAQ、サポートページなど)で調べる」がインターネット検索に次いで多い​

インターネット検索がどの年代でも人気であることを除くと、従事年数が5年未満までの人は社内の詳しい人に相談をすることが多く、5年以上〜9年未満の人は取引先へ問い合わせを行い、従事年数がそれ以上のマーケターは、利用サービスのマニュアルによって解決することが多い傾向にありました。

従事年数が短い人は上司や先輩へ相談をすることができる一方で、従事年数が長い場合は社内では「相談される側」になっているため別の解決方法を選んでいるのかもしれません。

ここからは、さらに詳細な結果について、いくつか回答をピックアップをしてご紹介します。
 
  • 業務上の悩み「専門知識不足、Webマーケティングの学習に時間がかかる」について
Webマーケティング業務上の悩み「専門知識不足、Webマーケティングの学習に時間がかかる」について、勤務先への出社日数やWebマーケティング業務に従事した年数と、どのような関係があるのか調べました。


当調査では、2020年4月の緊急事態宣言以降〜現在において、オフィスや特定の勤務地への平均出社日数を伺う設問をもうけました。その各回答者が「専門知識不足、Webマーケティングの学習に時間がかかる」を選択した割合はこちらです。

このように、2020年4月の緊急事態宣言の前後にかかわらず、出社日数が多い人ほど悩んでいる傾向にありました。



また、Webマーケティング業務の従事年数との関係性を見たところ、「1年未満」「15年以上」に比べ、中間層の方が悩みを抱えている傾向にありました。

従事年数が1年未満の場合は、新卒採用も含め「未経験者」として採用されるため、研修が行われたり、業務の中で学習時間が取りやすいのかもしれません。また、15年以上の従事者は既に習熟度が高いため、専門知識不足や学習時間不足への悩みが少ない傾向にあるのではないでしょうか。
 
  • 業務上の悩み「担当すべき業務が多い、人手が足りない」について
​Webマーケティング業務上の悩み「担当すべき業務が多い、人手が足りない」について、社内のWebマーケティング業務従事者(以下、Webマーケターと呼びます)の人数や企業規模と、どのような関係があるか調べました。

「担当すべき業務が多い、人手が足りない」という悩みについては、社内のWebマーケターが多いほど悩みが少ないと予想していましたが、逆の結果となりました。Webマーケターの人数が多い方が、悩む人の割合も高い傾向にありました。また、最も悩んでいるのはWebマーケターの人数が「11人~15人」の会社に勤める回答者でした。
企業規模に関しては、規模が大きい方が悩む人が多い傾向がありました。

Webマーケターの人数が多い会社は、同時に企業規模も大きい傾向にあると考えられます。規模が大きい会社ほど商品やサービスの数が多いため、業務量が必然的に多くなっているのかもしれません。また、大企業では分業が進んでいたり、様々な部署が存在するため、Webマーケターの人数が多い会社であっても「人手不足」と感じてしまっている可能性もあります。
 
  • 業務上の悩み「困ったときに相談できる人がいない」について
「困ったときに相談できる人がいない」という悩みと、社内のWebマーケターの人数の関係性を調べました。社内のWebマーケターの人数が少ないほど「相談相手がいない」と悩む人が多いと仮説を立てていましたが、実際は以下のような結果となりました。

最も悩みが多かったのは「11人〜15人」で、Webマーケターの人数が多いほど悩む人の割合が高い傾向にありました。このような結果となった理由は、先述した通り、規模が大きい会社ほど分業が進んでいたり、様々な部署が存在するためだと考えられます。規模が大きい企業では関係者が多いため、誰が何を担当しているのか把握することが難しく、相談相手を探しづらいのかもしれません。

続いて、会社への平均出社日数によって「困ったときに相談できる人がいない」という悩みがどのように変わるのかを見てみました。

​傾向としては、出社日数が少ない方が悩みを抱えている人も少ないことが分かります。「出社して直接相談する」と「チャットツールなどでテキストや通話で相談する」を比較すると、後者の方が相談がしやすいということでしょうか。このような結果になった理由は以下だと考えます。
 

・チャットの場合、リアルタイムでなくても相談できる
・直接会って相談相手の時間を割いてもらうことの方が気を遣ってしまう
・リモートワークが実現できている会社はチャット文化が確立されているため、チャットで相談をすること自体に慣れている
 
  • 業務上の悩み「上司の説得、承認、予算確保に時間がかかる」について
業務上の悩み「上司の説得、承認、予算確保に時間がかかる」について、改めて企業規模別の傾向を見てみました。

表の通り、企業規模が大きいほど「上司の説得、承認、予算確保に時間がかかる」悩みが多い傾向がありました。10名以下の会社では31.0%と、かなり少ない結果が出ています。

また、会社への平均出社日数別の結果がこちらです。

最も悩みが少なかったのは、平均出社日数が「週1日未満」の回答者でした。週1日未満までリモートワークが進んでいる会社はオンラインツールの導入が進んでいることが多く、稟議がオンラインツール上で完了するため、このような結果になったのかもしれません。
 
  • 困った時の解決方法 年代別の傾向
最後に、Webマーケティング業務上で困ったときの解決方法について、年代ごとの傾向を調べてみました。

上記グラフから、「インターネット(Google、Yahoo!など)で検索して調べる」は、どの年代においても最も多い回答であること、そして50代においては他の解決方法に比べて、圧倒的にこの解決方法の割合が高い(81.3%)ことが分かります。若い世代はSNSやセミナーなど、インターネット検索以外の解決方法も満遍なく活用している一方、50代はインターネット検索で手早く解決していることが伺えます。

また、TwitterやFacebookなど、SNSを利用して悩み事を解決すると答えた人の年齢層を調べた結果、以下の通りとなりました。

SNSについては、20代〜30代が解決方法として多く使っている傾向がありました。


尚、総務省が発表した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(https://www.soumu.go.jp/main_content/000765258.pdf)」では、Twitter・Facebok・Instagramの年代別の利用率は以下となっています。

日常的な利用と業務上での利用は異なるものですが、総務省のデータと比較するとWebマーケターの40代・50代はSNS利用率が高めであることから、WebマーケターのSNSリテラシーは平均して高いことが伺えます。

また、同様に「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」から引用したYoutubeの利用率はこちらです。

YoutubeはTwitterやFacebookなどのSNSと比較して、全年代において利用率が高いことが分かります。近年はYoutubeチャンネルを使用して情報発信をしている企業が増えている傾向にあります。当社でもYoutubeではセミナー動画やサービス紹介動画などを公開しており、毎月一定数の再生がされています。TwitterやFacebookだけではなくYoutubeを利用することで、さらに認知度拡大や会社への信頼度の向上に繋がるのではないかと考えています。

以上、Webマーケティング従事者の抱える業務上の悩み、また困ったときの解決方法についての調査結果をお届けしました。回答者の属性や勤務状況によって悩みや解決方法に特徴があることが分かり、興味深い結果となりました。

当社では今後も様々なテーマ・角度から日本国内のインターネットユーザー動向について調査を続け、メール配信システムのベンダーとして、ユーザー様により良い成果を上げていただけますよう尽力してまいります。

※本調査の内容やデータ、画像に関しては、弊社名と下記リンクを記載の上、ご自由にご使用ください。
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  • 会社概要
会社名:株式会社ベンチマークジャパン( https://www.benchmarkemail.com/jp/
所在地:東京都千代田区霞が関1-4-1 日土地ビル2F
事業内容:メール配信サービス「Benchmark Email(ベンチマークイーメール)」の提供

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上場
未上場
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