フランクリン・テンプルトンによる2024年の株式と債券の市場見通し
フランクリン・インカム・インベスターズの最高投資責任者(CIO)兼ポートフォリオ・マネージャーであるエド・パークスは、不透明な市場におけるインカム投資の機会と資産配分について、次のように述べています。
「インフレ率は依然として高いものの、金融政策は効果が現れるまでに時間差があり、変動する傾向があります。我々は、FRBの金融引き締め政策の効果が遅れて、より具体的な形で顕在化するのは2024年第1四半期になる可能性があると見ています。さらに、市場は一般的に米国経済の減速を予想していますが、市場参加者が2023年初めに懸念していたような景気後退には至らないかもしれません。2024年に向けての消費者物価指数(CPI)は、緩やかではありますが下降を続けると思われます。インフレ率はピークに達した可能性が高いものの、FRBの目標である2%に向けた残りの道のりは、より困難なものになる可能性があります。我々は、金利が据え置かれ、長期に渡って上昇する可能性があると考えています。
資産配分の観点からは、魅力的な利回りと長期的なトータル・リターンの可能性を考慮して、引き続きクオリティの高い債券を選好しています。金利上昇により、多くの非投資適格の企業のバランスシートにより大きな負担がかかる可能性があるため、当社はハイ・イールド債をやや縮小しました。我々は引き続き、インカム収益を生み出し、広範な株式市場の発展に貢献できると考えられる株式セクターへの分散したエクスポージャーを維持します。株式の中では、バリュエーションがやや割安になった優良な配当株を選好しています。」
マクロ経済の見通しについて、ブランディワイン・グローバルのグローバル・マクロ・リサーチ・ディレクターであるフランシス・スコットランドは、次のように述べています。
「景気後退の可能性は決して低くありません。しかし、我々のインフレに対する建設的な見方を考慮すれば、それは最も可能性の高いシナリオではありません。物価上昇は完全に後退しています。このインフレの大幅な低下により、FRBは利上げを続ける必要性がなくなり、利下げに踏み切る可能性が高まるため、大きく安定化することになるでしょう。
中国では、貿易財価格が下落し、不動産セクターがデフレに苦しんでいるため、マクロ的なインフレ圧力はありません。欧州は、米国以上にディスインフレ傾向にあるかもしれません。米国では、こうした外部からのデフレ要因と相まって、米ドルの驚異的な底堅さが国内のインフレ抑制に大きく貢献しています。
我々は、2024年は投資家全般にとって力強い1年になると考えています。バリュエーションの観点から見ると、債券市場は時価総額加重型の株式市場よりも魅力的に見えます。本源的な価値に対して大幅に割安な水準にあり、恩恵を受けるセクターも明らかに存在します。
リスクとしては、地政学的混乱、景気後退、米国の財政政策および次期大統領選挙などがあります。経済成長と比較した金利水準を考えると、米国の財政赤字は持続不可能な水準にあるにも関わらず、政治的不和により大幅な財政再建は困難となる可能性が高いと思われます。これらのリスクは、米国のマクロ見通しを不安定にする重大な要因となり得ます。一方、最大のサプライズは、インフレ率がどれだけ低下するかということでしょう。FRBがインフレ・シナリオに注力し、米国債のイールド・カーブを正常化すれば、2024年は堅調な成長と低インフレで終わる可能性があります。」
グローバル債券の見通しについて、ウエスタン・アセットの最高投資責任者(CIO)兼ポートフォリオ・マネージャーであるケン・リーチは、次のように述べています。
「インフレ抑制のための長く厳しい金融引き締めの一連の施策を経て、インフレが着実に低下するにつれて、FRBの利上げサイクルは終わりに近づいているようです。現在、金融政策は非常に抑制的で、幅広い満期にわたって、高い実質金利、逆イールド・カーブ、マネーサプライの縮小、貸出基準の厳格化などが見られます。
米国経済と消費者は、貯蓄と所得の減少にもかかわらず、今のところ底堅さを維持していますが、好調な労働市場には軟化の兆しが現れています。経済や消費者の力強さがさらに揺らげば、停滞していた債券の上昇が再び加速する可能性があります。
財政赤字と債務負担の拡大により、恒久的な実質金利の上昇を主張する人もいますが、我々は逆の要因も見ています。経済成長の鈍化とテクノロジーの進歩により、インフレは長期的に抑制されるはずです。また、長期的な債券需要は依然として続いています。最終的には、脆弱な成長トレンドが再開する可能性が高く、長期的には金利低下に向けた根拠が復活するでしょう。
我々の基本シナリオは、世界的にインフレが低下し続け、経済成長の鈍化が継続し、実質利回りの正常化と米国の景気後退の回避のためにFRBが金利を引き下げるというものです。我々が間違っている場合の最も可能性の高いシナリオは、避けられない景気後退を食い止めるために、FRBがより積極的に利下げを行う必要があるというものです。どちらの結果であれ、金利低下が最終的な結果となることに変わりはありません。」
グローバル株式の見通しについて、マーティン・カリーのグローバル・ロングターム・アンコンストレインド・シニア・ポートフォリオ・マネージャーのゼリッド・オスマニは、次のように述べています。
「2024年には、特に米国と中国の経済成長が鈍化し、インフレはより粘着性があり長期化すると予想します。欧州と英国では、スタグフレーションが続くと予想しています。欧州とアジアの株式は現在、過去の株式や他の先進国市場の株式と比較して、よりバリュエーション面で優位にあり、景気サイクル調整後の10年平均と米国株式の両方に対して割安に取引されており、魅力的な機会を提供しています。
我々は、2024年の企業収益の成長は引き続き平凡で弱いものとなり、楽観的な予測による業績の下方修正リスクが継続すると予測しています。経済の勢いが弱まっている、あるいはスタグフレーションのような環境であることから、我々のトップダウン予測はコンセンサスよりも保守的で、グローバル+4%、米国+5%、欧州+3%、アジア+5%、日本+6%となっています。投資家は、下方修正に抵抗できる底堅い収益力を備えた企業、あるいは構造的な成長要因へのエクスポージャーによってポジティブなサプライズをもたらす可能性のある企業に焦点を当てる必要があります。我々は、構造的な成長機会を持つ3つのテーマを特定しました。エネルギー転換、人口の高齢化、人工知能です。」
フランクリン・テンプルトンについて
フランクリン・テンプルトンは、米国カリフォルニア州サンマテオに本部を置くフランクリン・リソーシズ・インク(Franklin Resources, Inc. [NYSE:BEN])および傘下の子会社で構成され、150カ国以上のお客様にサービスを提供しているグローバルな資産運用会社グループです。フランクリン・テンプルトンは、資産運用の専門知識、ウェルスマネジメント、テクノロジーソリューションを通じて、お客様がより良い投資成果を得られるよう支援することを使命としています。専門性を有する運用チームを通じて、株式、債券、マルチアセット・ソリューション、オルタナティブの分野で幅広い運用能力を発揮し、ブティック型の専門性を世界規模で提供しています。当グループは75年の資産運用経験を持ち、約1,300人の資産運用の専門家と世界の主要な金融市場に拠点を擁しており、2023年9月3日現在の運用資産額は約1.4兆米ドルです。詳しくは、https://www.franklinresources.com/(英語サイト)をご覧ください。
フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社について
フランクリン・テンプルトンの日本法人であるフランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社は、1998年の設立以来、日本の投資家の皆様の資産運用ニーズに応じた運用商品やサービスを提供し、ひたむきに前進してきたことを誇りとしています。今後もフランクリン・テンプルトン・ジャパンは、グローバルな資産運用会社として、25年にわたる日本での事業経験から得たノウハウを活かし、日本の投資家の皆様の長期的な資産形成に貢献することを目指すとともに、お客様との長期的な信頼関係を築いてまいります。
ウェブサイト https://www.franklintempleton.co.jp/
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フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第417号
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