ローデ・シュワルツ製シグナル・スペクトラム・アナライザおよびベクトル信号発生器の光通信分野への応用
ファイ・マイクロテック社がローデ・シュワルツ製品を利用し、超広帯域FM変復調によるQAM/地デジ信号の光多重伝送の実験で、FM変調器の小型化による経済性の向上、光通信の利用拡大に資する成果
ローデ・シュワルツ・ジャパン(本社 東京都新宿区)は、R&S FSWシグナル・スペクトラム・アナライザおよびR&S SMW200Aベクトル信号発生器を用いて、株式会社ファイ・マイクロテック(本社 神奈川県厚木市)が行った超広帯域FM変復調によるQAM/地デジ信号の光多重伝送の実験に協力し、FM変調器の小型化による経済性の向上、光通信の利用拡大に資する成果を得ることができました。
株式会社ファイ・マイクロテックは、光通信などの高速アナログICの仕様検討/提案から試作開発、量産販売までを一括して行い、お客様の要望に沿った製品を実現するファブレスメーカーです。同社製品である超広帯域遅延検波回路は、ITU-T J.185(周波数変調変換を使用することにより光アクセスネットワークを介して多チャンネルテレビ信号を転送するための伝送方法に関する勧告)に対応したFM復調ICであり、2022年5月末時点で累計263万個超を出荷しております。
同社ではこの技術と経験を活かし、新たに電気回路による広帯域FM変調回路の開発を進め、変調装置の大幅な小型化、経済化を実現することにより、広帯域光FM変調信号による大容量伝送特性を活用した新たなアプリケーションへの展開および新市場創造を目指しています。加えて新たなアプリケーションへの展開には、256QAMにとどまらず1024QAM、4096QAM等の超多値変調信号によるシステム性能の技術的検証が不可欠です。
一方で、ローデ・シュワルツのR&S FSWとR&S SMW200Aはそれぞれ高い信号解析精度、信号生成精度を誇ります。SMW200Aで生成した信号をR&S FSWで解析した際のエラー ベクトル振幅(EVM: Error Vector Magnitude)は1%未満であり、被測定回路の性能を余すことなく評価することが可能です。
R&S SMW200Aで生成した256QAM信号をOFDM信号と重畳させ、変調、電気/光変換、光/電気変換、復調し、R&S FSWで解析したところ、1 %未満のEVMが得られました。ファイ・マイクロテック社が持つFM変復調器の高い技術力が明らかになるとともに、ローデ・シュワルツのベクトル信号発生器とシグナル・スペクトラム・アナライザの誇る高い精度が被測定物の完成度をより正確に評価できることを確認することができました。
なお、この実験は2022年6月に開催された第22回光通信技術展にて動態展示されました。ファイ・マイクロテック社ではさらに、ローデ・シュワルツ社製ベクトル信号発生器を用いて1024QAM、4096QAM等さらなる高多値レベルのQAMを適用することにより、スループットの高い光通信アプリケーションへの展開を目指していきます。
製品の詳細は各製品ページをご覧ください。
R&S®FSW シグナル・スペクトラム・アナライザ
https://www.rohde-schwarz.com/jp/products/test-and-measurement/benchtop-analyzers/rs-fsw-signal-and-spectrum-analyzer_63493-11793.html
R&S®SMW200A ベクトル信号発生器
https://www.rohde-schwarz.com/jp/products/test-and-measurement/vector-signal-generators/rs-smw200a-vector-signal-generator_63493-38656.html
ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツはテクノロジーグループとして、電子計測、テクノロジーシステム、ネットワーク/サイバーセキュリティの分野の最先端ソリューションを提供することで、安全でつながり合った世界の実現を先導する役割を果たしています。創業から85年を超えるこのグループは、全世界の産業界と政府機関のお客様にとっての信頼できるパートナーです。2021年6月30日現在、ローデ・シュワルツは世界中に約13,000人の従業員を擁しています。独立グループは、2020/2021会計年度(2020年7月~2021年6月)に22億8,000万ユーロの純収益を達成しました。本社はドイツのミュンヘンにあります。
R&S®はRohde & Schwarz GmbH & Co. KGの登録商標です。
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