査読原稿を生成AIに入力してよいのか?日本広報学会、研究活動におけるAIツール利用ガイドラインを公開

― 未発表情報の機密保護、著者・査読者の責任、AI利用の申告・開示・記録を明確化 ―

日本広報学会

日本広報学会(会長:西井孝明)は、研究活動におけるAIツール(注)の利用について、研究企画、調査、分析、論文執筆、査読などの主要場面を対象とする「研究活動におけるAIツール利用ガイドライン」を2026年6月30日(火)に公開しました。

【ポイント】
● 研究企画、調査、分析、論文執筆、査読まで、研究活動の主要場面におけるAIツール利用の考え方を整理

● AIツールは著者・共著者として認めず、研究内容に関する責任は著者が負うことを明示
● 査読対象原稿など未発表情報の機密保護を重視し、クラウド型AIツールに原稿全文または機密性の高い内容を入力することは原則として認めないことを明記

● AI利用の有無、目的、範囲、確認方法について、申告・開示・記録の責任を明確化

●学会誌『広報研究』第31号(2027年3月発行予定)より適用

(注)AIツール:研究活動、論文執筆、査読などを支援するAIを用いた情報サービス全般のこと

生成AIをはじめとするAIツールは、研究テーマの探索、調査設計、文字起こし、要約、データ整理、分析補助、論文執筆支援、査読コメントの整理など、研究活動のさまざまな場面で活用されるようになっています。一方で、著者責任、第三者の権利、個人情報・機密情報の保護、査読原稿の取扱い、AI利用の適切な開示など、研究倫理上の課題も顕在化しています。

 

本ガイドラインは、AIツールの利用を一律に制限するものではなく、研究者がAIを適切に利用しながら、研究の信頼性と透明性を確保するための基本的な考え方を示すものです。特に、AIツールを著者・共著者として認めないこと、AI利用の有無にかかわらず研究内容に関する責任は著者が負うこと、AI利用の目的・範囲・確認方法を申告・開示・記録することを明確にしました。

特に「査読」(投稿された論文などが掲載に適するか否かを第三者が評価する作業)については、査読対象原稿が未発表の情報であることを踏まえ、機密性を損なうおそれのあるクラウド型AIツールに、原稿全文または機密性の高い内容を入力することは原則として認めないこととしました。また、査読作業の補助としてAIツールを利用した場合であっても、査読上の評価および判断は査読者自身が行い、利用状況を申告するものとしています。

クラウド型AIツールでは、入力情報の保存、閲覧、再利用、学習利用の有無がサービスや契約条件によって異なります。そのため、査読対象原稿などの未発表情報や機密性の高い内容を外部AIサービスに入力することは、機密保持や第三者の権利保護の観点から慎重な取扱いが求められます。

日本広報学会は、研究者と実務家がともに企業や行政、各種組織における広報を研究対象とする学術団体です。共同研究、インタビュー調査、事例研究など、実務との接点が多い研究領域であることから、未公開資料、個人情報、企業・団体等の機密情報を適切に取り扱うことが重要となります。本ガイドラインは、2026年5月31日に公表した「研究倫理声明」( https://www.jsccs.jp/about/ethics-statement.html )を補完し、AI時代における広報・コミュニケーション研究の信頼性を維持するための具体的な運用指針として位置づけるものです。

 

本ガイドラインは、学会誌『広報研究』 第31号 (2027年3月発行予定)より適用します。

■本ガイドラインの更新について

本ガイドラインの有効期限は特に設けず、状況の変化に応じて随時更新していくことにします。なお更新任務は、日本広報学会理事長、研究委員長、学会誌委員長、総務委員長の合議によって行います。

 

■本ガイドラインの詳細について

「研究活動におけるAIツール利用ガイドライン」は以下のサイトで公開しています

https://www.jsccs.jp/about/AI-ethics-guideline.html

《日本広報学会について》 

日本広報学会は、広報の学術的および実践的な研究と理論の体系化などをめざして1995年に設立された学術団体です。研究者・実務者など719名(2026年5月末日現在)が会員として参加しています。

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会社概要

日本広報学会

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URL
https://www.jsccs.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都文京区本郷2-26-9 本郷片岡ビル5F
電話番号
03-5283-1104
代表者名
筒井 義信
上場
未上場
資本金
-
設立
1995年03月