SaaS値上げ、解約の引き金は"金額"ではなく"伝え方"だった

<SaaS利用者向け調査で判明、実解約率に最大4.7倍の差>

株式会社ネクサフロー

株式会社ネクサフロー(本社: 東京都中央区、代表取締役: 中村 知良)は、SaaS価格改定に不満を持った法人利用者および個人事業主65名を対象にアンケート調査を実施。値上げ幅(金額)への不満は怒りが最も強い一方で実際の解約率は8.0%にとどまり、「説明不足」「通知方法」「タイミング」といった伝え方の問題が解約に直結することが明らかになりました。


主要な調査結果

  1. 不満理由1位は「金額」ではなく「説明不足」(46.2%)

  2. 金額不満は怒りが最大(68.0%)だが、実解約率はわずか8.0%

  3. 「伝え方」の問題は実解約率20.0〜37.5%──金額不満の最大4.7倍

  4. 値上げ後、約3人に1人(35.4%)が解約・乗り換えを検討

調査背景

2025年、Slack・Salesforce・Adobe Creative Cloudをはじめとする主要SaaSが相次いで価格改定を実施しました。SaaS事業者にとって価格改定は収益改善の重要な手段ですが、一方で顧客離反のリスクを伴います。

「値上げ幅を抑えれば解約は防げる」──多くのSaaS事業者がそう考えています。しかし、本当に解約を決定づけるのは金額なのでしょうか。ネクサフローはこの問いに答えるため、SaaS価格改定に不満を持った利用者を対象に、不満の理由と実際の行動(解約・継続)の関係を調査しました。

調査概要

調査名

SaaS価格改定に対する不満調査

実施日

2026年2月4日

対象

SaaS価格改定に不満を持った経験のある、法人利用者または個人事業主

有効回答数

65件(スクリーニング調査での回収数:2,000件)

手法

インターネットアンケート調査

調査項目

・対象SaaSサービス名

・価格改定の時期

・価格改定の内容

・通知方法

・不満理由

・不満度

・価格改定後の行動(解約など)

・価格改定時の具体エピソード

結果詳細

■SaaS値上げの実態──7割が「月額/年額の値上げ」を経験

回答者が経験した価格改定の内容は、「月額/年額料金の値上げ」が69.2%で最多でした。次いで「既存プランの廃止・統合」(18.5%)、「ユーザー単価の変更」(18.5%)が続きます。

7割が「月額/年額の値上げ」を経験

■不満の正体──1位は「金額」ではなく「説明不足」

不満理由を複数選択で尋ねたところ、最も多かったのは「値上げの理由・根拠の説明が不十分だった」(46.2%)でした。「値上げ幅が大きすぎた(金額への不満)」は38.5%で2位、「通知が遅すぎた/突然だった」が29.2%で3位となっています。

1位は「金額」ではなく「説明不足」

上位に挙がった不満理由を整理すると、「説明不足」「通知方法が不適切」「タイミングが遅い」の3つはいずれも"伝え方"の問題です。金額そのものへの不満は1つだけであり、不満の多くは「いくら値上げしたか」ではなく「どう伝えたか」に起因していることがわかります

利用者の声:

事前の十分な説明もないまま月額料金が大きく値上げされました。『クリエイターの皆さまへの価値向上』『サービス品質向上のため』といった抽象的な文言しかなく、どのアプリや機能が具体的にどう良くなるのか、一切示されていませんでした。

(某クリエイティブツール利用者)

■怒りの強さと解約は比例しない。

不満理由別に「かなり不満」以上と回答した割合(高不満以上率)を見ると、金額不満が68.0%で最も高い結果となりました。一方、伝え方の問題に分類される3つの理由は31.6〜62.5%と、いずれも金額不満より低い水準です。

金額不満は最も「怒り」が強い

つまり、金額不満は最も「怒り」が強い不満です。

しかし不満理由別の解約検討率・実解約率を比較したところ、説明が不十分だったり、通知方法が不適切など、伝え方の問題に分類される理由が金額不満を大きく上回る結果となりました。

伝え方が金額不満を上回る結果に
不満理由と実解約率

※「通知の方法が不適切だった」はn=8と少数のため、傾向値としてご参照ください。なお、「説明が不十分だった」(n=30)および「タイミングが遅い/突然だった」(n=19)は一定のサンプル数があり、伝え方の問題が解約に直結する傾向は頑健です。

金額不満は「怒りの温度」が最も高いにもかかわらず、解約という「行動」には最もつながりにくい──これが本調査の核心的な発見です。逆に、伝え方の問題は怒りこそ穏やかですが、静かに解約へと至ります。

利用者の声:

利用料金が値上げされ、解約した。仕事上、代替手段はいろいろあるので、一社にこだわる必要はない。機能性が向上しない中での値上げは断固として受け入れられない。

(某ビジネスチャットツール利用者)

利用者の声:

急なお知らせで準備期間がほとんどない。既存のシステムなどのやりとりにも支障をきたすので面倒になる。

(某CRMサービス利用者)

【調査レポート全文(無料)のご案内】

本プレスリリースでは調査結果の一部をご紹介しました。以下の内容を含む調査レポート全文(ホワイトペーパー)を無料で公開しています。

  • 通知方法別の不満度・解約率の詳細分析

  • 業界別・企業規模別のクロス集計

  • 解約者 vs 非解約者の不満理由比較

  • 他、各種集計結果

またネクサフローでは、本調査に関する詳細記事も執筆しております。

本調査の記事以外にも、プライシングに関する様々なコンテンツを取り揃えたメディアを運営しておりますので、ぜひご一読ください。

考察──SaaS事業者が今日からできる3つのこと

本調査の結果から、SaaS事業者が価格改定時に解約リスクを低減するために取り組むべきポイントが浮かび上がりました。

1. 説明の質を上げる

不満理由の1位は「説明が不十分だった」(46.2%)であり、実解約率は20.0%に達します。「品質向上のため」「サービス改善のため」といった抽象的な説明ではなく、何がどう良くなるのかを具体的に説明することが重要です。

2. 適切なチャネルで確実に届ける

「通知の方法が不適切だった」と回答した層の実解約率は37.5%と突出して高い傾向が見られました。メール1通で済ませるのではなく、複数チャネルで確実に届ける工夫が必要です。特に「請求時に初めて気づいた」(6.2%)という状態は最も危険であり、事前通知の徹底が求められます。

3. 十分なリードタイムを確保する

「通知が遅すぎた/突然だった」と回答した層の実解約率は21.1%でした。突然の通知は不信感を生みます。最低でも数ヶ月前の事前告知を行い、顧客が準備期間を持てるようにすることが解約防止につながります。

執筆者コメント:コンサルティング部門 ディレクター 有本雅俊

SaaS事業者の多くは「値上げ幅をどの程度にすれば顧客からの反発が少なく済むか・いくらまで値上げできるか」といったポイントに目を向けがちです。しかし本調査が示すのは、顧客が本当に見ているのは金額の多寡ではなく、"自分たちが大切にされているか"という体験そのものだということです。説明の質、通知のタイミング、届け方──この3つを改善するだけで、価格改定に伴う解約リスクは大幅に低減できると考えます。

調査レポート全文のダウンロード(再掲)

株式会社ネクサフロー

  • 代表者:代表取締役 中村 知良

  • 設立:2023年10月

  • 所在地:東京都中央区銀座8-17-5 The Hub 銀座OCT 904

  • 事業内容:「収益向上」をテーマとした、プライシングを始めとする各種コンサルティングサービス、及び自社プロダクトの提供

  • URL:https://nexaflow.io

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

株式会社ネクサフロー

4フォロワー

RSS
URL
https://nexaflow.io/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区六本木3丁目4-33 マルマン六本木ビル3F
電話番号
-
代表者名
中村知良
上場
未上場
資本金
-
設立
2023年10月