鎌倉アートギャラリー HUG FOR_. 「透明な風景、あるいはその周辺」を開催。自然と人間の共感が巡り合う空間を体感。この秋、3名のアーティストによる作品が自然とのつながりを深める機会をお届けします
アメリカの絵本作家マーシャ・ブラウン著書「目であるく、かたちをきく、さわってみる。」の詩を軸にガラス、植物染、インスタレーションによる展覧会。子供から大人まで、五感を使った鑑賞体験をお楽しみください。
神奈川県鎌倉市を拠点とするアートギャラリーHUG FOR_. では、2024年10月26日(土)~11月17日(日)まで、三人展「透明な風景、あるいはその周辺」を開催いたします。
本展はHUG FOR_.を含む湘南にある4つのギャラリーが協力して運営しているアートプロジェクト「海と山と、それから」に連動する展覧会です。アートプロジェクトのコンセプトには、皆さまが湘南の自然の素晴らしさに触れるようにアートを日常的に楽しんでもらいたいという想いが込められています。そこでHUG FOR_. では、このプロジェクトのコンセプトと地続きとなる鑑賞体験として、アメリカの絵本作家マーシャ・ブラウン著書『目であるく、かたちをきく、さわってみる。』に綴られた詩と写真による自然観察の視点や、訳者である谷川俊太郎氏の美しい日本語を手掛かりに、暮らしと隣り合わせにある自然の美しさ、命の意味を感じ、考える展覧会をお届けします。この秋、子どもから大人まで、すべての人へ贈る美々しいエキシビジョンをどうぞ体感してください。
展示作品は、ガラスの特性を活かし、生命の始まりから終わりまでの儚さと、命の循環を表現する八田綾子の彫刻作品、植物染料に基づいて自然由来の色を使い光と陰影の調和を大切にしながら色彩の情景や移り変わりを表現するMakoto Okudaの平面作品、 レイチェル・カーソンの「センスオブワンダー」をテーマに自然や宇宙、生命の美しさや神秘に対する驚きをオブジェとインスタレーションによって表現するKocoro katohの三名のアーティストで構成しています。
内に在る美しさを見つめ、そばにある美しさと出会い直す。
私たちの生活と自然は決して分かつことができない関係にあります。しばしば平穏な生活を一変させる自然環境の偉大さを実感する瞬間があるでしょう。また人間の手では創り出せない色彩や形状に感動したり、毎年巡る春夏秋冬、日々の一定のリズムが私たちに安らぎや調和をもたらし、自然とのつながりを日常的に感じさせてくれます。自然の未知のドラマに驚かされることもあるでしょう。
マーシャ・ブラウンの著書『目であるく、かたちをきく、さわってみる。』訳者の谷川俊太郎氏は『美しさというものは、基本的に説明や解釈を拒むものかもしれない』と述べています。
命あるものは自ら望み誕生することはありません。ましてや自らが望む姿や能力を宿して生まれることもありません。それでも私たちは生まれたからには生きるために呼吸をし、水を飲み、食物を食べ、活動を続けます。その積み重ねの中で、身近な道や庭にある植物の成長、季節ごとに変わる風、空、雲の移ろい、波や川の揺らぎや音、光のリズム、月の満ち欠け、太陽の恵みと共鳴し、この世界と自身の身体や心が呼応していることに悦びを感じていないとも言いきれないでしょう。
人間はこの自然の摂理の中で、自然と同じくらい社会の影響を受けて知恵を養い、感情、信念、内省によって精神を育て多様な形で生きています。したがって、人が感じる美しさには、主観的な側面が伴い、一人一人の感受性や私的な記憶や体験、文化的背景によって異なります。
また美しさを言葉で説明しようとすると、論理的な分析や解釈、理屈的な説明を示すことに難しさを感じ、どうしてもその本質を捉えきれないことがあります。それは視覚的な要素だけでなく、目に見えない精神性と深く結びついた美しさに触れた証かもしれません。芸術においても同様のことが言えます。例えば絵画を観て美しさを感じる時、言葉では表現できない感覚を経験します。美しさとは時に言葉で表現しきれず、直感的なものとして私たちの内側に蓄積し存在しているのかもしれません。
会場には作品の他に、マーシャ・ブラウンの言葉を散りばめ、その言葉を探す楽しみもございます。作品と言葉をヒントに、自由な思考と感覚を開き私たちの内外にある美しさや、存在意義を感じ、見つめる機会となりましたら幸いです。また展示を通じて身体と心の機微に触れ、鑑賞者の皆さまを優美に包み込む心地よい空間になることを願っています。
関連イベントとして、風と遊ぶアーティスト集団『風コレクティブ』と一緒に凧を上げて風と戯れるワークショップが開催されます。このワークショップへの参加は予約や参加費不要ですので、お気軽にご参加ください。詳細はイベント概要をご覧ください。
<参考図書>
■アーティスト
・Ayako Hatta
1986 神奈川県生まれ
2010 多摩美術大学美術学部 情報デザイン学科メディア芸術コース 卒業
2013 東京藝術大学大学院 美術研究科 先端芸術表現専攻 修了
自然界に共通して現れる水の形には、自然が創りだす形の神秘が隠れています。水の流れや泡を“生命の始まりの形”ととらえ、流動的なガラスから生命が芽吹く様をイメージした作品を制作している。
・Makoto Okuda
植物染料を基に鉱石、貝殻、土など天然から成る色を用いて空間作品や染色画などの創作活動を行う。
あらゆるものごとに反映される光と陰影の共棲を慈しみ、作品を通じて、色の情景、移りゆくものを表現している。
・Kocoro Katoh
石川県生まれ
金沢美術工芸大学、同大学院にてセンスオブワンダーを題材とした空間表現の研究を行う。
現在はインハウスデザイナーとしてグラフィックや展示空間などのデザインを行いながら、
展示空間のディレクションや空間表現活動を行う。
■開催概要
HUG FOR_. 三人展 「透明な風景、あるいはその周辺」
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会期:2024年10月26日(土)-11月17日(日) 11:30-18:00 ※会期中無休
※10月26日(土)、10月27日(日)、11月2日(土)、11月3日(日)は”yakai”開催のため22時まで
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会場:HUG FOR_.
〒248-0016 神奈川県鎌倉市由比ヶ浜1-1-29今小路ビル2F
アクセス:JR鎌倉駅 西口 (御成商店街側)から徒歩5分
・Email:info@hugfor.com
■関連イベント(ワークショップ)概要
風で遊ぶアーティスト集団『風collective』と一緒に凧の尾で風を感じよう!
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日時:11月17日(日) 11:00-
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場所:由比ヶ浜海岸(江ノ島電鉄線 和田塚駅より徒歩約7分、または鎌倉駅より徒歩約20分)
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参加費:無料
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予約:不要
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持ち物:不要
※雨天や風が弱い場合は中止になる事もありますのでご了承ください
※最新の情報はInstagram (@hugfor_ もしくは @kaze_colle) にてご確認ください
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