カーボンニュートラル“次の一手” 貯蔵による環境価値向上モデル創出へ

自然エネルギー事業を手掛ける株式会社エンバイオ・ホールディングス(代表取締役社長:中村賀一、本社:東京都千代田区)は、当社が所有・運営するバイオマス発電所に加え、業務提携先と運用している発電所から生成されるバイオ炭を活用し、炭素固定のカーボンニュートラル貢献とカーボンクレジット創出を目指す実証実験を開始したことをお知らせします。スケール可能なモデルとして持続性と経済性の両立を実証するものです。

自社グループ内で完結する資源循環モデルの実証

当社が関わるバイオマス発電所では、地域バイオマスを原料に再生可能エネルギーを創出するとともに 、発電工程において副生成物としてバイオ炭を生み出しています。この仕組みは、環境価値の高い再資源化であり、資源を循環させる高い付加価値を備えています。同時に、バイオ炭を起点とした炭素固定ビジネスの持続可能性と拡張性を検証する取り組みでもあります。

グループ内で発生した資源を、グループ内で再循環させながら炭素を固定し収益化する、というモデルは、環境価値と事業性を両立させた新たなカーボンビジネスの実証として、大きな意義を持ちます。

クレジット化が進む、戦略的炭素固定を可能にするバイオ炭

バイオ炭(バイオチャー)は、さまざまな有機資源を、燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃以上の温度で加熱する熱分解によって生成される固形炭素です。この中には、大気中から吸収されたCO₂由来の炭素が含まれており、炭素固定の手段として注目されています。炭素固定とは、バイオ炭を土壌や他の材料と結びつけることで、その炭素を長期間にわたり安定的に閉じ込めることを指します。この処理により、二酸化炭素として再び空気中に放出されるのを防ぎ「炭素を固定」する役割を果たします。これはCO₂排出を抑えるだけでなく、大気中の炭素を積極的に“取り除く”アプローチでもあります。

再生可能な有機資源をもとにしていることで、資源の循環性や持続可能性を備えている点も注目が高まっています。現在、国際的にもバイオ炭を利用した炭素固定効果が認められ、カーボンクレジットの対象として高い信頼性を獲得しています。日本国内においても、バイオ炭の環境価値を可視化し、信頼性の高いクレジットとしての取引が推進されています。

今回の実証は、こうした社会的背景を踏まえ、炭素固定の仕組みを明確にしながら、環境貢献と経済的価値を共に実現する取り組みの第一歩となります。

芙蓉総合リース株式会社の子会社である株式会社アクア・アートと連携し、水槽を用いたバイオ炭の効果検証を実施

複合的かつ環境共生型の価値創出:水質改善・農地利用の可能性

バイオ炭は炭素固定のみにとどまらず、水質改善や農地改良といった環境共生型の応用も期待されています。農業や水産資源管理、アクアカルチャー事業との連携によって、新たなビジネスモデルの構築が可能となるほか、副産物としての経済的価値を活かした「副次的ビジネス」としての収益化も見込まれます。環境貢献と収益拡大の両立が図れる点が大きな特長です。

水質改善

バイオ炭の多孔質構造は、有害物質や窒素・リンなどの栄養塩を効率的に吸着・除去します。これにより、河川や湖沼の富栄養化を防ぎ、水環境の健全化や生態系の保全に寄与すると期待されています。

農地利用

土壌改良材としてバイオ炭を施用することで、水分保持性や通気性が向上し、土壌の物理性・化学性・生物性の改善が期待されます。その結果、作物の生育促進や肥料使用量の削減、温室効果ガス排出の抑制が見込まれます。

今後の展開

バイオマス発電所を起点に、バイオ炭の安定供給体制を構築し、クローズドループ型の一貫したバリューチェーンの実現を目指します。また、新たな環境資産となるクレジットの創出と並行し、実用的なソリューションの創出にも力を入れています。
現在、芙蓉総合リース株式会社の子会社である株式会社アクア・アートと連携し、水槽を用いたバイオ炭の効果検証を実施しています。具体的には、生体を飼育する水槽のろ過装置のろ材の1つとしてバイオ炭を使用し、吸着性能や水質浄化におけるフィルタリング機能の評価を行っています。また、あわせてバイオ炭の炭素固定に関するデータの蓄積にも取り組んでいます。

さらに、将来的なカーボンクレジットの創出を見据え、炭素市場における認証取得に向けた体制整備も進めています。

当社について

エンバイオ・グループは、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」というパーパスに基づき、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」というビジョンを掲げ

環境保全に役立つサービスや製品の提供を行っています。自然エネルギー事業においては、「循環型社会の実現への貢献」及び「脱炭素社会実現への貢献」を目指しており、今後も新たなビジネスモデルの創出やイノベーティブなパートナーシップの拡充により、再生可能エネルギーの可能性を広げていきます。

会社情報

■ 会社概要

会社名:株式会社エンバイオ・ホールディングス

所在地:東京都千代田区鍛冶町

代表者:中村 賀一

設立:1999年6月23日

URL:https://enbio-holdings.com/

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会社概要

URL
https://enbio-holdings.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区鍛冶町2-2-2 神田パークプラザ8F
電話番号
03-5297-7155
代表者名
中村賀一
上場
東証スタンダード
資本金
23億2533万円
設立
1999年06月