「ルール」から「習慣」へ――施工現場のプロフェッショナルと共創した次世代スタンダード手袋「ZI-571」開発

安全を"着け続けられる設計"に変える、現場起点のゼロベース共同開発

株式会社ウィード

三和シヤッター工業株式会社 施工現場部門との共同開発プロジェクト。「作業ごとに手袋を付け替える手間をなくしたい」——そんな現場のご要望に対し、既製品の範囲での対応でも「多機能化」でもなく、「外す理由そのものをなくす」という発想からゼロベースで開発し、安全対策を"ルール"から"習慣"へと変えた事例をご紹介します。

開発事例の概要

お客様

・三和シヤッター工業株式会社 施工現場部門 様

開発の背景

・ 作業内容ごとに手袋を着脱する運用が、現場の流れを慢性的に止めていた
・ 手指インシデントの多くが、手袋を着用していない状態で発生していた
・ タブレット端末の現場導入が進む中、装着したまま操作できる手袋が求められていた

開発アプローチ

・ 施工現場での動作観察・インシデント分析による課題の本質把握
・ 「機能を足す」のではなく「現場基準の必要十分な機能への最適化」という設計思想
・ 「外す理由をなくす」発想からのゼロベース共同開発

主な機能

・ 指先に特化した衝撃プロテクション(第一関節より先まで保護する集中設計)
・ 18ゲージ高密度編み構造(繊細な指先感覚と長時間使用への耐久性を両立)
・ ニトリルゴムコーティング(油分対応・グリップ力確保)
・ 全指対応タッチパネル対応(デジタルツールをそのまま操作可能)

導入後の声

・ 「選ばなくていい」「付け替えなくていい」という状態が現場に実現
・ 安全大会を通じ、約4,000名の作業者へ展開
・ 安全対策が"ルール"から"習慣"へと変わり始めている

BACKGROUND

背景:正しいはずの運用が現場で機能しない——高度な技術を持つ職人だからこそ生まれる構造的な課題

施工現場では、安全管理の観点から作業内容ごとに最適な手袋を選定・着用するという運用が推奨されていました。これは、安全性を最大化するうえで非常に合理的なアプローチです。

しかしシャッターの取り付け・撤去、工具を用いた施工、油分が付着した部品の取り扱い、繊細な指先操作を伴う工程——こうした多様な作業を、正確なタクトタイムの中で連続的にこなす必要がある現場では、作業ごとに手袋を着脱する手間と、それによって作業の流れが中断されるリスクが生まれていました。

これは単純な「ルールの問題」ではなく、多様かつ高度な作業を担うプロの職人だからこそ生まれる、構造的な課題でした。

さらに現場分析を進める中で、重要な事実が浮かび上がります。手指に関するインシデントの多くは、手袋を着用していない状態で発生していました。「着用を徹底する」というアプローチの限界が見えた時、私たちの発想は転換しました。

「外させない」のではなく、「外す理由そのものをなくせないか」。汎用性の高い手袋があれば...。

こうして三和シヤッター工業様との共同開発プロジェクトがスタートしました。

INTERVIEW

課題の本質は「着け続けられない構造」

本プロジェクトを担当したウィードの勝田孝行に、開発の経緯・設計の考え方・導入後の変化について聞きました。

現場を見せてもらうことから始めた

――どのような経緯でプロジェクトがスタートしたのでしょうか。

勝田:最初のご相談は「作業ごとに手袋を替えるのが現場の負担になっている」というものでした。従来の考え方では、用途ごとに最適な機能を持つ手袋を用意するのは自然です。しかし、それでは現場の運用負荷は根本的に解決されません。

――現状を分析して、何が見えてきましたか?

勝田:インシデントが集中していたのは、手全体ではなく、手の甲側の中でも特に「指先」でした。そして、多くの事故は手袋を外している瞬間に起きていた。つまり課題の本質は「プロテクション性能の不足」ではなく、「着け続けられない構造」でした。

職人の繊細な動きを助ける工夫

――設計にあたって、どのような方針を立てましたか?

勝田:機能を足せば足すほど手袋は厚く重くなり、職人の繊細な動きを損ないます。なので「何を入れるか」より先に「何を入れないか」を決めました。手全体を覆う厚手のパッドは採用せず、リスクが集中する「指先」部分のみに保護を集中させる。ベース生地は18ゲージの高密度編みを採用し、細かい部品を扱える指先感覚と耐久性を両立しました。「守られている安心感」と「素手に近い繊細な操作感」を同時に実現することが目標でした。

――タッチパネル対応とニトリルコーティングの意図を教えてください。

勝田:現場ではタブレットによる業務管理が急速に広がっています。手袋を脱着するたびに仕事が止まる——その積み重ねは大きなロスです。ウィードの手袋は全5本指でタッチパネルに対応しており、反応速度と使い勝手に自信があります。また、油分が付着した部品を扱う工程も多いため、ニトリルゴムコーティングでグリップ力を確保しました。「この一枚で全工程をカバーできる」という設計にすることが、外す理由をなくす唯一の答えだったと思います。

「着け続けられる」が、安全を変える

三和シヤッター工業株式会社専用ギア ZIZAI ZI-571

――導入後、現場からはどのような反応がありましたか?

勝田:「選ばなくていい」「付け替えなくていい」という声をいただいています。この状態を実現したことで、安全対策が"ルール"から"習慣"へと変わり始めているという手応えがあります。安全大会を通じて約4,000名の作業者に展開されており、個々の判断に依存しない仕組みとして機能しています。

――この開発を振り返って、印象に残っていることはありますか?

勝田:「安全は製品ではなく、設計するものだ」ということが改めて明確になりました。作業の流れ、運用の負担、人の判断——これらすべてにフィットして初めて"使われ続ける安全"が実現します。スペックを高めることより、現場の運用そのものを変える設計こそが本質だったと感じています。

「どこに相談してもうまくいかなかった」という経験は、決して珍しいことではありません。メーカー側の事情——ロット・コスト・既存ラインナップの制約——によって、現場の要望が実現しないまま終わってしまうケースは、業界を問わず多くあります。

私たちがお約束できるのは、カタログから選ぶだけの提案はしないということです。現場を見て、動きを理解して、何が本当に必要かを一緒に考える。そこから始めることが、私たちのモノづくりです。

・現場が誇りを持って使えるツールを導入したい

・現場に合った仕様が分からなかった、コストやロットの壁で実現しなかった

・いろんなメーカーに相談したが、既製品しか提案してもらえなかった

こんな状況でお困りの方、一度話を聞かせてください。

■ ウィードの紹介

株式会社ウィードは、作業現場で実際に起きている事故や作業上の課題を起点に製品開発を行う、作業用手袋メーカーです。

現場では手指の切創や挟まれ事故などの労働災害が、多くの事業者の悩みでした。一方で作業性や現場環境ごとのリスクに最適化された製品は限られており、現場では既製品の中から選ぶ対応を余儀なくされてきたのが実情でした。

ウィードはそうした声に真正面から向き合い、「現場の困りごとそのものを製品で解決する」ことを開発の原点としてきました。

素材の選定、編み構造、フィット設計、現場検証まで徹底的にこだわり、安全性と作業性の両立という難題に挑み続けています。

これまで業界では実現が難しかった高い保護性能と快適な着用感を兼ね備えた製品を創出し、工業・食品・医療・物流など幅広い分野の現場で採用されています。

これからもウィードは、既成概念にとらわれることなく現場のリアルな課題に耳を傾けながら、「私たちの掌で、すべてのひとの手を護る」ことを使命に、安全を支え、産業の発展と未来の創造に貢献する製品を提供し続けてまいります。

■ 会社概要

社名:株式会社ウィード

代表者:吉田 智哉

創業:2005年

売上高:60億円(2025年度)

本社:千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1 ワールドビジネスガーデン マリブウエスト33階

■ 問い合わせ先

部署:営業部 セーフティグループ

メールアドレス:info@weed-safety.jp

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ビジネスカテゴリ
物流・倉庫・貨物
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会社概要

株式会社ウィード

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URL
https://www.weed-safety.jp/
業種
製造業
本社所在地
千葉県千葉市美浜区中瀬2-6-1 ワールドビジネスガーデン マリブウエスト33階
電話番号
-
代表者名
吉田 智哉
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2005年06月