ストライダーのデザインを考察する
この度ストライダーがグッドデザイン賞2016に選ばれました!
おかげさまで世界中で愛され続けてもうすぐ10年、ストライダーのデザインは発売当初からほとんど変わっていません。そしてたぶんこれからもずっと。
ストライダーの直線的で、一切の無駄が無い無骨なデザインは、どことなく生まれ故郷であるアメリカの大らかさを感じさせてくれるようです。奇をてらったり、子どもが好むような装飾性も一切排除した潔いデザインはどこから生まれたのでしょうか?
機能を徹底的に追及していくと、必然的に生まれる美しいデザインがある。
ストライダーは2007年にアメリカの片田舎サウスダコダ州の小さなガレージで誕生しました。オートバイやクラシックカーをいじるのが趣味だった創業者ライアン・マクファーランドが、自身の子どものために自ら製作したのがスタートです。
設計のコンセプトは「軽いこと」「シンプルなこと」。この2つこそが、子どもの乗り物にとっては何より重要なことであると、彼には分かっていました。ペダルやブレーキといった幼児には使えない無駄なパーツは排除し、子どもがコントロールしやすいように、低重心のフレームデザインにする等、細部にわたって徹底的に追及していきました。決して良いデザイン性を追い求めたのではありません。機能を追求した結果、必然的に美しいデザインが生まれたのです。
ストライダーデザインの本質は「直感的な操作性」
2歳になったばかりの小さな子どもでも、ストライダーを一目見るだけで、「これは乗り物である」と理解できます。実際、2歳の子どもの目の前にストライダーを置いてみると、自らまたがり、自らハンドルを握り、自ら前に進み、自らの足でブレーキをかけます。まだ言葉もしゃべれない2歳児でも、どうすればコントロールすることができるのか自ら直感的に理解ができ、学べるようになっているのです。
ストライダーはこれからも、変わらぬデザインで、世界中の子どもたちと共に走り続けていきます。
■グッドデザイン賞審査委員の評価
足で蹴って進み・止まり、体重移動で曲がる、ランニングバイクという新たな乗り物を提示し、小さな子どもでも乗ることを楽しみながらバランス感覚を養うことができることを示した。ペダルやブレーキの排除、車体の超軽量化など、2歳児でも直観的に乗れるような操作性の追求が、プロダクトとしてのシンプルな美しさにも結びついており、子ども向けにありがちな装飾的な表現とは異なる大人からも愛されるデザインとなっていることも評価された。
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