エプソンと東大発スタートアップ企業エレファンテックが資本業務提携
- インクジェットヘッド供給などでパートナーシップ契約締結 -
報道関係各位
2019年7月30日
セイコーエプソン株式会社
エレファンテック株式会社
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下 エプソン)は、プリンテッド・エレクトロニクス分野のスタートアップ企業であるエレファンテック株式会社(社長:清水 信哉、以下 エレファンテック)に出資し、インクジェットヘッド供給などでパートナーシップ契約を締結することとなりましたので、お知らせします。
エレファンテックは、インクジェット印刷と銅めっきを用いて製造されたフレキシブル基板の製造および販売を行う東京大学発のスタートアップ企業です。「必要な部分にのみインクジェットで金属を印刷し、さらにめっき技術で金属を成長させる」という独自の製造方法(*)により、従来のフレキシブル基板よりも工程を短縮したことで、環境負荷を低減するとともに製造コスト・リードタイムの削減を実現しています。
(*特許第6300213号 取得済)
エプソンは、長期ビジョン「Epson 25」の第2期中期経営計画において、基本方針のひとつとして「資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成⻑加速」を掲げています。特に、インクジェットイノベーションにおいては、PrecisionCoreを中心としたコアデバイスを用いたインクジェットヘッド外販ビジネスとオープンイノベーションの強化を目指しています。今回のエレファンテックとの業務提携は、その具体的な施策のひとつであり、強化領域であるエレクトロニクスなどのインクジェット印刷の新市場で先行し、潜在顧客を有しているエレファンテックと協業することにより、インクジェットヘッドの産業利用を加速させていきます。今後も、多様な印刷用途に対し、インクジェットヘッドやその使用にあたり必要なノウハウを積極的に提供することで、新市場創出をけん引していきます。
エレファンテック株式会社は、エプソンからの出資を受け入れることにより、「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」という企業ミッションの実現に向け、インクジェットによるフレキシブル基板製造事業の拡大と、立体樹脂上への配線形成やバイオ材料の印刷など、その応用範囲を広げる開発・市場開拓を実現していきます。
エレファンテック社長の清水 信哉は、次のようにコメントしています。
「成長を続ける世界の製造業の環境負荷は地球が吸収できるレベルを超えつつあり、持続可能とは言えなくなりつつあります。そんな中で、『不要な部分を捨てる』既存の技術ではなく、『必要な部分にだけ材料を印刷する』インクジェットベースの製造技術は、世界の製造技術のスタンダードになっていくと確信しています。我々はこれまでも、またこれからも、その『捨てない製法』への技術革新をリードしていきます。」
エプソン社長の碓井 稔は、次のようにコメントしています。
「エプソンは、より良い社会の実現に『なくてはならない会社』として中心的な役割を果たすべく、社会課題の解決や持続可能な社会実現に寄与できる新しい価値を創造していきたいと考えています。特に印刷性能・環境性能・インク対応性などに強みを持つエプソンのインクジェットヘッドを用いた"ものづくりプロセスの革新"は、エプソンが進める第2期中期経営計画の中でも核心的な取り組みの一つです。エレファンテック社との協業は非常に重要な位置づけであり、配線・基板などのエレクトロニクス分野のプリントを手始めに、インクジェットによる小型で環境負荷の低い新しい生産プロセスを創出し、世界のものづくりを革新していきたいと考えています。」
なお、本出資に伴うエプソンの業績への影響は軽微です。
■エレファンテックの概要
商号 | エレファンテック株式会社 |
所在地 | 東京都中央区八丁堀四丁目3番8号 |
代表者 | 代表取締役社長 清水 信哉 |
設立 | 2014年1月(2017年9月4日にAgIC株式会社から商号変更) |
資本金 | 5億604万円 |
事業内容 | プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発、サービス提供 |
従業員数 | 25名(2019年7月30日現在) |
■エプソンの概要
商号 | セイコーエプソン株式会社 |
所在地 | 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 |
代表者 | 代表取締役社長 碓井 稔 |
設立 | 1942年5月 |
資本金 | 532億400万円 |
事業内容 |
プリンティングソリューションズ事業、 ビジュアルコミュニケーション事業、 ウエアラブル機器事業、 ロボティクスソリューションズ事業、 マイクロデバイス事業他 |
従業員数 | 連結76,647名/単体12,713名(2019年3月31日現在) |
※エプソンの詳細については、下記ホームページを参照ください。
www.epson.jp
以上
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