済生会中央病院、CLISTA!を活用したデータ分析でクリニカルパス活動を進化

～医用工学研究所と共同で、医療の質と経営改善に向けた取組みを学術発表～

東京都済生会中央病院（東京都港区、院長：海老原 全）と株式会社医用工学研究所（三重県津市、代表取締役社長：笠﨑 州雄、以下MEI）は、医療用データウェアハウス（DWH）「CLISTA!」を活用したクリニカルパス活動の成果を、第25回日本クリニカルパス学会学術集会（2025年10月18日）において共同発表しました。

本取組みは、2024年度より2年にわたり協働して進めてきた“デジタイゼーションによるパス運用の可視化と分析支援”の成果であり、本年は「スコアリングによる活動状況の定量化」という新たなフェーズへと発展しました。

第25回日本クリニカルパス学会学術集会ランチョンセミナー発表時の様子

■背景

東京都済生会中央病院は、全国有数の高度急性期病院として、患者中心の医療提供と医療の質向上を目指し、クリニカルパスの活用に早期から取り組んできました。一方で、パス適用率やアウトカム記入率の算出には多大な労力を要し、データ分析の専門人材不足が課題となっていました。

■課題解決に向けた取り組み

第1期：2024年度：CLISTA!によるデジタイゼーションの可視化

東京都済生会中央病院では、2014年にMEIの医療用DWH「CLISTA!」を導入後、クリニカルパス分析の分野で活用を開始。2024年からは、MEIとともに、パス適用率やアウトカム記入率の自動算出をはじめ、バリアンス分析や出来高比較など、パス運用を多角的に可視化する分析環境を構築したことで、院内でデータを用いた定例報告や課題抽出が可能となり、活動の自走化が進展しました。

第2期：2025年度：スコアリングによる定量評価とクリニカルパス学会学術集会での発表

2025年度には、東京都済生会中央病院のパス分析チームが中心となり、各パスの品質を定量化する「スコアリング」手法を新たに開発。 在院日数・DPC期間差・アウトカム達成率など複数の指標をスコア化し、改善優先度の高いパスを可視化する仕組みを構築。MEIは本活動をサポートし、成果は学術集会の発表でも関心を集め、同院におけるパス活動の成熟と、データに基づく医療改善のモデルケースとして注目されています。

■今後の展望

東京都済生会中央病院では、データ分析に基づくエビデンスドリブンなパス改訂・新規作成の推進を計画しており、MEIは引き続き、医療機関様の院内データ活用の高度化をサポートし、医療の担い手の皆さまと共に課題解決に向けた取り組みに貢献してまいります。

■東京都済生会中央病院クリニカルパス推進委員会 委員長　勝山詠理 医師のコメント

「私が委員長を引き継いだ当初、パス委員会は本来の役割を果たせず、パス管理が中心でした。活性化のためには、まず基盤の再構築が必要と考えました。パスの核心であるデータ分析とカイゼンには正確な情報が欠かせません。CLISTA!により現場の情報が迅速・正確に可視化されたことで、委員会が再び機能しはじめ、病院全体の質改善を加速させる大きな一歩となりました。CLISTA!は当院のパス委員会にとって重要なパートナーです。」

■学術発表の動画視聴

本発表内容の動画を、WEBで公開しております。

下記フォームよりご登録いただくと、視聴URLをご案内いたします。

URL：https://form.k3r.jp/clista_meiz/jscp2025ondemand

■東京都済生会中央病院 概要

名称：社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部東京都済生会 東京都済生会中央病院

所在地：東京都港区三田一丁目4番17号

開設： 1915年（大正4年）

病床数： 523床（一般病床）

病院長： 海老原 全

主な認定・指定：

・DPC対象病院（平成20年4月1日実施）

・日本医療機能評価機構認定病院（平成18年5月29日認定）

・東京都がん診療連携拠点病院（平成27年4月1日認定）

・地域医療支援病院（平成24年9月28日承認）

・救命救急センター（平成24年12月1日認定）

■株式会社医用工学研究所 概要

商号：株式会社医用工学研究所

事業内容：医療データプラットフォームの開発および提供、医療ビッグデータ、医療データサービス、病院経営分析サービスの提供、医療データ活用に付帯する一切の業務

設立年月：2004年12月

本社所在地：三重県津市栄町3丁目141番地1号

代表者：代表取締役社長　笠﨑 州雄

資本金：100百万円

注釈）

・第25回日本クリニカルパス学会学術集会：2025年10月18日～19日（於・富山国際会議場）

・CLISTA!（クリスタ）：医療用データウェアハウス（DWH）製品。医療機関の電子カルテデータを統合・可視化し、経営・診療・研究支援を実現する。