【2020年5月世界初演】太鼓と創造力がつくりだす、新・視聴体感芸術 鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉3年にわたる舞台創作を凝縮したドキュメンタリー映像を公開
“音を見る”を実現した演出、シーンの一部を解説
- 鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉メイキング映像URL
https://youtu.be/lmkdlIn-79w
〈NOVA〉とは、日本文化と最先端ビジュアルテクノロジーが融合する、新・視聴体感芸術です。演者の動きや太鼓の振動をテクノロジーで感知し、映像や照明などの舞台装置を連動させることで、“音を見る”ことができる舞台作品を実現しました。
- ドキュメンタリー映像内のコメント
【ロベール・ルパージュ】
鼓童の演奏は素晴らしく、同時に人間味を感じます。そのため、舞台上での仕掛けや工夫、ドラマ性など様々な演出要素と鼓童の「人間味」とのバランスをうまく保たなければなりません。(Phase 4を終えた)この段階では、新たな取り組みも同時に行っています。これまで準備してきた素材やアイディアや仕掛け・楽曲を全部つなげていき、一つの流れにしていく作業です。当時は予期しなかった発見や面白さが生まれてくることがあり、ワクワクしますし、非常に満足しています。
【音楽監督・住吉佑太(鼓童)】
(ロベール氏の演出が加わることで)普段ここまでやったらお客さんが飽きてしまうというところから、その先に行くことができます。そうすることで圧縮されたものがパーンと広がり、そういうエネルギー感のようなものが自分たちの音楽的挑戦だという気がします。
- 〈NOVA〉ならではの見どころ
見どころ1. 高速に振られる2本のバチの残像へ投影(0:38~、4:26~)
〈NOVA〉における見どころとして、高速に振られる2本のバチの残像への投影が挙げられます。プロジェクターを用いて2本のバチの残像に映像を投影し、小、中、大、3種類の鳥が羽ばたくような映像が浮かび上がります。一般的なスクリーン一面に投影するのではなく、高速に振られる2本のバチの残像へ投影することで投影角度が違う二面へ映し出され、パラパラ漫画のごとく、まるで鳥が羽ばたいているように見えます。また、投影方法においては人の目には見えない光を発する装置「コペルニクス」を用いて空間をマッピングすることで、舞台上のあらゆる位置にピンポイントで映像を投影することが可能になります。空間的に投影位置を記憶させ、そこに鳥の画像をピタリと当てています。「コペルニクス」で決めた位置で演者が正確にバチを振らなければならず、全員の振りがピッタリと揃わなければ美しく映像が映し出されないことなど、演者側にも高いスキルが求められます。
見どころ2. 舞台上の中心に回る装置(5:30~)
舞台の中心に円板状の装置が現れ、鼓童の音楽に合わせ回転し、背景も同時に動きます。
このシーンは、人が作り上げてきた「文明」が、ある種人類の予期せぬ「アノマリー(説明できない事象や異常)」によって滅びてしまうといった哲学を音楽と舞台装置で表現しています。
また、男性の仮面は、周囲の演奏音で反応してインタラクティブに光るような仕掛けになっています。
さらに、音楽の調子の変化で、装置の回転の方向及びスクリーンに投影される映像を変化させています。微細な音調の変化は演者には聞き分けられますが、技術スタッフには非常に分かりにくく、タイミングを合わせることに苦労しました。
見どころ3. ゴーストダンス(5:40~)
「ゴーストダンス」では、ベールを被った女性が「幽霊」として森の中を彷徨っています。
映像カメラが幽霊の動きを読み取り、幽霊の動きに連動してプロジェクションの光やエフェクトが動くような仕掛けになっています。
- 「鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉」公式サイト
――2020年5月23日(土)、世界初演
2020年5月23日(土)、東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)の世界初演を皮切りに、熊本、新潟、山形、神奈川、愛知、大阪を巡演します。〈NOVA〉はラテン語で新しいという意味。鼓童とロベール・ルパージュが織りなす、見たことも感じたこともない新しい世界をお楽しみください。
- 東京公演概要
・公演名:「鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉」
・演出:ロベール・ルパージュ
・公演日程:2020年5月23日(土)~31日(日) ※休演日:5月27日(水)
・劇場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
・主催:北前船、豊島区、公益財団法人としま未来文化財団
・助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
- 公演期間・公演地情報
・5月14日(木)・16日(土):横須賀芸術劇場 ※プレビュー公演
・5月23日(土)~31日(日):東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
・6月7日(日):熊本県立劇場 演劇ホール
・7月10日(金)~12日(日):新潟県民会館 大ホール
・7月25日(土):やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館) 大ホール
・9月3日(木)~6日(日):KAAT神奈川芸術劇場
・9月11日(金)~13日(日):愛知県芸術劇場 大ホール
・9月19日(土):厚木市文化会館 大ホール
・9月26日(土):フェニーチェ堺 大ホール
・後援:カナダ大使館、ケベック州政府在日事務所
・特別協力:読売新聞社
・協賛:SEIKO、SGC、東京建物株式会社
・製作協力:Ex Machina
・Technological partner for video and tracking:VYV
・協力:KAAT神奈川芸術劇場、横須賀芸術劇場((公財)横須賀芸術文化財団)、フェニーチェ堺
・企画:製作・著作:北前船
- ロベール・ルパージュ
ロベール・ルパージュは、演出家、脚本家、俳優、映画監督としても大成をおさめている。演劇に対するクリエイティブで独創的なアプローチにより世界的な賞賛を得、特に新たなテクノロジーを駆使することで古典的な舞台演出の概念を根本から揺るがした。著名な舞台作品としては、『ドラゴンズ・トリロジー』、一人芝居である『887』、オペラ作品『ファウストの劫罰』、マルチメディア作品においては『The Library at Night』、そしてシルク・ドゥ・ソレイユの『KÀ』及び『トーテム』などがある。
- 太鼓芸能集団「鼓童」
佐渡島を拠点に、太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団。1981年ベルリン芸術祭でデビュー。以来52の国と地域で6,500回を越える公演を行う。劇場公演のほか、小中高校生との交流を目的とした「交流学校公演」や、多様なジャンルのアーティストとの共演、国際芸術祭、映画音楽等へ多数参加している。2012年から2016年まで坂東玉三郎氏を芸術監督に招聘。2017年「幽玄」で坂東玉三郎氏と再共演を果たし、翌18年には歌舞伎座において新作歌舞伎「幽玄」として演奏で参加した。近年は石川さゆり、初音ミク、AI、元ちとせ、ブラフマンらと共演。2019年には19年ぶりの中国ツアーを成功させたほか、「ラグビーワールドカップ2019日本大会」開会式、「国立競技場オープニングイベント ~HELLO, OUR STADIUM~」に出演。
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