渋谷慶一郎による新作アンドロイド・オペラ®︎『MIRROR』の世界初演がドバイ万博でついに実現!
アンドロイドと仏教音楽・声明、現地UAEオーケストラが共演、ドバイ万博・日本館主催、現地時間 3/2(水)に開催予定
- 【開催の背景】
アンドロイド・オペラ®︎『MIRROR』は、本来2021年12月11日(土)のドバイ万博における日本のナショナルデー「ジャパンデー」で初演が予定されておりましたが、オミクロン株の世界的流行を踏まえ公演は見合わせとなりました。
公演中止決定後に、渋谷は現地での発表機会を見つけるべく私費でのドバイ行きを決行。同イベントに出演予定だった仏教音楽・声明の演奏家・藤原栄善と一緒に渡航しました。現地では渋谷の旧知の友人であり「BROWNBOOK」というドバイ発の中東、北アフリカのデザインやカルチャーを紹介する雑誌を創刊し、日本の建築や文化にも造詣が深いドバイカルチャーのキーパソンである双子、ラシッド・ビン・シャビブ氏とアハメッド・ビン・シャビブ氏が渋谷の渡航を知り、急遽コンサートを主催。12月9日、渋谷のピアノと電子音楽、そして藤原栄善の声明による一夜限りのコンサートを聴きに大勢の現地文化関係者が訪れました。
そしてこの度本作の振替公演がついに決定、3月2日(水)に世界初演を万博会場内にて行います。
- 【新作 アンドロイド・オペラ®︎『MIRROR』(ミラー)について】
ステージ中央にオルタ3、その周りを声明家たちと渋谷のピアノとコンピュータが円形に囲み、さらにその周りを45名のオーケストラが囲みます。演奏には強力な電子音やノイズが加えられ、祝祭的で儀式的な時間を演出します。本作はこれまでの渋谷とアンドロイドの協働による『Scary Beauty(2018)』や『Super Angels(2021)』が西洋的なオペラの脱構築であったのとは異なり、祝祭的な形式であると同時にアンドロイド、声明、電子音楽、オーケストラ、ピアノといったここ数年の活動の集大成ともいえる作品となっています。
また、本作のコンセプトテクストをフューチャーした予告編動画(https://youtu.be/yfiEoLiTRno)も本日より公開します。
(動画テクスト日本語訳)
アンドロイドは鏡である。
音楽もまた鏡である。
それらは私たち自身を映し出す。
存在と非存在の境界はどこにあるのか?
過去と未来の境界はどこにあるのか?
そしてそれらはどこに存在するのか?
この新しい経験を共に祝祭しよう。
当日は、現地時間午後6時半よりJubilee Stage(ジュビリーステージ)という、万博会場内にある大規模な音楽用野外ステージにて開催。舞台上の大型スクリーンに投射される映像は、渋谷が長年コラボレーションを続けている仏人ビジュアルアーティストのJustine Emard(ジュスティーヌ・エマール)が担当します。会場3面のスクリーンには、リアルタイムでのオルタ3の表情を映し出す他、高野山の仏教的モチーフをアーティスト自身が撮影・3Dスキャニングして制作した映像もミックス。会場全体やオルタ3に投射される照明効果なども用いて視覚的な演出も最大化します。
渋谷は本作について、「ドバイは厳格かつオープンなイスラム文化とハイテクノロジー産業が共存している真に未来的な国家。今回初演する新作『MIRROR』では1200年前に書かれた仏教音楽のテクストを唱える僧侶の声に、AIによるテクストを歌うアンドロイドの声が重なり、UAEのオーケストラがそれを支える。コンテクストもコントラストも高い作品を発表するにはこれ以上ない場所だと思ったので、やっと実現出来てすごく嬉しい。」と話しています。
演目には一昨年渋谷が音楽を担当した映画「ミッドナイトスワン」のメインテーマのオーケストラバージョンが加わり、アンドロイドのヴォーカルと声明、電子音がミックスされた新たなバージョンとして披露されます。
また、アンドロイドが歌うAI、GPT3によるテクスト、歌詞の生成には人工生命研究者の池上高志(東京大学教授)とアンドロイドのヴォーカル開発やプログラミングには電子音楽家の今井慎太郎が全面参加。アンドロイド、AIとオペラ、伝統音楽という均衡を作り出します。
- 【UAE現地オーケストラ「NSO」からのコメント】
- 出演者
渋谷慶一郎
- Concept, Composition, Direction, Piano
音楽家。東京藝術大学作曲科卒業、2002年に音楽レーベル ATAKを設立。作品は電子音楽作品からピアノソロ 、オペラ、映画音楽 、サウンド・インスタレーションまで多岐にわたる。 代表作は人間不在のボーカロイド・オペラ『THE END』(2012)、アンドロイド・オペラ®︎『Scary Beauty』(2018)など。 2020年に映画『ミッドナイトスワン』の音楽を担当、毎日映画コンクール音楽賞、日本映画批評家大賞映画音楽賞を受賞。2021年8月 東京・新国立劇場にてオペラ作品『Super Angels』を世界初演。人間とテクノロジー、生と死の境界領域を作品を通して問いかけている。
オルタ3(Supported by mixi, Inc.)
- Vocal
人間と人工生命体とのコミュニケーションの可能性を探るために開発されたアンドロイド。2019年にコミュニケーション創出カンパニーであるミクシィと、アンドロイド研究で世界的に有名な大阪大学石黒研究室、人工生命研究のパイオニアである東京大学池上研究室、そして本プロジェクトの実証実験の場を提供するワーナーミュージック・ジャパンの4社共同研究により誕生。「オルタ3」は機械が露出したむき出しの体、性別や年齢を感じさせない顔を特徴に人の想像力を喚起し、これまでにない生命性を感じさせることを目指し開発されている。
仏教音楽 南山進流声明家
- Buddhist Chants
1200年の歴史を持つ高野山に伝わる「南山進流声明」。声明を専門とし高野山真言宗六甲山鷲林寺の住職でもある藤原栄善とその伝統を引き継ぐ弟子たち。藤原栄善は南山進流声明の大家である中川善教師とその弟子宮島基行師二人より南山進流声明を学び、25年の修行を経て2003年に皆伝を許される。音楽家 渋谷慶一郎とは2017年よりコラボレーションを開始、2019年にはオーストリア・リンツで行われた「Ars Electronica」にて『Heavy Requiem』を初演するなど活動を世界に広げている。
NSO Symphony Orchestra (UAE)
UAEを拠点としたNSO交響楽団、NSO室内管弦楽団、NSOシンフォニック・ポップス・オーケストラ、NSOオペラ&コーラス、NSOミュージック・エージェンシーで構成される。約20カ国の国籍を持つ100人以上の音楽家を擁し、数多くの交響曲やオペラ作品に加え、ポピュラーなクラシックや音楽劇などを演奏。年間を通じてコンサートを開催しているほか、個人、企業、政府のイベントでも定期的に演奏を行っている。2020年にはUAE シャルジャで行われた渋谷慶一郎のアンドロイド・オペラ®️『Scary Beauty』公演にて共演、本作では二度目の共演となる。
- 【渋谷慶一郎 アンドロイド・オペラ®︎『MIRROR』公演概要】
日時:2022年3月2日(水)18:30-19:00(予定)
会場:ドバイ万博 ジュビリーステージ
演目名:渋谷慶一郎 アンドロイド・オペラ®︎『MIRROR』
出演者:
渋谷慶一郎
オルタ3(Supported by mixi, Inc.)
仏教音楽 南山進流声明家
NSO Symphony Orchestra (UAE)
制作:ATAK
- 【ドバイ万博について】
ドバイ万博は、中東およびアフリカ地域では登録博として初めての開催となる国際博覧会です。UAE建国50周年である2021年に、UAEのドバイにおいて開催されます。
名称:2020年ドバイ国際博覧会
会期:2021年10月1日〜2022年3月31日(182日間)
開催地:UAE (アラブ首長国連邦)ドバイ
テーマ:「Connecting Minds, Creating the Future」(心をつなぎ、未来を創る)
サブテーマ:(1) Mobility (2) Opportunity (3) Sustainability
会場面積:438ha
出展者数:191カ国が参加
想定入場者:約2,500万人(見込み)
公式サイト:https://www.expo2020dubai.com
- 【ドバイ万博日本館について】
日本館テーマ: Where ideas meet アイディアの出会い
幹事省:経済産業省
副幹事省:総務省、文部科学省、農林水産省、国土交通省
参加機関:独立行政法人日本貿易振興機構
<ドバイ万博 日本館公式ウェブサイト>
https://expo2020-dubai.go.jp/
- 広報素材
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