オーステッド、無人水上測定船舶を開発し、特許権を取得

洋上風力発電所の開発における世界最大手のオーステッドは、洋上の気象・海象観測に取り組む業界において初の、無人水上船舶(USV)を設計および開発しました。測定したデータを用いて、洋上風力発電所の年間エネルギー生産における予測精度を向上させることができます。このUSVコンセプトの特許権を取得したオーステッドは、そのテクノロジーの大きな可能性を見据え、プロトタイプUSVに基づき、継続的な生産を開始しました。

プロトタイプUSVは「Hugin USV」と名付けられ、過酷な洋上条件下でも、1年間連続運転できるように設計されています。USVにはナビゲーションシステムが組み込まれ、さまざまな自律レベルで航行することができます。また、見通し線内または見通し線外の両方の遠隔制御センターで制御可能です。


USVは汎用センサープラットフォームとして設計され、特に、風況、海底の状態、生物学的および生態学的測定値などの大量のデータを収集できます。USVによって収集される幅広い観測データは、洋上風力発電所建設前の初期の開発業務にとって非常に重要です。


USVのコンセプトは、オーステッドの従業員によって開発され、特許権を取得しています。プロトタイプUSVの設計、開発、造船、試験は、オーステッドのイノベーションプログラムの一環として、選ばれた業界パートナーと連携し実施されました。プロトタイプUSVは、デンマークの造船会社であるTuco Marine Groupによって建造され、USV制御システムは革新的なノルウェー企業であるMaritime Robotics Asによって提供されました。


小規模で革新的な企業と協力し、造船と自律制御システムにおける業界パートナーの専門知識と、洋上観測の運用におけるオーステッドの深い知識を組合せることで、並外れた性能を備えたプロトタイプUSVの迅速な市場導入を短期間で成功させることができました。



【画像内文言】

気象・海象観測

・LiDAR風力資源評価

・波および潮流のモニタリング

 

環境許認可

・鳥類の調査およびモニタリング

・海洋哺乳類の観察

 

プログラムマネージャー兼USVのコンセプトの共同開発者であるFrederik Søndergaard Hansen氏は、次のように述べています。「USVのコンセプトの特別な点は、大型の特殊な支援船の必要なく洋上の現場とやり取りする測定機器を導入でき、現場で、長期間自律的に動作し、リアルタイムに陸上へ送信され大量のデータを測定できることです。USVのコンセプトにより、新設の洋上風力発電所の年間エネルギー生産量予測の確実性を高めるのに不可欠な、データの高可用性を一貫して得ることができます。


オーステッドにより開発されたUSVのコンセプトには、洋上現場まで測定機器運搬用の支援船を必要とする従来のソリューションを超えたいくつかのメリットがあります。オーステッドのUSVは、洋上技術者のリスクを削減して安全性を高め、二酸化炭素排出量を大幅に削減し、波の高い海況でも安全に稼働できるため、作業の幅を広げることができます」


稼働時のHUGIN USVのビデオはこちら。

https://www.skyfish.com/sh/c8982f61ca8e8ec63d912c4b7b239c323a61c80a/3edf055d/2286171/60387205


USVコンセプトのもう1つのメリットは、洋上測定活動を実施するコストが大幅に削減される一方、USVを内部で所有し運用することでオーステッドに高い柔軟性がもたらされる点です。プロトタイプ船舶のHugin USVは、デンマークとノルウェーの海域でテストされ、北海で波が最大9mに達するハリケーンの条件下で運用されました。Hugin USVは、国際的に正式認可されたノルウェー船級協会「Det Norske Veritas」(DNV)により浮体式LiDARシステムとして認証されており、風力発電所の開発に関連する商業運用で使用できます。


「自律船舶は、オーステッドのイノベーション方法論の良い実例です。最初に、業界内の大きな流れを調べます。業界では、高品質な風速測定値と環境データを可能な限り最速で取得することが課題です。その後、デモ、テスト市場導入、商業規模の製品の市場投入という3段階の方策を適用します。つまり、小さく始めてコンセプトを実証してから、強力なパートナーシップによる連携、財政的支援、マクロ経済の潮流への逆行を通じて、広範な社内プロジェクト管理の経験と体系的な問題解決の考え方に基づき、粘り強く取り組んでいます」と、オーステッドのイノベーション部門長、Jacob Edmonds氏は述べています。


結果は良好で、オーステッドは新しいクラスのUSVの連続生産を開始しています。この新USVでは、プロトタイプから学んだ知識が組み込まれ、将来の浮体式風力発電所向けの深海での運用を含め、運用能力がさらに拡大されています。新USVは、Tuco Marine Groupによってデンマークで建設され、制御システムはMaritime Roboticsによって提供されています。2023年の末までに5艘の新しいUSVを製造予定です。 

【画像内文言】

技術仕様

全般

長さ x 幅 x 高さ  900cm x 227cm x 400cm

喫水                      0.8m

乾燥重量               6.8T(燃料満載時)

船体材料               GRP建材

推進力                  Twin Mercury 130 h.p


詳細については、下記までお問い合わせください。

 

オーステッド・ジャパン manin@orsted.com

 

 

オーステッドについて

オーステッドのビジョンは完全にグリーンエネルギーで動く世界です。弊社は、洋上および陸上の風力発電所、太陽光発電所、エネルギー貯蔵施設、再生可能水素・グリーン燃料施設、バイオエネルギープラントの開発、建設、運営を行っています。オーステッドは、気候変動対策の世界的リーダーとして「CDP気候変動Aリスト」に登録されており、エネルギー企業として初めて「SBT(Science Based Targets)イニシアチブ」により、認定されたネットゼロ排出目標を持つ企業でもあります。デンマークに本社を置くオーステッドは約8,000名の社員を雇用しています。オーステッドは、ナスダック・コペンハーゲン(オーステッド)に株式上場しています。2022年のグループの売上高は1,323億デンマーククローネ(178億ユーロ)でした。詳しい情報はウェブサイト、orsted.comをご覧になるか、フェイスブック、リンクトイン、インスタグラム、ツイッターでフォローしてください。

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会社概要

URL
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業種
電気・ガス業
本社所在地
東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井タワー12階
電話番号
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代表者名
甘艸浩平
上場
未上場
資本金
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設立
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