トルクフリーパターのL.A.B. Golfジャパンの運営会社がスイスの新進気鋭シャフトメーカーTPTシャフトの輸入業務開始
インパクトの打点が安定し、飛距離が伸びる
L.A.B. Golf(ラブ・ゴルフ)ジャパンを運営する株式会社アジルパートナーズ(本社:東京都中央区、代表:山崎将志)は、2025年5月からスイスのTPT Golf(ティーピーティー・ゴルフ)社の日本総代理店としてTPT Golf ジャパンの運営も手がけることになりました。

TPTはThin Ply Technology(薄層技術)の略
TPT Golf社はゴルフシャフトをより効率的に製造するため2016年にスイスで設立されました。そのテクノロジーは当初、ゴルフシャフトのために開発されたわけではありませんでした。世界最高峰のヨットレースであるアメリカズカップで勝利することを目的に、剛性の高いカーボンセールを製造するため、2004年に親会社のNTPT社が設立されました。
このカーボンセールがとても軽くて耐久性も優れていたため、ハイレベルな素材を求める他の産業でも使用されるようになりました。具体的にはスキーやスノーボードの板、人工衛星や太陽光エネルギーを動力とする飛行機、F1マクラーレンチームの軽量ボディシェル、高級腕時計ブランド「リシャール・ミル」のケースに使用されてきました。
これらの産業でNTPT社のカーボンファイバー素材が使用されるようになったのは、軽量であること、薄いこと、均一であること、耐久性が優れていることです。NTPTはNorth Thin Ply Technologyの略。Northは北、Thinは薄い、Plyは層、Technologyは技術です。スイスのローザンヌ近郊を拠点にするNTPT社が薄層カーボンファイバー素材の開発に成功し、唯一無二の製品と世界中から注目を集めました。
この薄層カーボンファイバー素材でゴルフシャフトを製造するためにTPT Golf社は設立されました。既存のゴルフシャフトの違いは大きく分けて3点あります。
まず、市場に流通するほぼ全てのゴルフシャフトはロール・ラッピング製法で作られています。ロール・ラッピング製法とは、様々な形にカットされた10~20枚ほどのカーボンシートを手作業で訓練を受けた職人が芯棒(筒状のものを成形するための金属の棒)に巻き付ける方法です。設計された順番、向き、角度でカーボンシートを芯棒に巻いていきます。しかしながら、人間が手作業で巻く以上、全ての製品を完全に同じにすることはできません。これが1点目の違いです。

仮に熟練工が全ての製品を同じように巻くことができたとしても、ロール・ラッピング製法のシャフトには意図しないトルク(ねじれ)が発生します。ねじれの原因は2つあります。
1つ目はシャフトの中心軸に対してカーボン繊維の向きがずれることです。ゴルフシャフトは手元が太く、先端が細く作られています。これに平面であるカーボンシートを巻こうとすると、中心軸に対して先端に巻いた部分が必ず斜めになります。シャフトの垂直向きとカーボン繊維の向きがずれてしまうことを「軸ずれ」といいます。ロール・ラッピング製法では通常で6度、最小でも3度の軸ずれを避けることができません。

また、軸ずれを最小限に抑えるため、シャフトの性能の違いを作るために様々な形にカットされたカーボンシートを貼り重ねていきますが、この作業によってシャフト内に無数の「スパイン」が作られます。「スパイン」とは一般的に背骨のことを指しますが、ゴルフシャフトの世界では「隆起」あるいは「段差」という意味で使われています。これが2つ目のねじれの原因になります。

手作業であることに加え、「軸ずれ」と「スパイン」はシャフトに意図しない挙動を与えます。トッププロが同じスペックのシャフトを何本か打ち比べ、最もフィットするシャフトを選んで使うことはよく知られています。表示上は同じスペックでも、トッププロはシャフトの個体差がはっきり分かるのです。
薄層技術によって既存のゴルフシャフトの問題点を全て解決した
したがってTPT Golf社は、ロール・ラッピング製法ではない方法でこれらの問題を解決することを目指しました。そしてワン・ストップ製法という独自の方法を編み出しました。
ワン・ストップ製法は、カーボンシートの製造からシャフトの成形に至るまで、すべてが機械によって自動化されています。そして全てのカーボン繊維の向きがシャフトの中心軸に対して同じになるように緻密な設計が施されています。さらにカーボンシートをワン・ストップ(スタートとストップが1回のみ)で芯棒に巻き付けるので「スパイン」がありません。この3つの技術革新によって製品公差が極めて小さく、想定外のねじれがほとんど発生しないカーボンシャフトを量産することに成功しました。


ワン・ストップ製法で作ったシャフトは、ゴルファーに大きな2つのメリットをもたらします。1つ目は、意図しない挙動が発生しないので、インパクトの打点が安定します。打点が安定すれば、自信を持って振ることができますから、ヘッドスピードが上がります。その結果、平均飛距離が伸びます。

2つ目はシャフトのしなりが使えるため、飛距離がさらに伸びます。既存のシャフトを選ぶ際、ヘッドスピードが速いゴルファーは硬いシャフトを好んでいました。その理由は軟らかいシャフトだとヘッドが正しい位置に戻ってこないので、打点が安定しないからです。なぜヘッドが正しい位置に戻ってこないかというと、意図しない挙動のためです。しかしTPTシャフトにはそれがありません。ヘッドスピードが速いゴルファーが軟らかいシャフトを使っても、ヘッドが正しい位置に戻ってきます。実際、2022年の世界ドラコン大会マスターズ部門で優勝したエディ・フェルナンデス選手はTPTシャフトのラインナップで最も軟らかいレディース用シャフトを使って411ヤード飛ばしました。

TPTシャフトは、ヘッドスピードが速い人は硬いシャフトが適しているという従来の認識を180度覆しました。そして先調子、中調子、手元調子というロール・ラッピング製法の副産物のような性能の違いもありません。重くて硬いか、軽くて軟らかいか、弾道が高いか低いかの違いだけです。
2025年6月時点での商品展開はドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド(ユーティリティ)のシャフトのみになります。今後はアイアン、ウェッジ、パターのシャフトも展開していく予定です。
■ドライバーシャフト(パワーモデル)
https://tptgolf.jp/products/power-range
弾道:Hi(ハイ=高い)、Lo(ロー=低い)
フレックス:14、15、16、17、18、19、20、21(数字が小さいほど重くて硬く、数字が大きいほど軽くて軟らかい。14が最もハードスペック)
重量:Hi=45グラム(21)~76グラム(14)、Lo=58グラム~85グラム(14)
価格:77,000円(税込)
■ドライバーシャフト(ニトロモデル)
軽いのにトルク(ねじれ)が少ない「軽硬」シャフト
https://tptgolf.jp/products/nitro-range
弾道:Hi(ハイ=高い)、Lo(ロー=低い)
フレックス:14、15、16、17、18、19、20、21
重量:Hi=40グラム(21)~70グラム(14)、Lo=55グラム(18)~79グラム(14)
価格:121,000円(税込)
■フェアウェイウッドシャフト
https://tptgolf.jp/products/fairway-wood-shaft
弾道:Hi(ハイ=高い)、Lo(ロー=低い)
フレックス:14、15、16、17、18、19、20、21
重量:Hi=56グラム(21)~90グラム(14)、Lo=67グラム(19)~93グラム(14)
価格:66,000円(税込)
■ハイブリッドシャフト
https://tptgolf.jp/products/hybrid-shaft
弾道:Hi(ハイ=高い)、Lo(ロー=低い)
フレックス:14、15、16、17、18、19、20、21
重量:Hi=68.5グラム(21)~102グラム(14)、Lo=78グラム(19)~102グラム(14)
価格:55,000円(税込)
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