年間約1.6万件の産声のない出産。小さな命を「紙箱」や「ペット用」に納めるしかなかった現実に、赤ちゃんのお棺という選択肢『天使のお棺』を提供開始
流産・死産・新生児死などで赤ちゃんを亡くしたママとパパが、取り残されない社会へ。悲しみは乗り越えなくてもいい。お空の子どもたちとつながれる場所を、もっと多くの家族へ。

日本では年間約1.6万人の赤ちゃんが、産声を上げることなく生まれてきます。しかし、その家族を支えるグリーフケアの仕組みは、社会でまだほとんど整っていません。
soramusubiを運営する夫妻も、2020年に死産を経験しました。わが子を亡くしたとき、安らぎを与えてくれるものも、必要な情報も、頼れる場所も、なかなか見つかりませんでした。
「一番つらい時に、妥協して選ぶしかなかった」
お別れの時間が刻々と迫る中、娘が安心してお休みできるお棺を探しましたが、当時見つかるのは、白い紙箱や桐箱がほとんどでした。
当事者だからこそ分かる「本当に必要なもの」を、同じような経験をしたご家族のそばに届けたい。
その想いが、soramusubiのはじまりです。
そしてこの度、当時の私たちの切実な願いと、これまでに多くのママやパパから寄せられた「赤ちゃんにぴったりなサイズや、可愛いお棺が欲しかった」というお声から生まれた、赤ちゃんのための特別なお棺『天使のお棺』の提供を開始いたしました。
▼取り組みの背景:産科にある「光と影」
日本では年間約1.6万件の死産が起こっていますが、当事者家族を支えるインフラは社会にほとんど整っていません。
私たちは、"すべての命にお洋服を"という想いを胸に、
亡くなった赤ちゃんへ手作りの産着(お洋服)を寄付する活動を地道に続けています。
その中で多くの当事者のママ・パパから「赤ちゃんのためのお棺がない」という切実なご相談をいただくようになりました。(手作りの産着の詳細は後述にて記載)
お見送りの背景や状況はご家族ごとに異なりますが、これまでにこうしたお声が寄せられています。
・「葬儀屋さんが病院へ持ってきてくれたのは、医療用の紙箱(キムワイプ等)に白い紙を貼っただけの簡易的な箱だった」
・「ネットで可愛いお棺を注文したが火葬までに間に合わず、結局病院で用意された仮の箱のまま送り出すことになってしまった」
・「妊娠後期の赤ちゃんが入るサイズのお棺が見つからず、出来合いの紙箱に納める形になり、本当に心苦しかった」
心も体も疲弊しきっている中で、わが子を簡易的な箱に納めなければならない現実。
そして、限られた時間のなかで、ママとパパがスマートフォンを握りしめ、お棺やお洋服を必死に探し回らなければならない現状があります。
また、医療現場におけるグリーフケアの理解度にはまだまだ差があるのも事実です。 ママやパパの悲しみに対する配慮や、亡くなった赤ちゃんへの対応が十分でなかった場合、ご家族は本来の悲しみに加えて、さらに深く心をえぐられてしまいます。

▼見えてきた、ママとパパの心の中にある葛藤と社会の課題
こうした産科の現状や当事者の声、そして私たち自身の経験から、赤ちゃんのお見送りを取り巻く環境には、次のような課題があるのではないかと考えるようになりました。
1. 「赤ちゃんらしい、可愛らしいお棺」という選択肢の不足
病院で一時的な箱を用意してもらえることもありますが、どうしても無機質なものが中心になりがちです。「わが子に似合う、赤ちゃんらしい可愛らしいものを用意してあげたい」というママやパパの潜在的な願いに応える選択肢が、社会に不足しています。
2. ペット用や簡易的な紙箱を使うことへの罪悪感と抵抗感
思い描いていた未来とはあまりにも違う、小さな赤ちゃんとの予期せぬお別れ。
わが子には大きすぎるものや、一般的なデザインのお棺に納めることへの抵抗感。そしてサイズの都合から「わが子はペットではないのに」と思いながらもペット用のお棺を選んだり、医療用の簡易箱に納められることで「大切なわが子が、まるで『モノ』のように扱われている気がして辛い」と、深く心を痛める現実があります。
わが子にふさわしい選択肢がないことへの罪悪感や歯がゆい思いが、ご家族の心の奥底に存在しています。
3. 「わが子に合うもの」を必死に探さなければならない焦り
病院の箱のままでは送り出したくないと願うママとパパが、限られた時間のなかで、スマートフォンを握りしめて必死に代わりのお棺を探し回らなければならない現状があります。本来であれば、少しでも長くわが子のそばにいて、静かに語りかけるために使いたかったはずの「かけがえのない時間」が、検索と焦りに奪われてしまいます。
4. お別れ後、赤ちゃんとのつながりの喪失
社会におけるグリーフケア(悲嘆のケア)の仕組みが未整備ななか、火葬を終えたあとのご家族は、わが子とのつながりを見失い、深い孤独を抱えやすくなります。
ご家族ごとに抱える想いやお別れの状況は決して同じではありませんが、ただでさえ周囲の言葉や環境に傷つきやすく、余裕のない状況のなかでお見送りの準備を進めなければならないママとパパ。
だからこそ、せめて「わが子のために、私たちが一番可愛いものを選んであげられた」と心から納得できる選択肢が、すぐそばに用意されている社会であってほしいと願っています。
▼わが子への想いを形にする『天使のお棺』が届ける寄り添いの形
前述した葛藤を少しでも和らげ、ご家族が「わが子にぴったりなお棺を用意してあげられた」と少しでも心穏やかにお見送りができるよう、赤ちゃんのためのお棺として、これらを一つひとつ丁寧に形にしました。
・赤ちゃんのためだけに作られた、可愛らしいデザイン
・ペット用ではなく、大切なわが子として選べる「3つのサイズ」
・お別れ後もずっと心を結ぶ、お揃いの「叶(かのう)結び」リボン
・探す焦りをなくすための、一式セットと迅速な手配



▼これまでの活動 — 小さな産着が紡いだ希望
soramusubiは、お空へ旅立った赤ちゃんへのメモリアル品を手作りするとともに、お別れのときに着せてあげられる「小さな産着」を、必要としているご家族や医療機関へ寄付しています。 今回提供を開始した『天使のお棺』をお求めのご家族で、お洋服の準備が間に合わなかった方へも、LINEでお申し付けいただければお棺と一緒に産着を無償でお届けしております。
■ 産着の寄付活動 概要
【活動名】天使のお洋服の寄付活動
【内容】
(1) 流産・死産で亡くなった赤ちゃんに、手作りのお洋服を寄付
(2) 年間寄付実績:900着に到達
(3) 寄付先:全国の医療機関32施設と当事者家族
(4) 市販品では対応できない小さな赤ちゃん専用サイズのお洋服を提供し、赤ちゃんにガーゼをかけてあげるなどの従来の対応から、可愛らしいお洋服を着せてあげられる環境を創出
(5) soramusubiの活動に共感してくださった方々が集まり、ボランティアとして天使のお洋服を一つひとつ大切に制作しています(10名ほどで製作)

■代表からのコメント soramusubi 田中 梓
お見送りの背景やご家族が抱える想いは一人ひとり違っていて、誰かと同じ言葉では語りきれないものだと思います。
ただ、一番つらく余裕のない時に
「わが子に一番いいものを選んであげられた」
と心から納得できることが、その後のママとパパの心の支えになると信じています。
これまでは、簡易的な紙箱や桐箱、ペット用のお棺などが中心でした。
『天使のお棺』は、「赤ちゃんのためのお棺」という選択肢がご家族のすぐそばに当たり前にあるようにと願い、生まれました。
お別れまでの限られた時間は、必死にお棺を探し回るためではなく、わが子と静かに向き合い、愛情を伝える時間になりますように。そんな想いを込めてお届けしています。
わが子との別れは、「乗り越えなくてもいい。お空の子どもたちと一緒に、ゆっくり前へ歩んでいくもの。」そう感じられる社会にしていくことが、私たちの願いです。

▼soramusubiについて
設立:
2021年6月
事業内容:
①流産・死産・新生児死など、小さくして亡くなった赤ちゃんに贈るメモリアル品の製造販売
②小さくして亡くなった赤ちゃんの産着の寄付活動
代表:田中 梓
Instagram : https://www.instagram.com/soramusubi/

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