第7回高校生科学教育大賞 最優秀校は山形県立置賜農業高等学校
バイテク情報普及会より、活動費用として100万円を支援
バイテク情報普及会は、持続可能な農業の実現や食料の安定供給への貢献を念頭に、バイオテクノロジーの重要性をご理解いただくため、様々な活動を行っております。その一環として、これからを担う高校生の皆様に「植物バイオテクノロジー」と「持続可能な農業」についてより深く学び考えるきっかけとしてもらうことを目的とした「高校生科学教育大賞」を2017年に創設しました。支援対象となる科学教育活動を公募し、採択校にはその活動費用として1校につき最大100万円の支援を行っています。
第7回となる本年は、全国各地の高等学校やチームから合計11件の応募を頂きました。小野 道之氏(筑波大学 生命環境系 准教授)、小泉 望氏(大阪公立大学大学院 農学研究科 教授)、小島 正美氏(食生活ジャーナリストの会・前代表)、高島 賢氏(農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課 審査官)の外部委員及びバイテク情報普及会 会員企業から成る選考委員会において、各校より提出された申請書類に基づき厳正な審査を重ねた結果、下記の高等学校を授賞校に選定し表彰するとともに、その活動を支援することを決定いたしました。
最優秀賞には、山形県立置賜農業高等学校(山形県東置賜郡川西町)の「遺伝子組換えによる持続可能なウイルス、ウイロイドフリーおよび青色ダリア作出の研究」が選ばれ、バイテク情報普及会より活動支援金として100万円が給付されます。バイオテクノロジー技術の活用を通じて、ウイルス病に強く、観賞価値の高い青色のダリアの優良品種を作出するというこの研究は、農家の力になり地域の振興につなげるという目的が明確です。そのうえ、農業を学ぶ高校生たちが大学や試験研究機関から専門的な指導を受けながら主体的に取り組み学ぼうとする点や、研究発表や遺伝子組換え技術の社会的受容を推進する情報発信においても複数の手段を考えているなど、高校生の科学教育として充実している点が高く評価されました。
また、特別優秀賞に兵庫県立農業高等学校(兵庫県加古川市)の「持続可能な農業生産をめざした土壌診断技術の開発とDNAマーカーの育種利用」、優秀賞に高校の枠をこえた全国の中高生有志により結成されたチーム「CrimsonNinjas_jp」のプロジェクト「抗うつ成分を合成する大腸菌の作製」が選ばれました。特別優秀賞の兵庫県立農業高等学校には30万円、優秀賞のチーム「CrimsonNinjas_jp」には10万円の活動資金が給付されます。
バイテク情報普及会 第7回(2023年)高校生科学教育大賞 授賞一覧
最優秀賞 (申請金額の全額となる100万円を支援)
山形県立置賜農業高等学校(山形県東置賜郡川西町) 遺伝子組換えによる持続可能なウイルス、ウイロイドフリーおよび青色ダリア作出の研究 |
選考理由:バイテク技術の活用を通じて、地域の振興につながるダリアの優良品種を作出するという目的が明確ですばらしい。ウイルス抵抗性及び花色を変える遺伝子組換えの実施は高校生でも実施し得る内容で、YouTube、実験教室、バイオサミット等、情報発信についての手段も具体的でアウトリーチ活動においても大変優れており、科学教育として充実している点が高く評価された。 |
特別優秀賞(申請金額の一部となる30万円を支援)
兵庫県立農業高等学校 (兵庫県加古川市) 持続可能な農業生産をめざした土壌診断技術の開発とDNAマーカーの育種利用 |
山田錦という酒造好適米の最高の品種をバイテク技術や戻し交配などを通じてさらに改良し、地域の伝統産業を継承していくという発想がすばらしい。また、土壌診断技術の開発との組み合わせはSDGsにも関連付けられる。他の研究機関との連携や複数の成果発表など具体的な目標と計画性があり、その実現性が評価できる。 |
優秀賞(申請金額の一部となる10万円を支援)
CrimsonNinjas_jp (学校の枠を超えた全国の中高生有志によるチーム) 抗うつ成分を合成する大腸菌の作製 |
全国の中高校生有志23名により構成される学校横断的チームのプロジェクト。世界的な課題の疾病に対し、植物由来の成分に注目した合成生物学的アプローチでかなり高度な内容であるが、生徒たちの学び方や活動は新規性に優れている。アウトリーチ活動では、小学生から高校生を対象とした簡単な実験(PCR法や電気泳動)やワークショップが計画されており、学びが深くなることが想定される。 |
審査員特別賞 (図書カード1万円分を進呈) ※順不同
京都府立桂高等学校 懸崖菊優良品種の茎頂培養による保全と重イオンビーム による新品種の育成 |
愛媛県立西条農業高等学校 新しい農業のカタチ!サトイモCNFが地球にやさしく地域を笑顔に! |
広島県立西条農業高等学校 イシクラゲの効率的な培養方法の解明と食料及び食品の補助成分としての活用方法の研究 |
岡山学芸館高等学校 全てのアマモ実生を青葉に -もやし化させずに本場展開させるプロトコル開発 |
詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。
https://cbijapan.com/education/
▼バイテク情報普及会について
バイテク情報普及会(英名:Council for Biotechnology Information Japan、CBI Japan)は、植物科学やバイテク作物の開発企業で構成する国際組織「クロップライフ・インターナショナル(本部:ブリュッセル)」傘下の任意団体で、2001年10月1日に設立されました。本会は、「クロップライフ・インターナショナル」のビジョンである持続可能な農業の実現や食料の安定供給への貢献を念頭に、サイエンスベースで透明性ある許認可システムの構築を支援するための活動や幅広いステークホルダーの皆様にバイオテクノロジーの重要性をご理解いただくための広報活動を行っています。
会員企業(50音順):シンジェンタジャパン株式会社、コルテバ・アグリサイエンス日本株式会社、
コルテバ・ジャパン株式会社、バイエル クロップサイエンス株式会社、BASFジャパン株式会社
▼このリリースに関するお問い合わせ先
バイテク情報普及会 事務局
メール:secretariat@cbijapan.com
電話:03-6868-8491
https://cbijapan.com/
すべての画像