【調査レポート】日本語教師の国家資格「登録日本語教員」知名度わずか14％

日本語教師に関する認知度調査を実施

合同会社キャリアバディ

2025年12月5日 06時50分

合同会社キャリアバディ（所在地：東京都新宿区・代表：橋本和也）は、日本国内の200名に対して、「日本語教師に関する認知度調査アンケート」を実施しました。

【日本語教師に関する認知度調査アンケート実施の背景】

2024年4月、日本語教師を対象とした国家資格「登録日本語教員」が誕生し、日本語教育の質の向上とともに、社会的認知の広がりが期待されています。

一方で、制度開始から間もないこともあり、資格制度の内容や取得の必要性について、一般に十分浸透しているとは言い難い状況です。

そこで、キャリアバディマガジン（運営者：合同会社キャリアバディ）では、日本語教師に対する世間一般の認識を把握するため、アンケート調査を実施しました。

【調査概要】

調査期間：2025年12月3日〜12月4日

調査方法：インターネット調査（クラウドワークスで実施）

調査対象者：国内在住者

調査人数：200人

（20代：8.0%・30代：35.5%・40代：38.5%・50代：13.5%・60代以上：4.5%）

調査主体：キャリアバディマガジン（運営会社：合同会社キャリアバディ）

日本語教師の存在は「知っている」が77.5%

「日本語教師の存在を知っていますか？」への回答結果

よく知っている：9.0%
なんとなく知っている：68.5%
ほとんど知らない：19.0%
全く知らない：3.5%

回答者の77.5%が「よく知っている」「なんとなく知っている」と回答していることから、職業としての認知度は比較的高いことが分かります。

国家資格である「登録日本語教員」を知っている人はわずか14%

「日本語教師の国家資格『登録日本語教員』を知っていますか?」への回答結果

よく知っている：0.5%
なんとなく知っている：13.5%
ほとんど知らない：32.0%
全く知らない：54.0%

日本語教師自体の認知度が77.5%と高かったのに対し、国家資格について「よく知っている」「なんとなく知っている」と答えた人は合計14%にとどまる結果となりました。

制度創設から間もないとはいえ、日本語教育を担う人材を確保していくためには、国家資格制度の周知を進めることが今後の重要な課題といえます。

参考記事：日本語教師の国家資格「登録日本語教員」の取得ルートや難易度を解説

日本語教師の仕事内容の理解度は低く「ほとんど知らない」「全く知らない」が54％

「日本語教師の仕事をどの程度知っていますか?」への回答結果

よく知っている：2.5%
なんとなく知っている：43.5%
ほとんど知らない：44.0%
全く知らない：10.0%

仕事内容については「ほとんど知らない」と回答した人が44%、「全く知らない」が10.0%と大半を占める結果となりました。

「教員免許が必要」という誤解をしている人が多数

「日本語教師として働くために教員免許は必要だと思いますか?」への回答結果

必要だとおもう：47.5%
不要だと思う：35.5%
分からない：17.0%

認定日本語教育機関で教員として働くためには「登録日本語教員」の資格は求められるものの、教員免許は必要ありません。

登録日本語教員養成機関（通称：日本語教師養成講座）を修了することで、未経験の人でも国家試験に挑戦することができます。

ですが、アンケート調査の結果では約半数の47.5%が「教員免許が必要」と認識しており、日本語教師という職業に対して、資格要件に関する誤解が広く存在している実態が明らかになりました。

キャリアバディマガジン編集部コメント

今回の調査から、日本語教師という職種そのものは多くの人に認知されている一方で、国家資格制度や仕事内容、必要な資格に関する理解が十分に進んでいない現状が明らかになりました。特に「教員免許が必要」という誤解や、国家資格「登録日本語教員」がほとんど知られていない状況は、今後の人材確保や教育の質向上を進めていく上で重要課題といえます。

日本語教育の需要は、在留外国人の増加や国際交流の拡大とともに今後さらに高まることが予想されます。制度の普及が遅れれば、教育現場における人材不足を招き、ひいては日本語教育の質にも影響を及ぼす可能性があります。

そのため、行政・教育機関・民間事業者が連携し、制度の周知や正確な情報提供を進めていくことが不可欠です。

当メディアとしても、引き続き日本語教師、および日本語教育業界の最新情報を発信し、教育現場と学習者双方にとって適切な情報が届くよう、情報提供に努めてまいります。