トムトム、7200億kmの走行データから世界の交通状況を分析したトムトム・トラフィック・インデックス2024年度版を発表

世界62カ国500都市を対象とした交通状況の分析結果を発表。平均速度の遅さランキングでは京都市が世界6位に、渋滞レベルランキングでは熊本市が4位にそれぞれランクイン

TomTom NV

  • トムトムの交通情報サービス「トムトム・トラフィック*」のビッグデータを基に、世界の主要都市における交通状況を分析し、その結果を「トムトム・トラフィック・インデックス」として毎年公開しています。

  • 最新版のトムトム・トラフィック・インデックスでは、2024年に収集したスマートフォンやフローティングカーデータなどの位置情報をもとに、62カ国500都市の交通状況を分析しました。

  • 日本の主要都市においては、平均速度の遅さランキングで京都市が第6位に、渋滞レベルのランキングで熊本市が第4位にそれぞれランクインしています。

  • 詳細なレポートはこちらからアクセスできます https://www.tomtom.com/traffic-index/

*スマートフォンやフローティングカーデータなどの位置情報分析にもとづく交通情報サービス。日本を含む世界84カ国を対象に提供中

位置情報テクノロジーの専門企業であるTomTom(本社:オランダ・アムステルダム、以下トムトム)は本日、世界の交通トレンドを網羅的に分析した「トムトム・トラフィック・インデックス」第14版を発表しました。この年次レポートは、世界の交通状況についてユニークな視点を提供します。

この最新版レポートでは6大陸62カ国500都市を取り上げており、これまでに最も充実した包括的な分析内容となっています。トムトム・トラフィック・インデックスは、都市ごとに平均移動時間や渋滞レベルを統一された指標でランク付けし、都市計画や政策立案の担当者が交通に関する課題を解決し、より良い未来に向けた意思決定に役立つ情報を提供します。

2024年のグローバルトレンド

2024年、対象500都市のうち379都市(76%)で平均速度が前年と比べて低下しました。しかし、交通がスムーズに流れる最適な条件下の平均速度は安定しており、ほとんどの都市で若干の改善が見られました。この観察結果は、平均速度の低下が主に渋滞レベルに影響を与える動的要因によるものであり、道路インフラの変化が原因ではないことを示唆しています。

都市間での移動時間(または平均速度)の違いは、交通の流れや全体的な運転条件に大きく影響を与える静的要因と動的要因の組み合わせに起因します。

静的要因とは、移動時間に影響を与える都市のインフラや都市計画に起因する固定的な要素です。高速道路、幹線道路、住宅街の道路を含む道路網の設計は交通の流れに影響を与えます。狭い道路や一方通行、複雑な交差点などは移動速度を遅らせる一方、幅広の複数車線の道路は円滑な通行を可能にします。安全性を考慮して設定される制限速度や停車頻度が多い密集地域、歩行者専用ゾーンの存在も運転速度に影響を与えます。また、信号機の同期やラウンドアバウト(環状交差点)、停止標識なども走行効率を左右する静的要因のひとつです。

静的要因を補完するのが動的要因です。これは交通の流れに影響を及ぼす、日々変化する条件です。ピーク時の交通渋滞や季節的な交通量の増加は道路上の車両密度を高め、交通の遅延を引き起こします。さらに交通事故、建設工事、道路閉鎖といった予期せぬ障害物はボトルネックを生み、通常の交通パターンを乱し、迂回を余儀なくされることがあります。また、雨、雪、霧などの気象条件は視界の悪化やタイヤのグリップ力低下をもたらし、ドライバーは慎重な運転が要求されるため気象条件が悪化した日は大きな渋滞が発生することがよくあります。

2024年 平均速度の遅い都市ランキング

2024年、コロンビアのバランキージャが最も交通平均速度が低い都市でした。年間の平均速度は16.6 km/hであり、これは10kmの移動に平均36分を要したことを意味します。平均速度の遅い都市トップ5のうち3つはインドの都市が占めています。ヨーロッパの都市ではロンドンが最も上位の5位にランクインし、平均速度は18.0km/hでした。しかし、ロンドンは動的要因のみに基づく渋滞ランキングでは150位にとどまっています。ロンドンに続いて京都が平均18.04km/hで6位となっていますが、渋滞ランキングでは60位となっています。

2024年 渋滞レベルランキング

渋滞レベルは、平均速度を低下させる動的要因のみを考慮した指標です。メキシコシティは、理想的な交通条件と比較して、交通渋滞が移動時間の悪化に最も大きな影響を与える都市です。これは年間を通じてメキシコシティの道路網全体で収集されたすべてのルートでの移動時間が、交通の流れが円滑な時と比べて52%も長いことを意味します。日本の都市では、熊本市が渋滞レベル49%で4位となっています。

2024年 渋滞による損失時間ランキング

ペルーのリマとアイルランドのダブリンのドライバーは、通勤時間帯の渋滞によって年平均155時間(平日の朝夕に標準的な10kmの移動を行った場合)を失っています。これは年間にするとほぼ1週間の時間に相当します。日本の都市では、熊本市が年平均149時間の損失で5位にランクインしています。

都市の動きを読み解くトラフィックデータ

都市部が拡大し続ける中、交通渋滞は緊急に対処すべき課題となっています。トムトムのトラフィック部門バイスプレジデントであるラルフピーター・シェイファー氏は次のように述べています。「人口と経済の成長の組み合わせにより、交通ネットワークに大きな負担がかかっています。老朽化したインフラと非効率な道路計画が、交通需要の増加に追いついていません。さらにeコマースの急成長により貨物輸送が増加し、状況はより複雑化しています。適切な規制強化と持続可能な交通手段への転換がなければ都市の渋滞はさらに悪化し、そこに住むすべての人々に影響を及す恐れがあります」

「都市のモビリティは、効率的な移動の可能性を決定する静的要因と、道路利用者が直面する変動や混乱を生み出す動的要因の相互作用によって成り立っています」とシェイファー氏は続けます。「当社のトラフィックデータを活用することで、都市計画担当者はこれらの要因を理解し、モビリティ、安全性、アクセス性のバランスが取れた都市を設計できます」

新しい年、新しい方法論

トムトム・トラフィック・インデックスは、トムトム・トラフィックのためにさまざまな情報源から収集したフローティングカーデータを活用しています。今回発表した第14版では、2024年に記録された7370億キロメートルに及ぶ走行データの代表的なサンプルを分析し、世界中の都市における交通パターンの変化を追跡、実証しています。

米国では、トムトムの広範なカバレッジにより交通量全体の推定が可能になっています。今年のトラフィック・インデックスでは、全米の都市別総走行距離の概要を提供しています。これにより、交通アナリストは移動需要を定量化し、渋滞による時間損失を計算することで都市部でのCO2排出量を評価できます。

最新版のトラフィック・インデックスでは、交通状況をより正確に反映し、都市間の標準化された比較を可能にするため、都市中心部と大都市圏を定義する方法を改訂しました。トムトムは都市内のすべての交通流を六角形のグリッドシステムでマッピングし、都市内の相互接続されたエリアを特定しています。都市中心部(シティセンター)は全移動の20%を占める最も密度の高い六角形の集合として定義しており、大都市圏(メトロポリタンエリア)は都市内の全移動の80%を占めるすべての六角形を含んでいます。詳細レポートでは、都市ごとに両方の分析結果を比較が可能です。

TomTomについて

トムトムは、何十億のデータポイント、何百万の情報ソース、何千ものコミュニティ、これらの膨大な情報を統合し、世界で最もスマートな地図を創りだす地図メーカーです。トムトムは、ドライバー、自動車メーカー、企業、開発者に位置情報とその関連テクノロジーを提供しています。アプリケーション対応の地図、ルーティング、リアルタイム交通情報、API、SDKを通じて、トムトムは夢を描き行動する人々が世界を前進させることを可能にします。

アムステルダムに本社を置き、世界中に3,700人の従業員を擁するトムトムは、30年以上にわたりモビリティの未来を切り拓いてきました。

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会社概要

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
De Ruijterkade 154, 1011 AC Amsterdam
電話番号
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代表者名
Harold Goddijn
上場
海外市場
資本金
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設立
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