宇宙に誇れるまちを目指して。鹿児島県肝付町に、多様な価値を生み出す地域商社が誕生

株式会社バンブック

2025年5月15日 12時00分

地域の持続的な成長と発展を支援する株式会社バンブック(東京都渋谷区)の「RELOCA(リロカ)」事業部は、鹿児島県肝付町にて、地域資源活用のシンクタンクとしてみんなが稼げる地域の創出を目指す、株式会社きもつき未来商社そらまち（以下、そらまち）の設立を支援しました。

鹿児島県肝付町（きもつきちょう）とは

肝付町は、本土最南端の半島である鹿児島県大隅半島の南東部に位置し、小惑星探査機「はやぶさ」(2003年)や、人工知能を搭載したイプシロンロケットが打ち上げられるJAXA 内之浦宇宙空間観測所を有しており、宇宙に一番近いまちとして知られています。

肝付町の中央部には900m 級の山々が連なっており、北側を高山地区、南側を内之浦地区という２つの町並みから形成されています。里山が広がる高山地区では畜産と畑作が盛んで、毎年10月に行われる流鏑馬行事は、全国でも珍しく14歳の少年が射手を務める、約900年も続く伝統的な行事です。

内之浦地区は漁業と観光が盛んで、約50㎞に及ぶ美しい海岸線とロケットの発射場があります。海岸沿いには、ウミガメが産卵に訪れるほどきれいな砂浜や、町外からも人気の高い釣りスポットなど多様な地域資源があります。肝付町は、まさに歴史と自然と未来が入り混じるポテンシャルを秘めた地域です。

地域商社発足に先駆けて策定した観光基本計画

近年、人口減少が進む日本の地方において、域外からの外貨を稼いで地域経済の活性化を行うことは喫緊の課題となっています。鹿児島県肝付町では、人口減少に伴い町内総生産の縮小や地域内産業の衰退など、さまざまな課題が浮き彫りとなっています。弊社ではこうした状況を改善するため、令和5年度から肝付町における地域商社設立の支援業務を行ってきました。まず初めに着手したのは地域に域外からの関係人口・交流人口を生み出すための基本戦略となる観光基本計画の策定です。

https://kimotsuki-town.jp/soshiki/rinsuisyou/shokokanko/1/5922.html

計画と実行を分離しない組織組成

肝付町の地域商社は地元の観光協会を母体として設立されました。RELOCAの支援では、計画と実行を分離しないことを使命としているため、観光基本計画で定めた目標を達成することも組織の重要な役割のひとつとしてアクションプランに定めました。

肝付町地域商社が目指す取り組み

肝付町が目指す地域商社とは、単なる商品開発や販路開拓の支援だけではなく、域内の課題を集積・抽出し、また、域外から「人材」「技術・知見・ノウハウ」「資金」を調達し、それらをつないで取り組みを広げていくことで、地域ブランド力を向上させるための支援組織です。

RELOCAでは、新組織組成に至るまでの庁内の意思決定における提言や、事業化の検討提案、設立後の運営を見据えた事業収支のシミュレーション、就業規則や評価制度などの各種規定の策定など、総合的な伴走支援を実施しました。

また、組織のMISSION/VISION/VALUEを設定し、新組織の名称開発支援や、メンバーのシンボルとなるロゴの策定支援などを通して、まちとしての新たな取り組みを社員が自分事化して取り組めるよう意識醸成を行いました。

地域活性の実証実験フィールドとして

肝付町は多様な地域資源と地域課題のどちらも抱えています。株式会社きもつき未来商社そらまちは、地場に根差し、地域の最前線で地域資源の活用と地域課題の解決に挑戦していきます。

地域の活性化にあたっては、地域内の連携及び広域での連携、そして域内外の企業との連携がカギになります。地域の最前線でスピード感をもって課題解決に取り組むそらまちの姿勢に共感し、観光資源の開発や地域事業者の支援施策などの実証実験フィールドとして共創によって地域活力を生み出すパートナーを増やしていきたいと考えています。

RELOCAでは令和7年度も引き続き伴走支援を継続していくため、そらまちの取り組みに興味のある事業者はぜひお声がけください。