外国人観光客の急な体調不良、54%の宿泊・接客業従事者が「対応に不安」。医療機関との連携不足が課題に。

株式会社メディ・エンジン

近年、訪日外国人観光客は過去最高水準を更新し続けており(※)、宿泊・観光・飲食といった現場ではインバウンドへの対応が日常になりつつあります。

※出典:日本政府環境局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)

その一方で、外国人観光客が滞在中に急に体調を崩した際、現場のスタッフがどこへどう案内すべきか分からず立ち往生してしまうケースは後を絶ちません。

外国人患者の受け入れに対応した医療機関と観光現場をつなぐサービス「Travelers Hospital(とらほす)」を運営する株式会社メディ・エンジン(本社:東京都港区 代表取締役:東 貴大)は、宿泊・接客業従事者299名を対象に「外国人観光客の急な体調不良対応」に関するアンケート調査を実施しました。

本調査では、6割超が外国人観光客の体調不良対応を経験している一方で、約65%が「外国人を案内できる医療機関を把握していない」と回答し、現場の経験と医療機関情報の整備状況に大きなギャップがあることが分かりました。

外国人観光客の体調不良対応に不安を感じている方や、現場の備えを見直したいと考えている事業者の方は、ぜひ自施設の課題を客観的に把握するヒントとして参考にしてみてください。

調査概要

本調査は、宿泊・接客業従事者299名を対象に、インターネットアンケート形式で実施しました。

回答者の業種はホテルが37.8%と最も多く、次いで飲食店が28.1%を占めています。

勤務エリアでは都市部(東京・大阪・京都など)が49.5%で最多となった一方、地方観光地も38.1%にのぼり、都市部から地方まで幅広い現場の声が集まりました。

また、外国人観光客への対応頻度については「ほぼ毎日対応している」「週に数回」を合わせると約6割が日常的に外国人観光客と接している層であり、現場感覚に基づいた回答が得られました。

6割超が外国人観光客の「体調不良・ケガ対応」を経験

外国人観光客の体調不良・ケガに対応した経験について調査したところ、6割超の宿泊・接客業従事者が経験していることが分かりました。

一方で、「ない」と回答したのは38.8%にとどまっており、宿泊・接客業の現場における外国人観光客の体調不良対応は、もはや一部の業種だけが直面する特殊な事案ではなく、業界全体で日常的に発生している共通課題であることがうかがえます。

インバウンド需要が過去最高水準を更新し続けるなか、現場のスタッフが体調不良対応の場面に立ち会う機会は、今後さらに増加していくと考えられます。

症状の最多は「発熱・風邪」、次いで「腹痛・食あたり」

体調不良対応の経験がある回答者(n=183)に対し、その際の症状について複数回答で調査したところ、「発熱・風邪症状」が56.8%で最多となりました。

2位は「腹痛・食あたり」、3位は「ケガ(転倒・打撲など)」、4位は「熱中症・脱水」と続いており、発熱や腹痛といった内科系の症状から、ケガや熱中症といった外傷・環境性の症状まで、現場が対応すべき症状は多岐にわたっていることが分かります。

特に「発熱・風邪症状」と「腹痛・食あたり」は、慣れない食事環境や長時間の移動による疲労の蓄積などが原因として考えられ、旅行中ならではの体調変化が現場で多く発生している実態がうかがえます。

実際のアンケートの自由回答には、以下のような声が寄せられています。

これらの声からも、外国人観光客の体調不良対応は業種や場面を問わず突発的に発生し、現場のスタッフが瞬時の判断と対応を迫られる状況であることが読み取れます。

そして、その対応の難しさの根底には、後述する「言葉の壁」と「医療機関情報の不足」という2つの課題が共通して存在していることが、本調査からも浮かび上がってきます。

外国人対応経験はあっても、半数以上が「対応に自信がない」と回答

外国人観光客の体調不良に対して適切に対応できる自信があるか、また実際に困った経験があるかを調査したところ、いずれの設問でも半数以上の宿泊・接客業従事者が不安・困難を感じていると回答する結果となりました。

前述の通り、6割超の従事者が外国人観光客の体調不良対応をすでに経験しているにもかかわらず、その半数以上が自信を持てていないという事実は、対応経験を重ねても自信が育まれにくい構造的な課題が現場に存在していることを示唆しています。

注目すべきは、「対応に自信がない」と回答した割合(54.2%)と、「困った経験がある」と回答した割合(54.2%)が完全に一致している点です。

この一致は、現場の従事者が抱える「自信のなさ」が漠然とした不安ではなく、過去に実際に困った経験を踏まえたうえでの切実な実感であることを示しています。

つまり、半数以上の従事者は「外国人観光客の体調不良対応で困った経験がある」からこそ、「次に同じ状況が起きたときに適切に対応できる自信が持てない」という心理状態に置かれていると推察されます。

これは裏を返せば、現場のスタッフが個人で努力を重ねても解消されにくい、構造的な対応環境の課題が存在していることを意味していると言えるでしょう。

外国人対応で困った内容TOP3

困った経験があると回答した方(n=162)に、具体的にどのような場面で困ったかを複数回答で調査したところ、「症状を正確に聞き取れなかった」が69.8%で最多となり、2位以下に大きな差をつける結果となりました。

2位は「外国語対応可能な病院が見つからなかった」、3位は「料金・保険の説明ができなかった」と続いており、「言葉の壁」「医療機関情報の壁」「制度の壁」という三層の壁が、現場の対応を困難にしている実態が浮かび上がっています。

1位「症状を正確に聞き取れなかった」

困った内容の1位となった「症状を正確に聞き取れなかった」は、69.8%の従事者が選択しており、経験者の約7割が「言葉の壁」に直面していることが分かりました。

体調不良対応では、症状の発生時期・痛みの程度・持病の有無・服用中の薬・アレルギー情報など、医療機関への引き継ぎに必要な情報を短時間で正確に把握する必要があります。

しかし、専門的な医療用語を含むやり取りは翻訳アプリでも誤訳が起こりやすく、日常会話レベルの英語ができても症状の細部までは聞き取れないというケースが多発している実態がうかがえます。

実際のアンケートの自由回答には、以下のような声が寄せられています。

これらの声に共通しているのは、「翻訳アプリだけでは医療レベルの会話を補いきれない」という現場のもどかしさと、英語以外の言語(中国語・韓国語・東南アジア圏の言語など)への対応がほぼ不可能であるという根本的な課題です。

インバウンドの多様化が進むなか、英語対応だけでは現場のニーズをカバーしきれない状況になっていることが読み取れます。

2位「外国語対応可能な病院が見つからなかった」

2位の「外国語対応可能な病院が見つからなかった」は41.9%が選択しており、経験者の約4割が「医療機関情報の壁」に直面していることが分かりました。

言葉の壁を現場で乗り越えても、次に立ちはだかるのが「外国語に対応できる病院をどこに案内すればいいのか分からない」という医療機関アクセスの壁です。

特に、夜間や休日、地方観光地など、外国語対応可能な医療機関の選択肢が限られる時間帯・エリアでは、受け入れ先を探すだけで多くの時間と労力がかかる実態がうかがえます。

自由回答でも、病院探しに苦労した具体的な声が数多く寄せられています。

これらの声からは、「ネット検索で『対応可』とされていても、実際に電話すると受け入れを断られる」「夜間や休日は受け入れ先がさらに限られる」といった、医療機関情報の信頼性と即応性に関する課題が浮かび上がってきます。

緊急時に頼れる医療機関情報があらかじめ整備されていないことで、現場のスタッフが一件ずつ電話で確認するという非効率な対応を強いられている実態が読み取れます。

3位「料金・保険の説明ができなかった」

3位の「料金・保険の説明ができなかった」は25.3%が選択しており、約4人に1人が「制度の壁」に直面している結果となりました。

外国人観光客は日本の公的医療保険に加入していないため、医療費は原則として自由診療となり、日本人の感覚とは大きく異なる高額な費用が発生するケースが少なくありません。

しかし、宿泊・接客業のスタッフが医療費の仕組みや海外旅行保険の適用範囲、立替払いの手順などを正確に説明することは難しく、「症状の聞き取り」と「医療機関の案内」をクリアしても、最後に立ちはだかるのが医療費に関する不安であるという三段階目の壁が存在しています。

自由回答にも、料金や保険にまつわる対応の難しさを物語る声が寄せられています。

これらの声からは、料金・保険の説明不足が「受診の断念」という最悪のケースにつながりかねないという深刻な実態が見えてきます。

本来であれば医療を受けるべき体調にあるにもかかわらず、費用への不安から受診を諦めてしまう外国人観光客がいるという事実は、訪日体験の質だけでなく、健康・安全の観点からも見過ごせない課題といえるでしょう。

これら3つの困った内容に共通しているのは、いずれも個人のスキルや努力だけでは解消が難しい点で、組織的・制度的な対応支援が求められています。

インバウンド需要が増加しつつも、6割以上が「外国人を案内できる医療機関を把握していない」と回答

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2025年の訪日外国人旅行者数は累計4,268万人と過去最高を更新し、初めて4,000万人を突破しました。

※出典:JNTO(日本政府観光局)「訪日外客数(2025年12月推計値)

宿泊・観光・飲食の現場では、外国人観光客への対応が日常化しているにもかかわらず、外国人観光客を案内できる医療機関(外国語対応など)を把握しているかを調査したところ、約65%が「把握していない」と回答する深刻な実態が明らかになりました。

「全く知らない」が37.5%で最多となり、計64.9%の従事者が外国人観光客を案内できる医療機関を実質的に把握していないという結果になっています。

一方で、「複数把握している」と回答したのはわずか13.0%にとどまり、「1つだけ把握している」(22.1%)を含めても、案内先の選択肢を持っている従事者は3割強にしか達していません。

前述の通り、6割超が外国人観光客の体調不良対応をすでに経験しているにもかかわらず、案内先となる医療機関の情報を持っていないという事実は、「対応経験はあるのに、いざというときの行き先が分からない」という、観光現場と医療機関の間に存在する深刻な情報の断絶を示しています。

インバウンド需要が拡大の一途をたどるなか、医療連携の備えは需要の伸びに追いついておらず、現場の対応はスタッフ個人の機転と善意に依存している状況だといえるでしょう。

探し方は「ネット検索」と「その場対応」が大半

外国人観光客向けに医療機関を案内する際、どのような方法で探しているかを複数回答で調査したところ、「インターネット検索」が53.2%で最多となりました。

注目すべきは、「ネット検索」と「その場対応」を合わせると約8割の従事者が事前準備のないまま緊急時を迎えているという実態です。

体系立てられた情報源として機能しうる「自治体の資料」や「社内マニュアル」を参照している従事者は、いずれも2割前後にとどまっています。

緊急時にゼロからインターネット検索を始めるという対応は、前セクションの自由回答で寄せられていた「ネットでは『対応可』と書かれていても、実際に電話すると断られた」「夜間で受け入れ先を探すのに何件も電話することになった」といった声につながる、非効率かつリスクの高い対応スタイルといえるでしょう。

本来であれば、外国人観光客の体調不良が発生する前に、地域の外国語対応医療機関を把握し、夜間・休日の連絡先まで含めた対応フローを整備しておくべきところ、現場ではその準備が間に合っていないことが浮き彫りになっています。

マニュアル整備済みはわずか1割以下と、制度的な備えの不足がある

勤務先に外国人観光客の体調不良対応に関するマニュアルがあるかを調査したところ、「ある(具体的な手順まで整備されている)」と回答したのはわずか8.7%にとどまりました。

「ない」と「分からない」を合わせると53.5%の現場でマニュアルが機能していない状態であり、具体的な手順まで整備されているのは10人に1人の現場にも満たないという、制度的な備えの圧倒的な不足が浮き彫りになっています。

「ある(簡易的なもの)」が37.8%と一定の割合を占めている点も看過できません。

簡易的なマニュアルでは、「症状の聞き取り方法」「外国語対応医療機関の選定基準」「夜間・休日の連絡フロー」「料金・保険の説明手順」といった実際の現場で必要となる細部の対応までは網羅されていない可能性が高く、結局は現場のスタッフが個別判断を迫られる状況に陥りやすいと考えられます。

現場が求める支援は「医療機関リスト」「24時間窓口」

外国人観光客の体調不良対応において、どのような支援があれば助かると思うかを複数回答で調査したところ、「外国語対応可能な医療機関のリスト」が61.5%で最多となりました。

続いて「24時間対応の相談窓口」「通訳サービス」「対応マニュアル」が挙がっており、支援ニーズの上位は、いずれも前セクションで明らかになった「備え不足」を直接補うものに集中していることが分かります。

特に、上位3項目(医療機関リスト・24時間窓口・通訳)がいずれも50%前後で並んでいる点は、現場が求めているのが個別ツールではなく、「迷ったときにすぐ繋がれる、医療と観光をつなぐ総合的な支援基盤」であることを示しているといえるでしょう。

「医療機関の予約代行」(22.7%)や「搬送・付き添いサポート」(22.4%)も2割超のニーズがあり、症状の聞き取りから受診後の対応までを一気通貫でサポートする仕組みが求められている実態も見えてきます。

一方で、「特に必要ない」と回答したのはわずか4.0%にとどまり、ほぼすべての従事者が何らかの外部支援を必要としていると明らかになりました。

外国人観光客の体調不良対応の不備は、施設の評判低下・スタッフの疲弊・そして最悪の場合は事故・重大トラブルにまで直結する経営課題であり、現場の支援ニーズに応える備えの整備は、もはや先送りにできない段階に来ているといえるでしょう。

外国人観光客対応の不安は"連携基盤"があれば解消できる!

今回の調査から、6割超の宿泊・接客業従事者が外国人観光客の体調不良対応を経験している一方で、約65%が外国語対応可能な医療機関を把握できておらず、半数以上が対応に自信を持てていないという実態が明らかになりました。

困った経験の上位には「症状を正確に聞き取れない」「外国語対応の病院が見つからない」「料金・保険の説明ができない」といった言葉・医療機関情報・制度の三層の壁が並び、緊急時に頼れる仕組みが整っていない現場の実態が浮かび上がっています。

これらの課題はいずれも、現場の善意と工夫だけでは、もはや乗り越えられない段階に来ていることを示しており、訪日外国人旅行者数が4,000万人を超え過去最高水準に達する今、宿泊・接客の現場と医療機関をつなぐ"連携基盤"の整備は急務といえるでしょう。

当社が運営する外国人診療サービス「Travelers Hospital(とらほす)」では、外国人患者さまの診察から、症状に応じた専門病院の手配、母国語に対応した医療機関への引き継ぎ、その後の経過フォローまでを一気通貫でサポートするオンラインプラットフォームを提供しています。

旅行代理店や宿泊施設での導入実績もあり、「お客様が滞在中に母国語で医療相談を受けられる環境を整えたことで、顧客満足度が向上した」といった声もいただいています。

外国人観光客の体調不良対応に不安を感じている宿泊・観光事業者の方は、ぜひ「Travelers Hospital(とらほす)」を活用し、現場の不安を「迷ったらすぐ頼れる安心」へと変えていく一歩を踏み出してみてください。

■会社概要

会社名: 株式会社メディ・エンジン

本社所在地: 〒106-0032 東京都港区六本木三丁目16番12号六本木KSビル5F

代表取締役 C.E.O.: 東 貴大

設立: 2024年

資本金: 150万円

事業内容: 外国人診療事業、地域医療活性化事業

HP: https://mediengine.jp/

■「Travelers Hospital(とらほす)」について

「Travelers Hospital(とらほす)」は、株式会社メディ・エンジンが運営する外国人診療サービスです。訪日外国人観光客の急な体調不良から、在留外国人労働者・ご家族の日常的な健康管理まで、多言語対応のオンラインプラットフォームを通じて医療相談・専門病院の手配・経過フォローまでを一気通貫でサポートします。観光現場と医療機関をつなぐ連携基盤として、安心して滞在・就労できる環境づくりを支援しています。

URL: https://travelershospital.com/en

■本アンケートの引用について

本アンケート結果を引用する場合は、必ず「Travelers Hospital(とらほす)」の明記と「株式会社メディ・エンジン」および「Travelers Hospital」公式サイトのURLの記載をお願いします。

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会社概要

株式会社メディ・エンジン

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URL
http://mediengine.jp
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都港区芝大門2-8-5 MHKビル4階
電話番号
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代表者名
東 貴大
上場
未上場
資本金
150万円
設立
2024年03月