視覚障害者が“自分で運転”に挑戦する自動車運転体験ツアーを開始

～交通事故ゼロを目指す3社が連携し、12月13日より栃木県中部自動車学校で開催～

日本介護システム株式会社

2025年12月3日 10時00分

　日本介護システム株式会社（代表取締役社長：大友俊雄）、株式会社オートテクニックジャパン、株式会社栃木県中部自動車学校の3社は、視覚障害のある方が安全に自動車運転を体験できる特別プログラム「視覚障害者自動車運転体験ツアー」を共同企画し、2025年12月13日（土）より栃木県中部自動車学校にて実施いたします。

　本企画は、視覚障害者が“自ら運転する”という夢の実現を支えると同時に、運転席の視点から交通安全を学ぶ機会を提供することで、「交通事故ゼロ」への理解促進を目指す取り組みです。対象は日本介護トラベルサービスの旅倶楽部会員に限定し、初開催となる今回は初級コースを実施します。

■ 障害者週間（12/3〜9）に合わせた社会的意義

　障害者週間は、「障害の有無に関わらず誰もが参加できる社会づくり」を目指し、国や自治体を中心に啓発活動を行う期間です。しかし、内閣府の「障害者に関する世論調査」（2019年2月）によると、障害者週間の周知度は28.6％と十分とは言えません。

　本プログラムは、①視覚障害者の夢の実現、②運転者の視点から学ぶ交通安全教育、③若年層による“心のバリアフリー”の実践を軸に、異業種3社が連携することで、障害者週間の理念を社会に広く届ける取り組みです。

■ 本プログラムの主な特徴（3社連携の強み）

①	視覚障害者でも安全に運転可能な特別プログラムを設計プログラム開発段階から、全盲の当事者の方に参加いただき、ハンドル操作、会場内誘導、プログラム案内方法などについて意見を反映し“当事者目線の運転体験”を実現しました。
②	若者中心のサポート体制で“心のバリアフリー”を推進当日は、国際医療福祉大学視機能療法学科の学生を中心に手引きボランティアとして参加。視覚障害者への接し方や理解促進を目的とした教育機会としても活用します。
③	安全性を最優先した自動車運転走行体験初めての方でも安心して挑戦できる以下の安全対策を導入、完全クローズドコース・専任教官が助手席に同乗・緊急停止装置を搭載・走行前に基礎講習・ハンドル操作練習を実施
④	中級・上級コースも設置し、継続的なチャレンジを支援最終日の検定に合格すると、中級・上級・マニュアル車走行へのステップアップが可能。年間3～4回の開催を予定し、成長実感を得られる環境を提供します。

■３社連携の経緯

　日本介護システム株式会社は「視覚障害者が安心して外出・旅行できる社会の実現（ユニバーサルツーリズムの推進）」を掲げ、日頃から外出支援とバリアフリー旅行を手掛けています。一方、オートテクニックジャパンと栃木県中部自動車学校は、地域の盲学校に対する交通安全講習を実施してきました。

　両者の“交通安全への思い”が一致し、「視覚障害者が運転者視点で自動車の性能と安全を理解する学びの場をつくろう」という共通目標のもと、本企画が実現しました。

■ツアー概要

ツアー名	［初級コース］視覚障害者自動車運転体験ツアー3日間　※本ツアーは旅倶楽部会員限定商品です。
実施日	2025年12月13日（土）〜15日（月）
場所	栃木県中部自動車学校（栃木県宇都宮市飯田町645）
参加者	視覚障害者（旅倶楽部会員）12名 ※国際医療福祉大学視機能療法学科の学生が手引き介助を担当
企画	日本介護システム株式会社（日本介護トラベルサービス）
企画協力	株式会社オートテクニックジャパン、株式会社栃木県中部自動車学校
協力	株式会社わかさ生活（商品提供）
旅行実施	株式会社フランチャイズエージェント ※旅行契約および旅行取引に関する業務は、旅行実施会社である株式会社フランチャイズエージェントが担当します。

■参加者からのコメント　（全盲）福田進久さま

「子供の頃から車が大好きで、運転はずっと夢でした。視覚障害でかなわなかった夢がこのイベント参加で息を吹き返しました。ハンドルを握る瞬間を想うだけで胸が高鳴ります。関係者の方々に深く感謝し、安全を最優先に全力で学び、楽しみ、この感動を多くの人に伝えたいです。エンジンの鼓動や操作の手応えを味わいながら、この体験が障害のある人もない人も楽しく交流し、互いに理解を深め合うきっかけになることを願っています。」