サファイアテラ・キャピタル:三陽商会に対する株主提案(特別配当)について
サファイアテラ・キャピタル(以下『サファイアテラ』といいます。)は、米国シカゴを拠点とする日本株エンゲージメント投資に特化した運用会社です。サファイアテラは、運用するファンドを通じて株式会社三陽商会(東証コード8011、以下『三陽商会』といいます。)発行済株式総数の約7%を保有しています。
サファイアテラは、三陽商会の過剰資本問題を解消し、企業価値の毀損を防ぐとともに、更に企業価値を向上させるため、同社にて本年5月28日開催予定の第83期定時株主総会における株主提案(特別配当、以下『本株主提案』といいます。)について、株主の皆様に賛同していただくよう呼びかけます。
本株主提案(特別配当)について
本株主提案は、以下の通り特別配当を実施し、同特別配当を支払うことによって三陽商会における株主還元を強化するとともに、過剰資本の問題(後述)を抜本的に解決することで、同社の企業価値の更なる向上を図ることを内容としています。
<本株主提案(特別配当)>
-
一株当り1,200円(総額約120億円)の特別配当を行う
-
2026年8月31日を基準日とし、2026年9月16日を配当金支払開始日とする
本株主提案は、三陽商会が2026年8月31日を基準日として株式分割(1株につき3株)を予定していることを踏まえ、同株式分割に合わせて特別配当を実施することで同社企業価値を更に高めることを目指すものです。
本特別配当を実施することにより、三陽商会の特別利益控除後のプロ・フォーマROEは現在の6%から8%程度に向上し、安定的に資本コストを上回ることが見込まれます。その結果、同社の株式市場における評価はより向上し、もって同社の企業価値向上に資することが期待できます。
また、三陽商会は2026年2月28日現在、約240億円の現預金、約160億円の利益剰余金を保有しており、総額約120億円の本特別配当の実施は、同社が、支払能力を維持し、顧客にサービスを提供し、その他ステークホルダーに対する義務を遂行する上で必要な能力を損ねるものではありません。
資本政策に関するこれまでの提案の経緯
サファイアテラは、過去数年にわたり三陽商会の企業価値向上のための様々な提案を行ってきました。サファイアテラは、同社における過剰資本が同社の資本効率(ROE)を押し下げており、その結果、株式市場において同社の本源的価値が十分に評価されていないと考えています。
そして、2025年7月には、総額160億円の自己株式の取得を行うことで過剰資本の解消を行うか、あるいは、三井物産株式会社(東証コード8031)の完全子会社となることを三陽商会経営陣(以下、『経営陣』といいます。)に提案しました。
<2025年7月提案とその後の経緯>
1. 独立した上場企業として小規模だが資本効率の高い事業を追求する。そのために、
-
40億円の自己株式の取得を速やかに表明し実行する。
-
さらに、向こう3年間で120億円(年間40億円)の自己株式の取得を行うことを表明する。
2. または、三井物産による完全子会社化を行い、同社の下で積極的な事業拡大を追求する。
サファイアテラの上記提案に対し、経営陣は、「2.三井物産による完全子会社化」の可能性を完全に否定しました。一方、経営陣は、2025年10月に16億35百万円の自己株式取得を実施しました。その後、サファイアテラが追加の自己株式取得枠を要求した結果、経営陣は2025年12月には20億円の自己株式取得を発表しました。
サファイアテラは、経営陣が「1.独立した上場企業として小規模だが資本効率の高い事業を追求する」ことを選択し、上記の通り自己株式の取得を開始したことについては評価しているものの、実施済、および現在実施中の自己株式取得の規模(総額36億35百万円)では同社の過剰資本を解消するには全く不足していると考えます。
サファイアテラの問題意識:現経営陣の規律を欠いた投資方針
サファイアテラは、以下の通り経営陣の現在の投資方針は規律を欠いており、三陽商会の企業価値を棄損していると考えます。
1.新規ブランドの乱発継続と在庫水準の高止まり
コロナ禍以降、三陽商会は規律あるブランド戦略、在庫管理を徹底し、2020年2月末の時点で約130億円あった在庫水準を2024年2月末の時点で約73億円まで縮減しました。しかし、その後、経営方針を「成長戦略」へと転換し、新規ブランドを乱発する等の結果、2025年2月末には在庫水準が約96億円に増加、2026年2月末においても約98億円と高止まりしています。すなわち、野放図なブランド乱発等の誤った成長戦略の結果、過去2年間で約20億円もの資本が過剰在庫として費消される結果となっています。
サファイアテラは、このような新規ブランドの乱発を止め、既存のコア・ブランドに経営資源を集中するよう経営陣に対し再三提案してきましたが、2026年4月14日付開示資料において、経営陣は追加ブランドのローンチを発表し、企業価値を棄損するリスクをさらに高めています。
2.分不相応な本社ビルの建替え計画
2026年4月14日付開示資料において、経営陣は本社ビルの建替えを行う旨、発表しています。しかし、東京都新宿区四谷に位置する本社の建替えは、少なくとも数十億円規模の投資となることが想定され、それに伴う減価償却負担、また、建替え期間中の代替オフィスの賃料支払い等の経費が、年間数億円の営業利益押し下げ要因となる可能性があります。
経営陣は、本社建替えについて「従業員の労働環境の改善、働き方改革の推進等」のためと主張していますが、そのためには、例えば現在の本社ビルの改装を行う、別のオフィスビルを賃借する、等、より低コストの方法があるはずです。昨今の建築費高騰という経済環境もあり、業績が低迷している三陽商会においては、直接的に利益を生まない本社ビルの建替え計画は分不相応であるばかりでなく、企業価値を棄損する誤った投資であるとサファイアテラは考えます。
3.投資リターンが期待できない青森工場の建替え計画
さらに、2026年4月14日決算説明会において、経営陣は「サンヨーソーイング青森工場の建て替えを決定しており、そのために約20億円を投資する」旨、発表しました。確かに同工場建屋は老朽化していますが、こちらについても四谷本社ビル同様、内外部の改装等、より低コストの投資によって生産性の向上、従業員の労働環境の改善を実現することは十分可能です。少なくとも、業績が低迷している状況で、利益貢献どころかさらなる営業利益押し下げ要因となる巨額投資を行う合理性は全くありません。
経営陣は、これらの投資計画(新規ブランド、本社ビルおよび青森工場の建替え計画)について一旦白紙に戻し、明確な投資リターンが見込める成長投資に限り経営資源を振り向けるべきです。
過剰資本を解消し真に必要な投資に経営資源を集中すべき
サファイアテラは、三陽商会経営陣が従来の規律ある財務運営を放棄し、野放図な投資方針に転換した大きな原因は、同社が過剰資本、すなわち必要以上の現預金や不動産、投資有価証券等を保有しているからに他ならないと考えます。過剰資本という遺産の上に胡坐をかき、規律ある投資を継続して実行できない経営陣に過分な資本を託すことは有益でないばかりでなく、企業価値の棄損につながります。そうであるからこそ、サファイアテラは、利益貢献が見込めない無駄な投資計画を中止し、三陽商会における投資規律を取り戻すために、過剰資本を株主に返還する本株主提案について賛同を強く呼びかけるものです。
株主の皆様におかれましては、本株主提案について前向きにご検討いただき、来る定時株主総会において同提案に賛同されますようお願い申し上げます。
以上
お問い合わせ先:info@sapphireterra.com
Website: sapphireterra.com
すべての画像
- 種類
- その他
- ビジネスカテゴリ
- 証券・FX・投資信託レディースファッション
- ダウンロード
