アリックスパートナーズ、「2026年版グローバル自動車消費者意識調査」を発表
BEVへの移行過程において、世界でREEVが現実的な選択肢に浮上
グローバル・コンサルティング・ファームのアリックスパートナーズ(本社:米国ニューヨーク、日本:東京都千代田区、代表:植地卓郎、以下、当社)は本日、「2026年版グローバル自動車消費者意識調査」(以下、本調査)を発表しました。電気自動車(BEV)の普及において、依然として価格、充電インフラ、航続距離への不安が大きな障壁となっていることが示されました。一方で、レンジエクステンダーEV(REEV)が、BEVへの移行期における現実的かつ実用的な選択肢として世界的に評価されていることが明らかになりました。
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日本ブランドの品質・信頼性は世界で77%と依然高評価。グローバル平均の忌避率もわずか17%にとどまり、中国ブランドの44%を大きく下回る。
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世界的にBEV普及の最大の障壁は価格。ICEドライバーの49%が「同等のBEVがICEより安くなければ検討しない」と回答。一方、中国では価格を障壁と考える人は8%にとどまる。
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REEVは、BEVへの移行過程において現実的な選択肢として支持されており、回答者全体の45%、中国では71%がREEVを有効な選択肢とし評価
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自動運転への関心は地域で二極化。中国では24%がL4/L5を希望する一方、欧米や日本では関心は限定的
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SUVが世界的に最も人気のボディタイプで、特に韓国(52%)、UAE(38%)、中国(38%)でその傾向が顕著
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BEV購入意向者は、ICE購入意向者に比べての内装の品質への要求が高く、素材や品質を重視する割合が14パーセンテージポイント高い
本調査は日本を含む11カ国の8,000人におよぶ自動車購入者を対象に、パワートレインやボディタイプ、先進運転支援システム(ADAS)、内装の質、サブスクリプションモデル等に対する消費者の選好について幅広く分析したものです。
世界で共通しているのは、電動化・自動化・品質という3つの軸で消費者の関心が高まっていることです。一方で、その進み方や重視するポイントは市場ごとに異なります。ハイブリッド車(HEV)が普及し、品質への要求水準が世界最高水準である日本市場において本調査の結果は、自動車メーカーおよびサプライヤーが直面する課題と機会が浮き彫りになっています。
「メイド・イン・ジャパン」はいまだ健在
「メイド・イン・ジャパン」ブランドは、依然として世界中で強力な訴求力を維持しています。品質・信頼性において、日本ブランドはグローバルで77%と、ドイツの80%に次いで高く評価されており、特に韓国(91%)やUAE(90%)で高い信頼を獲得しています。また、日本ブランドのグローバルでの忌避率は17%で、中国(44%)、米国(25%)、韓国(20%)を下回っており、グローバルでの競争力は依然として高い水準にあります。日本国内でも国産ブランド志向は43%と、グローバル平均(33%)を大きく上回り、国内市場における根強い支持を反映しています。
一方で、中国における日本ブランドの忌避率は29%に達して、同市場におけるドイツの忌避率(10%)と対照的です。これは、地政学・歴史的要因が主な原因と予測されます。韓国における日本ブランドの忌避率も19%と相対的に高く、地域によってブランド評価に大きな差が見られます。
BEV移行は価格が壁、REEVが現実的選択肢として浮上
電動化への移行は世界的に進んでいるものの、消費者の好みは依然として多様です。ICEドライバーの49%が「同等のBEVがICEより安くなければ検討しない」と回答しており、価格がBEV普及の最大の障壁となっています。西欧では12%、米国では10%の消費者しかBEVに対してプレミアムを支払う意向がなく、中国でも価格競争の激化を背景に同様の傾向となっています。
こうした中、REEVが、BEVへの移行段階での現実的な選択肢として注目されています。全回答者の45%、中国では71%がREEVをBEVの代替として評価しており、充電インフラが整備途上の市場や、BEVの購入意欲が低い市場において現実的な選択肢となっています。
日本では32%の消費者がREEVをBEVの代替として評価していますが、グローバル平均(45%)を下回っています。HEV・PHEVが広く普及している日本市場においては、REEVへの関心はまだ限定的であることが示唆されます。
自動運転への関心は地域で二極化
自動運転への期待や関心は、地域によって大きく異なります。回答者全体の42%が、次に購入する車に求める自動運転支援レベルとして、SAE L1(アダプティブクルーズコントロール等)と回答しており、高度な自動運転機能への需要は限定的です。一方、中国では24%の消費者が高度・完全自動運転のL4/L5を希望しており、ドイツや米国(各6%)を大きく上回っています。中国の消費者は自動運転の主なメリットとして「運転時のストレス軽減」(69%)や「運転時間の有効活用」(52%)を挙げており、安全性を重視する他の市場とは異なる価値観を示しています。
日本でも、L4/L5レベルの高度な自動運転機能を希望する消費者は7%にとどまり、グローバル平均(10%)と同様に慎重な傾向が見られます。
SUVはグローバルで主流
SUVは韓国(52%)、UAE(38%)、中国(38%)で特に人気が高く、グローバルで最も好まれるボディタイプとして定着しています。また、予算規模が大きいほどSUVを選ぶ傾向が強まることも明らかになっています。一方、中国では42%の消費者が、希望するパワートレインの選択肢が限られているためにボディタイプを妥協した経験があると回答しており、製品ラインナップの充実が課題となっています。
日本においてもSUVの需要は高い一方、セダンやコンパクトカーなど多様なボディタイプも根強く人気で、欧米市場と同様に消費者の好みが分散している点が特徴です。
コスト削減への過度な注力は品質への信頼を損なうリスクも
内装の質は、世界的に重要な購買基準となっており、素材の質(65%)、仕上がりの精度(フィット&フィニッシュ)(59%)、デザイン(55%)が重視されています。特にBEV購入意向者は、ICE購入意向者と比較して、素材の質(77% 対 63%)や仕上がりの精度(73% 対 55%)をより重視する傾向があり、電動化の進展とともに内装の質への要求水準が高まっていることがうかがえます。中国の消費者は、素材の質とデザインへの重視度がグローバル平均を上回っており(素材+6ポイント、仕上がりの精度+6ポイント、デザイン+8ポイント)、新興プレイヤーとの競争が激化する中でも品質訴求が有効な差別化ポイントとなっています。
日本の消費者の間での素材の質(30%)、仕上がりの精度(22%)、デザイン(31%)の重視度はグローバルで最も低い水準ですが、これは品質への関心が低いのではなく、高品質が市場標準となっているため、消費者が改めて重要と意識しにくい状況を反映していると考えられます。
また、車内操作については、タッチスクリーンのみでの操作を好む消費者は全体で20%にとどまり(中国では13%)、33%がタッチスクリーンと物理ボタンの組み合わせを好むと回答しています。ナビゲーションシステムの性能(57%)が、最も重視される車内テクノロジーであり、Apple CarPlayやAndroid Autoなどの接続機能(38%)がこれに続いています。
車両機能のサブスクリプションへの抵抗感は根強い
回答者の63%が、サブスクリプション形式で有効化できる車両機能は購買意欲に影響しない、あるいは購買意欲が低下すると回答しています。西欧市場では特に抵抗感が強く、ドイツでは22%、フランスでは28%がサブスクリプション料金を一切支払う意向がないと回答しています。
日本の消費者においても、購入時に全ての機能が装備されていることへの期待が高く、後付けの有料機能に対する価値は低い状況です。一方で、安全機能やADASに関連するサービスについては一定の追加支払いの意向が見られ、OEMは明確な付加価値の提示が不可欠となります。
アリックスパートナーズの自動車・製造業プラクティス日本チームリーダー、パートナー&マネージングディレクターの鈴木智之は次のように述べています。
「日本の消費者は品質や安全性への要求水準が非常に高い一方で、電動化や自動運転といった新技術への移行には慎重な姿勢を示しています。今回の調査結果は、グローバルで進むSUV人気やREEVの現実的な選択肢としての評価など、世界の潮流と日本市場の特性を浮き彫りにしています。自動運転への関心や内装品質への要求が地域によって大きく異なる以上、すべてにおけるグローバルでの戦略の一律には限界があります。各市場の消費者心理と市場環境を深く理解したうえで、どの技術・セグメントに対して優先的に投資するかを見極めることが、今後の開発や販売競争における鍵となります。」
調査結果の詳細はこちらをご参照ください。
【調査概要】
対象国: 11カ国(ドイツ、英国、フランス、スペイン、イタリア、米国、中国、韓国、日本、UAE、サウジアラビア)
対象者: 過去3〜5年以内に車両を購入またはリースした消費者、および今後2年以内に購入・リースを予定している消費者8,000名
調査実施時期: 2026年1月
アリックスパートナーズについて
1981 年設立。ニューヨークに本社を構える結果重視型のグローバルコンサルティング会社。企業再生案件や緊急性が高く複雑な課題の解決支援を強みとしている。民間企業に加え、法律事務所、投資銀行、プライベートエクイティなど多岐にわたるクライアントを持つ。世界 27 都市に事務所を展開。日本オフィスの設立は 2005 年。日本語ウェブサイトは https://www.alixpartners.com/jp/
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