【独自調査】中高一貫校で起きやすい学習課題を公開情報・匿名相談投稿から分析

「進度の速さ」「中だるみ」「学力差」「課題量」が重なりやすい中高一貫校生の学習実態

大阪上本町・天王寺の個別塾「個別の会」

中高一貫教育は、6年間を見通した継続的な学びを実現できる教育制度として全国に広がっています。文部科学省によると、2023年度時点で全国の中高一貫教育校は678校に達しており、英語・数学の先取り学習や探究活動、自立学習などを取り入れる学校が増えています。

一方で、制度上の特徴がそのまま学習上の課題につながるケースも指摘されています。

そこで個別の会では、文部科学省公表資料、学校公式サイト、教育研究資料、教育メディア、および公開設定の匿名相談投稿を対象に内容分析を実施し、中高一貫校で生じやすい学習課題を整理しました。

なお、本調査はアンケート調査ではなく、公開情報と匿名相談投稿を対象とした内容分析であり、全国の中高一貫校生全体の実態を統計的に推計するものではありません。

調査結果サマリー

中高一貫校の学習課題として「進度の速さ」「学習意欲の維持」「学力差」が目立つ

中高一貫校では英語・数学を中心に高校内容まで先取りする学校が多く見られます。

学校側では6年間を活用した発展的なカリキュラムとして設計されていますが、匿名相談投稿では

  • 授業の進度が速すぎる

  • 一度理解できなくなると追いつけない

  • 高校内容に入ってから急に難しくなった

といった相談が多く見られました。

特に積み上げ型教科である英語・数学では、小さな理解不足が後の学習に影響しやすいことが示唆されます。

先取り学習は強みである一方、理解の未消化につながる場合もある

中高一貫校の大きな特徴の一つが、6年間の教育課程を生かした先取り学習です。学校公式サイトでも、英語・数学を中心に中学段階で高校内容へ進むカリキュラムや、習熟度別授業を採用している例が多く見られます。

一方、公開設定の匿名相談投稿を分析すると、「授業の進度についていけない」「一度理解できなくなると、そのまま苦手が積み重なる」といった相談が繰り返し確認されました。

特に英語・数学は積み上げ型の教科であり、基礎単元の理解不足が後の学習に影響しやすい特徴があります。学校側では補習や習熟度別授業などの支援を整備しているケースもありますが、生徒側では「理解する前に次の単元へ進んでしまう」という感覚が課題として挙げられていました。

高校受験がない環境では、目標設定や学習習慣の維持が課題になりやすい

文部科学省でも、中高一貫教育の課題として高校入試がないことによる学習意欲の維持

が整理されています。

匿名相談投稿でも

  • 定期テストを頑張る理由が分からない

  • 中2〜高1で勉強しなくなった

  • 中だるみしてしまった

という内容が多く確認されました。

高校受験という明確な目標がない環境では、自ら目標設定を行う力がこれまで以上に重要になることがうかがえます。

調査背景

中高一貫校は、6年間を見通した教育課程を前提とする制度

中高一貫教育は、中学校と高等学校の6年間を通じて計画的・継続的な教育を行う制度として、1999年度から導入されました。文部科学省によると、2023年度時点で全国の中高一貫教育校は678校となっており、全国各地で導入が進んでいます。

制度の目的は、高校受験に左右されない6年間の教育課程を活用し、生徒一人ひとりの個性や能力を伸ばすことにあります。高校入試による学習の中断を避けながら、発展的な学習や探究活動、自立的な学習習慣の育成などに取り組める点が、中高一貫教育の特徴とされています。

こうした制度的特徴を背景に、多くの中高一貫校では高校内容を見据えた学習計画が採用されています。

学校によっては、英数の先取りや習熟度別授業が実施されている

学校公式サイトを確認すると、中高一貫校では6年間という教育期間を活用し、英語・数学を中心とした先取り学習や、習熟度に応じた授業編成を導入している学校が多く見られます。

例えば、中学校段階で高校内容へ進むカリキュラムを設ける学校や、理解度に応じた習熟度別授業、探究学習、自立学習の時間を組み込む学校などがあり、それぞれ6年間を一体的に活用した教育課程を構築しています。

このような教育設計は、生徒が早い段階から発展的な内容へ取り組めることや、大学受験を見据えた学習時間を確保しやすいことなどを目的としています。

一方で、学力差や学習意欲の維持は制度上の課題としても指摘されている

中高一貫教育は多くの教育的メリットが期待される一方で、文部科学省が公表している制度検討資料では、制度運営上の課題についても整理されています。

具体的には、「生徒間の学力差への対応」や「高校入試がないことによる学習意欲の維持」などが課題として挙げられており、6年間という長期的な教育課程を効果的に機能させるためには、一人ひとりの理解度や学習状況に応じた支援が重要であるとされています。

調査結果①:進度の速さと先取り学習による未消化

「授業についていけない」「高校内容が難しい」といった相談が見られる

公開設定の匿名相談投稿を内容分析したところ、中高一貫校の学習課題として最も多く見られた論点の一つが、「授業の進度の速さ」に関する相談でした。

  • 「授業の進度が速く、一度つまずくと追いつけなくなった」

  • 「高校内容に入ってから急に難しく感じるようになった」

  • 「理解できないまま次の単元へ進んでしまう」

といった趣旨の相談が繰り返し見られました。

英語・数学では、小さな理解不足が後の単元に影響しやすい

これらの教科は、前の単元の理解を前提として次の内容を学習する「積み上げ型教科」です。そのため、文法や語彙、計算や関数など基礎単元で理解が十分に定着しないまま学年が進行すると、後続単元で学習内容が急激に難しく感じられる可能性があります。

学校によっては補習や習熟度別授業などの支援体制を整備している例も確認されましたが、匿名相談投稿では「どこから分からなくなったのか自分でも分からない」「復習したいが範囲が広すぎる」といった内容も見られ、理解不足が蓄積しやすい状況がうかがえました。

進度に合わせるだけでなく、理解の定着を確認する仕組みが必要

中高一貫校における先取り学習は、高校受験に左右されない6年間を活用した教育制度ならではの特徴であり、多くの学校で大学受験や探究学習を見据えて実施されています。

本分析からは、授業を先へ進めることと、生徒の理解・定着が必ずしも一致しない可能性がうかがえました。

調査結果②:高校受験がないことによる中だるみ

「定期テストを頑張る意味がわからない」という悩みが見られる

中高一貫校では、高校受験を経ずに高校課程へ進学するため、中学3年間を通じて受験という明確な短期目標を持たない環境にあります。文部科学省でも、中高一貫教育の課題の一つとして、高校入試がないことによる学習意欲の維持が挙げられています。

今回の公開情報および匿名相談投稿の内容分析でも、「定期テストを頑張る理由が分からない」「高校受験がないため勉強への緊張感が続かない」といった内容が繰り返し確認されました。

学習への意欲が低下した理由としては、「目標を見失った」「何のために勉強しているのか分からなくなった」といった声も見られ、高校受験がない環境では、生徒自身が学習目標を設定する重要性が高まることが示唆されます。

中学2年生から高校1年生にかけて、学習意欲が揺らぎやすい

匿名相談投稿では、中学2年生から高校1年生にかけて、「中だるみ」を自覚する相談が多く見られました。この時期は、学校生活に慣れる一方で、学習内容は高校内容へと発展し、部活動や学校行事なども忙しくなる時期です。高校受験という区切りがないことから、勉強への優先順位が下がり、学習習慣が乱れやすい状況がうかがえました。

一度学習習慣が崩れると、その後の高校内容の理解不足につながる可能性もあり、進度の速い中高一貫校では早期の立て直しが重要になると考えられます。

定期テストを「受験のため」ではなく「理解度確認の機会」として位置づける

本分析からは、高校受験がない環境では、生徒自身が短期的な学習目標を設定しながら学習を継続することの重要性が示唆されました。

調査結果③:学力差の拡大と「深海魚化」への不安

周囲の学力が高い環境では、成績下位層になったと感じやすい

中高一貫校には、中学受験を経て入学した学習意欲や学力の高い生徒が多く在籍しています。そのため、周囲との比較の中で「以前は成績が良かったのに、今は下位層になってしまった」と感じる生徒も少なくありません。

文部科学省でも、中高一貫教育における課題として、生徒間の学力差への対応や、一人ひとりの理解度に応じた指導の重要性が指摘されています。

今回の公開情報および匿名相談投稿の内容分析でも、「深海魚になってしまった」「周囲はできる生徒ばかりで自信を失った」「成績が下位から抜け出せない」といった相談が繰り返し確認されました。中高一貫校特有の環境の中で、相対的な成績の変化が学習への不安につながる傾向がうかがえます。

学力差は、進度・理解度・学習習慣の差が積み重なって広がりやすい

匿名相談投稿を分析すると、「ある単元でつまずいてから授業についていけなくなった」「復習が追いつかず苦手が増えた」といった相談が多く見られました。

特に英語・数学のような積み上げ型教科では、基礎内容の理解不足がその後の学習にも影響しやすく、進度の速いカリキュラムでは、一度生じた理解の遅れを取り戻すことが難しくなる場合があります。

学力差は、一度のテスト結果だけで生じるものではなく、日々の復習不足や理解の未定着が積み重なることで広がる可能性があることが示唆されました。

成績の立て直しには、教科ごとのつまずきの特定が必要

「成績が伸びない」「勉強しても成果が出ない」という状況では、教科全体を苦手と捉えるのではなく、どの単元で理解が止まっているのかを把握することが重要です。

調査結果④:課題量と塾・部活・通学の両立

学校課題が多く、塾や部活動との両立に悩む声が見られる

中高一貫校では、6年間を見通した教育課程のもと、日々の授業に加えて課題や小テスト、補習、探究学習などが組み込まれている学校も多く見られます。学校によっては、発展的な学習内容や自立学習を重視したカリキュラムを採用しており、生徒には継続的な学習が求められます。

今回の公開情報および匿名相談投稿の内容分析では、「学校の課題が多く、塾の復習まで手が回らない」「部活動や通学時間との両立が難しい」といった相談が複数確認されました。学校生活が充実する一方で、限られた時間の中で学習時間を確保することに悩む生徒がいることがうかがえます。

課題をこなすことが目的になり、弱点補強の時間が不足しやすい

匿名相談投稿では、「提出課題を終わらせるだけで精一杯」「学校の宿題に追われ、自分の苦手分野を復習する時間がない」といった内容も見られました。

学校課題は学習内容の定着を目的として課されますが、課題量が多いと、生徒によっては提出を優先するあまり、理解が十分でない単元を振り返る時間を確保しにくくなる場合があります。

特に英語や数学のような積み上げ型教科では、理解不足をそのままにすると次の単元にも影響しやすいため、課題を終えることと理解を深めることの両立が重要になると考えられます。

学習計画は、学校課題と外部学習を分けずに設計する必要がある

学校の課題、塾の宿題、部活動、通学時間などを個別に管理すると、全体の学習計画が見えにくくなることがあります。

今回の内容分析からも、「やるべきことが多く、何から手を付ければよいか分からない」といった相談が確認されており、限られた時間を効率的に活用するためには、学校・塾・家庭学習を一つの学習計画として整理することが重要であることが考えられます。

調査結果⑤:英語・数学に見られやすい勉強法の迷い

英語・数学では、積み上げ不足が後から表面化しやすい

中高一貫校では、英語・数学を中心に高校内容まで先取りするカリキュラムを採用している学校が多く見られます。一方で、これらの教科は基礎内容を積み重ねながら学習を進める特徴があるため、初期の理解不足が学年進行とともに大きな影響を及ぼす場合があります。

匿名相談投稿では、「英語の文法が分からなくなった」「数学の授業についていけない」「高校内容に入ってから急に難しくなった」といった相談が繰り返し確認されました。特に、英語では文法や語彙、数学では計算や関数など、基礎単元の理解不足が後続単元にも影響している様子がうかがえました。

「何から復習すればよいかわからない」という状態になりやすい

学習内容が高校課程へ進むにつれて、復習すべき範囲が広がり、どこから学び直せばよいのか判断できなくなるケースも見られました。

匿名相談投稿では、「勉強しているのに成績が上がらない」「どの単元からやり直すべきか分からない」といった内容が確認され、苦手意識が強くなるほど学習の優先順位を決めにくくなる傾向がうかがえました。

進度の速い環境では、理解不足が複数の単元にまたがることもあるため、教科全体を漠然と復習するのではなく、つまずきの原因となった単元を整理することが重要と考えられます。

苦手教科は、単元別に分けて再学習することが重要

成績の改善を目指す際には、「英語が苦手」「数学が苦手」と教科全体で捉えるのではなく、理解が不十分な単元を具体的に特定することが重要です。

教科全体を一から学び直すのではなく、つまずいた単元を整理し、基礎から段階的に復習することが理解の定着につながると考えられます。

調査結果から見える支援の方向性

中高一貫校の学習課題は、学力だけではなく学習設計の問題でもある

今回の内容分析では、「授業の進度」「高校受験がないことによる目標設定」「課題量」「学習習慣」「復習不足」など、複数の要因が重なりながら学習課題につながっている様子がうかがえました。単に学力の高低だけではなく、限られた時間の中でどのように学習を進めるかという学習設計そのものが重要な要素となっていることが示唆されます。

学校の進度を補うだけでなく、理解の定着を確認する支援が必要

先取り学習は中高一貫教育の特徴の一つですが、学校の授業についていくことと、学習内容を十分に理解・定着させ、自分の力で活用できる状態にすることは必ずしも一致しません。今回の分析でも、理解不足が積み重なることで学習上の負担が大きくなる様子がうかがえました。進度を補うだけでなく、生徒一人ひとりの理解状況を確認しながら学習を進める支援の重要性が示唆されます。

学校・家庭・外部支援の役割を分けて考えることが重要

学校課題、定期テスト対策、苦手分野の復習、大学受験を見据えた学習などは、それぞれ目的が異なります。今回の分析では、「やるべきことが多く優先順位が分からない」という相談も確認されており、学校・家庭・外部支援がそれぞれの役割を踏まえながら、一つの学習計画として整理していくことの重要性がうかがえました。

当社の見解

中高一貫校生には、学校ごとの進度と本人の理解度に合わせた支援が必要

一律の補習ではなく、学校カリキュラムや学年ごとの特徴に応じた個別対応の重要性を述べる。

中だるみや成績不振は、早期に原因を分解することで立て直しやすい

成績低下を漠然と捉えず、進度・学習習慣・教科別理解度に分けて考える必要性を説明する。

進学までの6年間を見据えつつ、短期目標も設計することが重要

大学受験だけを遠い目標にせず、定期テスト・英検・模試などを中間目標に設定する意義を示す。

調査概要

調査主体:個別の会

調査名:中高一貫校の学習課題に関する公開情報・匿名相談投稿の内容分析

調査期間:2026年7月25日〜2026年7月26日

調査対象:文部科学省公表資料、学校公式サイト、教育研究論文、主要教育メディア、公開設定の匿名相談投稿

調査方法:指定キーワードによる公開情報の収集、重複情報・広告色の強い情報・個人特定可能性の高い記述の除外、論点別のカテゴリ化および件数集計

収集キーワード:中高一貫校/学習課題/ついていけない/中だるみ/定期テスト/深海魚/課題量/英語/数学

収集資料数:15件

分析対象投稿数:36件

有効回答数:該当なし(公開情報・匿名相談投稿の内容分析のため)

備考:本調査は、公開資料および公開設定の匿名相談投稿を対象とした内容分析です。匿名相談投稿は個別文面の転載を行わず、個人を特定できる情報を除外したうえで、論点別に要約・集計しています。本分析は全国の中高一貫校生全体の割合推計を目的とするものではありません。

会社概要

個別の会について

個別の会は、キャリア10年から40年以上の経験豊富なプロ講師陣のみが指導にあたる進学塾です。入塾試験は行わず、真面目に頑張る生徒を全員受け入れる方針を掲げています。生徒一人ひとりの目標に合わせたオーダーメイドのカリキュラムを提供し、第1志望合格率90%以上、国公立大学や中学入試の第1志望合格率100%という高い実績を誇ります。教室は毎日朝9時から夜23時まで利用可能で、自習中も講師やチューターへの質問ができるなど、徹底したサポート体制が整っています。 

提供サービス

幅広いニーズに対応するため、多種多様なコースとサポートを提供しています。

完全1対1の個別指導はすべての授業がプロ講師によるマンツーマンで行われ、講師オリジナルの個別テキストや、生徒に最適な参考書の選定も行われます。

学習計画の作成・支援: 1日・1週間・1ヶ月単位のレポートを通じて、授業がない日の自習内容まで手取り足取り指示し、継続的な学習を支援します。

苦手科目・単元対策: 中学・高校・大学受験の各コースにおいて、苦手科目に特化した特訓や、定期テスト対策(英語・数学など)による成績アップ指導を行っています。

季節講習・単発受講: 春期・夏期・冬期・直前講習が用意されており、これらは単発受講も可能です。

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その他のサポート: 不登校・引きこもり支援、他塾(集団塾)の宿題やテストの復習サポート、さらには浪人生や再受験生向けの指導も行っています。

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会社概要

URL
https://kobetsu-kai.com/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
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電話番号
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代表者名
谷本秀樹
上場
未上場
資本金
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設立
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