令和8年熊本地震の被災地で炊き出しを実施、災害時でも「いつもの食事」を届けるために
被災地での食支援を通じて見えた、災害時の食ニーズ
令和8年7月28日に発生した熊本地震により、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
全国の医療機関や介護・福祉施設、学校、社員食堂などで食事サービスを提供する富士産業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:中村 仁彦)は、令和8年熊本地震の被災地において、炊き出しを実施しました。

富士産業株式会社では、熊本地震発生を受け、被災したお得意先の状況把握に努めるとともに、BCP(事業継続計画)に基づき、災害時における食事提供の継続や支援に向けた対応を進めてまいりました。
このたび、被災地への支援活動の一環として、2026年9月2日夕食、3日昼食・夕食の計3回、食事を提供しました。当初は4日までの実施を予定しておりましたが、台風の影響により4日の炊き出しは中止に。現地では、富士産業の社員が調理や盛り付け、配膳などを行い、日頃の給食事業で培ってきた調理・衛生管理のノウハウを生かして支援を行いました。

【活動概要】
・実施期間:2026年9月2日(水) ~ 3日(木)
・実施回数:計3回
・提供食数:約430食
・実施メニュー
2日夕食:ご飯・味噌汁・白身魚の南蛮焼き・蒸し鶏の根菜サラダ・春雨のカレー炒め
3日昼食:ご飯・かきたま汁・炙りチキンのトマトソース・里芋のそぼろ煮・白菜と人参の煮浸し・
レンコンのきんぴら
3日夕食:ご飯・味噌汁・アジの柚子風味焼き・鶏の2色巻き・オクラの湯葉和え・ひじき煮
今回の活動を通じて私たちが改めて考えたのは、「災害時の食事は、“食べられる”だけでいいのか」という点です。発災直後は、命をつなぐための迅速な食料確保と被災された方に届けることが最優先です。しかし、避難生活を送る方や自宅の片付けを行っている方々と話す中で、被災地の食事ニーズの変化に伴う課題が浮かび上がってきました。
・ライフラインが戻っても、片付けで食事まで手が回らない
・買い物に行ける環境ではない(道路状況やスーパーの状況など)
・温かいものが食べたい
・野菜が食べたい
・炭水化物以外が食べたい
・和食が食べたい
また、現地で支援調整を担う関係者の方々とも意見交換する中で、同現場の限られた資源の中で工夫を重ねられている現状とともに、中長期的な栄養面・精神面でのサポートの難しさが共有されました。
災害時だからこそ、「何かを食べられる」状態から「必要な食事を食べられる」環境へ転換するために、衛生管理や栄養、食形態、食事制限への配慮など、日頃から食事提供を担っている専門事業者の力を生かすことも重要だと、深く理解する貴重な機会となりました。
■給食会社だからこそできる、災害時の食支援
富士産業は、全国約1,900の病院や介護・福祉施設、学校、社員食堂などで給食サービスを提供しています。給食の現場では、食事を「つくる」だけではなく、安全に・必要な食数を・必要な場所へ必要とされる形で届けることが求められます。日々の給食事業で培ってきた、給食管理(衛生管理・栄養管理)を基に、平時の給食だけでなく災害時の食支援においても生かすことができると考えています。
今回の熊本での炊き出しでは、一般的な食事としてお弁当と汁もの(味噌汁やかきたま汁)を提供しました。一方で、実際に被災地で食事を提供したからこそ見えてきたのが、「災害時にも、給食会社が持つ専門性をもっと生かせるのではないか」という可能性でした。
■「炊き出し」から「災害時の給食」へ
災害時の食支援は、「食料を届ける」だけではなく、被災された方の状況や時間の経過に応じて、「必要な食事を届ける」という部分へ進化していく必要があると考えます。そのためには、行政・自治体・支援団体に加え、給食会社などの食の専門事業者が、それぞれの強みを生かして連携できる仕組みづくりが重要です。
富士産業では、今回の活動で得た経験をもとに、災害時の食支援について、以下のような可能性を考えています。
・災害発生からの時間経過に応じた食事内容の検討
・給食会社等が持つ大量調理・衛生管理・栄養管理の専門性の活用
・高齢者や乳幼児、食物アレルギーを持つ方など、多様な食事ニーズへの対応
・必要な食数を把握し、適切に提供するための情報共有
・行政・自治体と民間事業者が迅速に連携するための事前の体制づくり
今回の炊き出しが一度きりの支援活動で終わらせるのではなく、現場で得た気づきを一企業の経験にとどめることなく、行政や関係機関の皆さまと共有し、災害時の「食支援の新たなかたち」を考えていきます。
富士産業はこれからも、給食事業を通じて培ってきた「食」の専門性を生かし、行政・自治体・地域の皆さまと連携しながら、災害時の食支援のさらなる充実に取り組んでまいります。
被災地域の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
■炊き出しの様子

■富士産業の「完全調理車両」について

阪神・淡路大震災をはじめとする災害を教訓とする中で、2004年の台風により兵庫県淡路島の受託施設が被災し、厨房が水没した経験を機に完全調理車両の整備を進めました。
平時には受託施設の厨房改修工事や設備トラブル時の調理支援にも活用しており、通常献立による温かい食事の提供や、大規模な食事提供にも対応しています。
2005年3月:キッチンカー1号 納車
盛付車 納車
2006年2月:キッチンカー2号 納車
2012年1月:キッチンカー3号 納車
3号車用電源車 納車
2026年7月:盛付車改装(保冷、保温、消毒の拡充)
■ 富士産業株式会社について
富士産業株式会社は、1972年の設立以来、医療・介護・福祉施設を中心に、全国で食事サービスを展開しています。安全・安心でおいしい食事の提供を通じて、人々の健康と豊かな生活を支えています。
▶富士産業株式会社について:https://fuji-i.com/
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