【奥会津】定住・Uターン意向と最も強く相関したのは「家族の期待」と 「地域への関与」。奥会津7町村の中高生3か年調査レポートを公開
中高生の4割強が定住・Uターン希望も、「地元で学び、地元で働く」経路は7%にとどまる。只見川電源流域振興協議会と一般社団法人地域・人材共創機構、2023年度からの3か年の独自調査を分析
一般社団法人 地域・人材共創機構(代表理事:石井重成)は、只見川電源流域振興協議会(奥会津振興センター)の委託を受けて調査・分析を担当した「奥会津地域における次世代の進路・意識調査」の公開レポートが、2026年10月8日に同協議会のウェブサイトで公開されたことをお知らせします。福島県・奥会津7町村の中学3年生・高校3年生を対象に、2023年度から3か年にわたって実施した意識調査と、2019〜2024年度の卒業生の進路データを重ね合わせ、次世代の定住・Uターン意向の「ニーズ」と進路の「実態」のずれ、そして意向と結びつく要因を分析しています。
レポート全文(PDF)と各年度の概要版は、只見川電源流域振興協議会のウェブサイト「奥会津歳時記の郷」で公開しています。 https://okuaizu.net/news/news1/1332
▼ 調査のポイント
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40%の「ニーズ」と7%の「実態」:回答者の42.2%(173人中73人)が定住またはUターンの意向を持つ。一方、地域の中学から管内の高校に進み、管内の企業に就職する経路をたどるのは、試算上100人あたり約7人、つまり7%にとどまる。
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定住・Uターン意向と最も強く相関したのは「家族の期待」:定住志向と最も強く相関したのは「両親や家族が、自分に住んでほしい/戻ってきてほしいと思っている」(相関係数0.52)。「家族の期待」に加え、「地域に役立ちたい気持ち」をあわせ持つ生徒の67%、さらに「地元企業を知っている」生徒の81%が定住意向を持つ。
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「地域への関与」も定住・Uターン意向と相関:3つの指数のうち「地域・社会への関与意欲」だけが3か年すべてで定住志向と相関し(0.31/0.23/0.43)、「学びに向かう力・自己認識」はほぼ無相関(−0.02/0.04/0.13)だった。
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「出ること」と「戻ること」は必ずしも対立しない:Uターン希望者の67.5%は20〜50代での還流を想定し、いったん外に出たい理由の上位は「知識・技術の習得と視野の拡大」だった。
※相関分析・決定木分析が示すのは変数間の関連であり、因果関係ではありません。
【定住志向×Uターン志向による4分類/中学生100人あたりの試算】

▼ 調査結果の概要
4割強が地域とつながる意向を持つ
定住志向とUターン志向の有無で回答者を4つの層に分けると、最も多いのはどちらの意向も低い「転出層」(100人、57.8%)でした。一方で、両方を持つ「定住Uターン層」47人、定住のみの「地元定着層」15人、Uターンのみの「Uターン潜在層」11人と、4割強は地域とのつながりを保つ意向を持っています。これは「若者はみな出ていきたがっている」という通念とは異なる結果です。
中学卒業時に約半数、高校卒業時にはさらに分散
2019〜2024年度の卒業生の進路をみると、中学卒業生のうち管内の高校へ進学するのは45.5%で、52.2%が県内の管外の高校へ進学しています。管内3高校の卒業生では、県外進学が42.1%と最も多く、奥会津管内への就職は14.3%でした。
【中学生および高校生の進路先(2019〜2024年度合算、中学卒1,047件・高校卒719件)】

何が意向と結びついているのか
定住志向と相関の強い項目は、家族の期待(0.52)に続き、「将来、自分の住んでいる地域のために役に立ちたい」(0.50)、「地域の文化や暮らしの価値ある部分を未来に伝えたい」(0.44)、「将来働く候補になるような地元企業を知っている」(0.39)でした。
【定住志向と相関する項目】

【3つの指数と定住志向の相関係数(令和5〜7年度)】

▼ 調査から導いた4つの示唆
レポートでは、奥会津の現場に向けて次の4つを提示しています。いずれも相関に基づく仮説であり、実践を通じた検証を前提としています。
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地元企業や地域の大人を知る機会をつくる(生徒による地元企業の取材、ロールモデルとの対話、高校生インターンシップなど)
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地域づくりへの参画機会を提供する(探究学習支援、まちづくり団体・中間支援団体への生徒参画など)
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保護者・現役世代を巻き込む(コミュニティ・スクールでの議論、地域の担い手が仕事と暮らしを語る場など)
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転出後の関係を切らさない(域外に出た若者と地域をつなぐ仕組み、第二新卒世代向けUターン施策、都市圏での関係人口イベントなど)
代表理事コメント
「奥会津の中高生の4割が、地元に住み続けたい、いずれ戻りたいと考えています。その思いと、実際の進路とのあいだには大きな隔たりがあります。今回の調査で見えてきたのは、若者の意向を左右しているのが本人の資質以上に、家族や地域との関係だということでした。外に出ることと戻ることは必ずしも対立しません。出た後もつながり続け、戻りやすくするための手立てを、地域の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。」
一般社団法人 地域・人材共創機構 代表理事/青森大学 社会学部 准教授 石井重成
調査概要
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調査名:奥会津地域における次世代の進路・意識調査
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実施主体:只見川電源流域振興協議会(奥会津振興センター)
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調査分析:一般社団法人 地域・人材共創機構
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調査協力:一般社団法人 D2PA
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対象地域:福島県 柳津町、三島町、金山町、昭和村、只見町、南会津町、檜枝岐村(奥会津7町村)
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進路調査:奥会津7町村の中学校・高校の卒業生の進路データ
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意識調査:奥会津7町村の中学3年生・高校3年生(2023〜2025年度の3か年)。2025年度の有効回答は173件(中学100件・高校73件)、回答期間は2025年10月1日〜11月30日、Googleフォームによる4段階回答
レポートの公開先
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只見川電源流域振興協議会「奥会津歳時記の郷」お知らせ(2026年10月8日):
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公開レポート(PDF):
https://okuaizu.net/cmscontrol/wp-content/uploads/2026/10/d9801a18d973edaf00abb5f8acbe63e8.pdf
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令和7年度・令和6年度・令和5年度の概要版(PDF)も同ページに掲載
一般社団法人 地域・人材共創機構について
地域と関わりながらキャリアを形成する「ローカルキャリア」の調査研究を起点に、自治体・地域団体に伴走する地域ハンズオン支援事業を展開しています。奥会津地域では、只見川電源流域振興協議会(奥会津振興センター)とともに、「奥会津共創カレッジ」や「地域まんだらづくり」の企画運営、次世代の進路・意識調査などに取り組んでいます。
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