台湾ベアリング、リニアガイド機械伝動設備製造業のメーカー動向<ワイズ機械業界ジャーナル8月第2週号発行>
〜台湾機械業界の動向が分かる〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の8月第2週号を発行しました。今週号では、機械伝動設備メーカー、発電・送電・配電機械製造業、プリント基板生産装置業、洋上風力産業について紹介します。
<200813号内容案内>
1 | 機械伝動設備業界 | 台湾機械伝動設備製造業のメーカー動向 |
2 | 発電・送電・配電機械業界 | 発電・送電・配電機械製造業の振り返りとメーカー動向 |
3 | プリント基板生産装置業界 | プリント基板用自動化乾燥装置メーカー 科嶠工業(ASIA NEO TECH) |
4 | 洋上風力発電業界 | 台湾洋上風力発電産業の現状(1) |
<台湾機械伝動設備製造業のメーカー動向>
一、産業概況
機械伝動設備には▽ベアリング▽ギア▽ギアボックス(減速機)▽ボールねじ▽リニアガイドおよびその他機械伝動設備・部品──などが含まれ、機械設備に幅広く応用されている。
過去、台湾機械伝動設備製造業において、ギア製品の販売額が最も高い割合を占めていた。しかし、川下の機械設備製造業がハイエンド製品の研究開発・生産を進めるようになったことから、リニアガイドの販売額が徐々に成長し、近年では台湾当産業で最も高い販売割合を占めるようになった。2016〜20年1〜4月のデータでは、リニアガイドの販売割合が全体の30〜40%を占めた。その他製品の販売割合は、▽ベアリング、同15〜20%▽ボールねじ、同10〜15%▽ギアとギアボックス、同10%──となっている。
二、メーカー動向
瑞頴工業(PRO-HAWK)
瑞頴工業(PRO-HAWK)はベアリングの台湾大手メーカーだ。製品は▽自動倉庫▽台車▽ガレージドア▽自動車のスライドドア──などに使用されており、このうち、自動倉庫関連の販売額が全体の60%と最も大きな割合を占める。2019年に新製品が米国の電子商取引(EC)と物流産業に採用されたことから、20年も対米国輸出の成長が続き、20年第2四半期の連結売上高は4億2,000万台湾元に達した。しかし、台湾元高の影響で、当期純利益は8,800万台湾元にとどまった。
瑞頴工業の陳柏峰董事長は、物流産業は安定して成長しており、▽米国▽中国▽インド▽欧州──のEC業者が出荷効率を高めるため、自動倉庫設備への投資を続けていることから、2020年の売上高は期を追うごとに成長するとの見通しを示した。また、台湾元高が同社の営業利益に影響しているが、売上高の成長が続いているため、黒字を維持できると予測している。
上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)
▽精密ボールねじ▽リニアガイド▽産業用ロボット──などの研究開発・製造を手がける上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)は、▽先進医療▽半導体▽自動化設備▽第5世代移動通信システム(5G)のインフラ整備──などの関連需要が好調だったため、2020年6月の連結売上高は20億1,100万台湾元となった。前年同月比では3.49%減だったが、過去11カ月の最高を記録し、20年に入ってからの単月としても最高だった。このため、20年第2四半期の連結売上高は黒字に浮上する見通しだ。
上銀科技の卓文桓董事長によると、上銀科技の受注は2020年7月まで満杯が続き、さらに電気自動車(EV)市場の開拓に成功したことから、ティア3サプライヤーのサプライチェーンへの参入を果たしたという。また、新応用分野の開拓では、イタリアの電動アシスト自転車メーカーと望遠鏡メーカーからの受注を獲得しており、20年第3四半期から出荷を開始する予定だ。
和大工業(HOTA)
和大工業(HOTA)は自動車・二輪車用および機械設備用の伝動ギアとその関連部品の専門メーカーである。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自動車市場の景気低迷が続き、自動車部品の関連需要も大きく減少したことから、和大工業の2020年1〜6月の連結売上高は21億8,500万台湾元にとどまり、前年同期比26.8%減と大きく減少した。しかし、欧米で次々と辺境・都市封鎖が解除されたことから、6月の売上高は前月比37.7%増となった。加えて、主要顧客からの需要が増加しているため、20年第3四半期の売上高は黒字に浮上すると予測される。
現在、和大工業は米EV大手、テスラのサプライチェーン入りに成功し、関連受注が売上高全体の30%を占めている。テスラへの出荷増加に加えて、その他自動車大手メーカーもEVの新製品をリリースしたことから、2021年のEV市場は大きく成長すると予測される。和大工業は、新型コロナウイルスの影響で20年通年の売上高は減少するとみているが、EV市場の成長を見込んで嘉義工場の拡張工事を開始しており、21年の市場需要に対応する構えだ。
<ワイズ機械業界ジャーナルとは>
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代表者:吉本康志
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