JAXAベンチャー・ツインカプセラ と 検体検査コンサルティングのCoordinate Lab が業務提携
治験、臨床研究における検体収集等への「スリム型”超”断熱保冷容器」の活用で協力
■業務提携の背景
疾病治療薬等に関する多くの治験、臨床研究(医師主導型研究等)においては、同疾病と戦う多くの患者さまの血液等を収集する必要があり、通常、全国の多くの医療機関が検体提供元として研究協力機関となります。この場合、それらの全国の医療機関から研究機関への検体の保冷・保温輸送が必要になりますが、検体の種類により維持すべき温度帯や温度変化に対する耐性等が異なり、また、医療機関と研究機関の距離、交通インフラの状況、気温などの環境条件についても地域差があるため、検体の収集先や検体の種類に応じた適切な温度管理を行うことが極めて重要となります。
このような検体収集においては、1回に輸送する検体が数本以下といった少量の場合であっても、輸送中の温度逸脱を回避するために、大型の保冷ボックスと大量の保冷剤やドライアイスを使用する必要があり、その準備や輸送業者等との調整などに多くの手間と労力がかかっています。また、大型の保冷ボックスの輸送や適切な温度管理には高額なコストもかかり、これらは、治験や臨床研究の検体収集における大きな課題となっています。
■業務提携と実現するサービスの概要
ツインカプセラは、JAXAベンチャーとして、小型超高性能断熱保冷容器の開発・利用および熱制御技術に関する知見とノウハウを、Coordinate Labは、検体検査コンサルタントとして、治験や臨床研究等における検体管理・輸送等に関する知見・ネットワークをそれぞれ有しています。両社は、検体収集における上記の課題を踏まえ、保冷・保温輸送の確実性と利用者の利便性を両立する「断熱保冷容器の取り扱い方法」や「輸送オペレーション」について検討を進めてきました。今後、今般合意した業務提携を通じ、両社が持つ強みのシナジー効果により、共通の顧客である医療機関やバイオメディカル分野の研究機関等に対して、検体収集における上記課題に対するソリューションとして、「スリム型”超”断熱保冷容器の利用機会」および同容器を活用した「確実かつ低コストな保冷・保温輸送を含む効率的なワンストップの検体収集サービス」を提供します。
同サービスにおいて、ツインカプセラは、サービス利用者(医療機関や研究機関等)に対するスリム型“超”断熱保冷容器またはその利用機会の提供(販売またはレンタルサービス)およびCoordinate Labを通じた同容器の取り扱いに関する技術情報等の提供を、Coordinate Labは、サービス利用者の検体の保冷・保温輸送に関するニーズに応じたスリム型“超”断熱保冷容器を使用した輸送オペレーション全体の計画立案・調整、輸送オペレーション実行の取りまとめ、利用者・運用者に対する支援等を担います。
■スリム型”超”断熱保冷容器とは
スリム型“超”断熱保冷容器は、ツインカプセラが、上記のような課題を解決するために開発した「小型」と「超高性能」という相反する特長を合わせ持つスリムな形状の断熱保冷容器です。体積は1.3Lと従来の保冷ボックスよりも非常に小さく、主要温度帯(-75℃、-20℃、-10℃、4℃、20℃、37℃など)で3日以上という非常に高い保冷・保温性能を発揮します。
一般的に、保冷ボックスのサイズと保冷性能は比例する関係にあるため、小型で高い保冷性能を実現することは困難ですが、ツインカプセラの断熱保冷容器はこれを実現しています。例えば、-70℃以下の保冷では、従来は、10~20kg程度の大量のドライアイスを用い、大型保冷ボックス(宅配便100サイズ程度の大きさ)で輸送する必要があったのに対し、小型サイズ(宅配便の60サイズ以下)で、500g以下という少量のドライアイスの使用で3日以上の保冷が可能です。
この画期的な製品をご利用頂くことにより、ドライアイス使用量90%以上削減や宅配便等による輸送コスト約40%削減、さらには、ドライアイスや保冷剤の準備など保冷ボックス使用時の手間の削減等が可能となります。
また、3日以上の保冷・保温性能があれば、宅配便等で、離島を含む全国からの検体収集が可能となります。これは、治験や臨床研究における検体収集エリアの拡大や必要数の検体(症例)収集にかかる期間の短縮に繋がる利点です。
■高品質かつ低コストで効率的な検体収集を行いたい研究機関等の皆様へ
「確実かつ低コストな保冷・保温輸送を含む効率的なワンストップの検体収集サービス(仮称)」は、本業務提携を通じて実施するサービス提供基盤の整備が完了次第、早期にスタートする計画です(開始時にウェブサイト等でお知らせ致します)。是非、この前例のないサービスを治験や臨床研究等にご活用ください。ご関心を持って頂けましたら、下記の問い合わせ先までご連絡ください(断熱保冷容器について:ツインカプセラ宛、検体輸送について:Coordinate Lab宛)。なお、現時点で提供可能な“超”断熱保冷容器は、数に限りがございますので、お早めにご検討頂けますようお願い申し上げます。
■参考:
株式会社ツインカプセラについて
ツインカプセラは、「再突入カプセルの“超”断熱保冷技術を 地上へ 社会へ」をスローガンに掲げ、JAXAのHTV搭載小型回収カプセル(※)の断熱保冷容器技術の社会実装を目指すJAXAベンチャーです。小型・超高性能の保冷コンテナの開発・供給により、検体、ワクチン、細胞、医薬品、生体組織等の個別化保冷輸送を可能とし、臨床研究における検体収集、癌等の早期スクリーニング、分散型臨床試験(DCT)、自家細胞の国際往復輸送等、バイオメディカル分野の保冷輸送において、新たなサービスの創出を目指しています。
事業紹介動画: https://youtu.be/vIkU9uaXxV0
※HTV搭載小型回収カプセルとは
JAXAが国際宇宙ステーションから日本独自の物資回収技術を実証するために開発した再突入カプセル。2018年11月に宇宙実験で生成したタンパク質結晶を4℃に維持した状態で回収することに成功。大気圏再突入中も含めた回収までの5.6日間の断熱保冷容器内のサンプルの温度変化は0.3℃と高い断熱保冷性能が実証されており、ツインカプセラはこの技術を継承しています。
(株)Coordinate Labについて
Coordinate Labは、「検体検査コンサルタントⓇ」の文字商標を持つ、検体検査に特化したコンサル会社です。大手検査センターで売上No.1であった営業員、大手民間グループ病院の全国検査部の代表、副代表であった検査技師等が在籍しています。これまでに全国約50施設の登録衛生検査所(検査センター)の設立実績を有し、現在、治験、臨床研究を含む、検査業界全体の検体集荷、輸送の新たな仕組みの構築を目指した各種取組を実施しています。
■ 会社情報
株式会社ツインカプセラ:
会社名 株式会社ツインカプセラ(英文表記:TwinCapsula Inc.)
代表者 代表取締役 宮崎 和宏
設立 2021年3月8日
所在地 茨城県つくば市千現2-1-6
事業 断熱保冷保温容器およびその他熱制御関連機器等の企画、開発、製造、販売、コンサルティング等
その他
・JAXAベンチャー認定事業者(https://aerospacebiz.jaxa.jp/venture/twincapsula/)
・茨城県令和3年度次世代技術活用ビジネスイノベーション創出事業(ビジネスプラン実証支援事業)支援対象事業者
・令和3年度および4年度いばらきチャレンジ基金事業(新技術・新製品開発促進事業)採択事業者
・第15回(令和4年度)広沢技術振興財団ものづくり技術助成対象事業者
・「J-TECH STARTUP 2022」認定事業者
・2023年度NEDO助成事業・NEP(躍進コースC)採択事業者
・第7回めぶきビジネスアワード「茨城県知事賞」受賞
・ウェブサイト: https://twincapsula.co.jp/
・Facebook: https://www.facebook.com/twincapsula/
・Youtube: https://www.youtube.com/@TwinCapsula_Inc./
株式会社Coordinate Lab:
会社名 株式会社Coordinate Lab
代表者 代表取締役 篠原 賢一
設立 2010年11月26日
所在地 東京都品川区荏原7-6-12
事業 検体検査コンサルティング事業
・登録衛生検査所の設立、運営支援
・ 新規開発した検査の事業化支援
・ 多施設共同研究、医師主導型研究支援
(検査資材の作成、資材管理、検体整理、検体分注、検体保管、検体・資材の搬送等)
・ 医療機関の検査室運営支援
・ 輸入検査機器、ELISAキットの販売支援
その他
・検体検査コンサルタントⓇ 商標番号6389194号
・ウェブサイト https://coordinate.co.jp/
■問い合わせ先
ツインカプセラ: https://twincapsula.co.jp/contact/contact.html
Coordinate Lab: http://coordinate.co.jp/contact.html
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