NPO法人子ども支援センターつなっぐ・・・新たに「司法面接構造」を公開。利用のための新研修を開催
このたび、その一貫として新たに、日本版司法面接プロトコルとして、司法面接の手順を示した「司法面接構造」を公開し、この「司法面接構造」を利用するための新研修を開催することをお知らせします。
● 新司法面接プロジェクト→ https://tsunagg.com/jfi/
● 日本版司法面接ガイドライン→ https://x.gd/I8t7J
● 司法面接構造→ https://x.gd/Q1QTR
現状の課題
現在、日本で紹介・実践されている司法面接手法は、元々、外国の児童虐待法制、対応機関の在り方を前提とした、一連の児童虐待対応システムの一部分をなすものです。現在では、その中で、特に、子どもに対する司法面接※1における実際の聴取部分のみが日本の関係者らの間で広く知られ、日本において司法面接が普及してきましたが、子どもに対する司法面接の構造全体についての理解が広がっていないことにより、プロトコルの独り歩きや誤解による弊害も散見されるように思われます。
また、⼦どもたちが安全な環境下で供述する権利、利益の実質的保障や、⼦どもたちが裁判所に出廷すること等による⼆次被害の防⽌が不⼗分である等の課題があります。
新司法面接プロジェクトの目的
当プロジェクトは、現状の課題を踏まえ、子どもの権利擁護に資することを目的として、⽇本の法制度・社会文化的環境に一層即した形で、子どもに対する司法面接が行われる必要があると認識し、NCAC (National Children’s Advocacy Center)※2によるコンサルティングを受けつつ、
① 司法面接に関わる人たちが使いやすく
② 中立性があり
② 子どもに負担の少ない
日本版司法面接ガイドライン及び日本版司法面接プロトコルの研究・開発を行うものです。
今回発表する司法面接構造の特徴
当法人とNCACが研究・開発した「司法面接構造」は、その「構造」という名称が示す通り、台本化されておらず、会話の形式についての考え方と、配慮すべき点を盛り込んだ、面接の大まかな骨組みとして表されています。そのため、基本的な構造には従いながらも、面接者自身の持つ専門性を活かした、柔軟な面接を行うことができます。
また、日本の法制度及び社会文化的環境により一層即したものとなっている点に特徴があります。例えば、欧米の子どもに比べて日本の子どもは司法面接において話したがらない傾向にあることを踏まえて、効果的な司法面接の実現に向けた準備や面接の実施方法について記載しています。
日本の実情に即しつつ現実的なステップを重ねながら更なる進化を続けていくために、この司法面接構造が多くの面接で活用されることを願います。
「つなっぐ司法面接研修」の開催について
司法、医療、教育、福祉にかかわる方や自治体の皆さま等、日本全国の子どもにかかわる皆さま向けに、この新しい「司法面接構造」を利用するための研修を本年1月から開催し、最新の研究や柔軟な司法面接手法の普及を図っていきます。全4日間の研修では、最新の研究と実践に基づいた司法面接の知識を身に付けることができるとともに、研修の中で実際にグループワークや面接練習を行い、実践で活用しやすい内容になっています。オンライン開催で、全国どこからでも参加が可能です。
●詳細→ https://x.gd/Pftdk
※1 子どもに対する司法面接
虐待や暴力等の被害を受けた子どもに対し、研修を受けた専門スタッフから誘導・暗示のない面接を行い、被害を受けたとされる体験・出来事を聞き取ります。
できるだけ早い時期に、できるだけ多くのナラティブ(子どもが自分の言葉で主体的・自発的に話すこと)を求め、それを録音録画することで正確な記録を残します。
※2 NCAC(National Children’s Advocacy Center)について
NCACは、1985年の設⽴以来、虐待を受けた⼦どもやその家族への対応について、世界中の138,000⼈の専⾨家に研修やコンサルテーションを行い、研究や⽂献等の提供を⾏なっています。
NPO法人子ども支援センター「つなっぐ」について https://tsunagg.org/
性的虐待、性暴力の被害を受けた児童が、中立な立場でのインタビューをうけ、権利擁護のための手続きやサポート、身体的、精神的なケア等がワンストップで長期的に受けられることを支援
[本件に関するお問い合わせ先]
認定NPO法人子ども支援センターつなっぐ 担当:新井/清水
TEL:045-232-4121/ e-mail: info@tsunagg. org
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