すべての企業のために無償の人権デュー・ディリジェンス・マニュアルを作成・発行
バリューチェーンの人権リスクを適切に管理するために、国連グローバル・コンパクト署名企業が作成した今すぐ活用できる実務者レベルのマニュアル
近年、企業活動のグローバル化に伴い、企業は⼈権に関する問題を場当たり的に対処するのではなく、⼈権デュー・ディリジェンスを通して関連するリスクを網羅的かつ体系的に管理することが求められています。⼀⽅、経営リスクについてはこれまで個々に対処するケースも見受けられ、人権リスクを含め多岐にわたるリスクを如何に企業の業務に内包するかが大きな課題でした。
本マニュアルは、デュー・ディリジェンスに関する国際的な指針である『責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス』(以下、OECDガイダンス)などを参照し、リスクをPDCAサイクルによって管理することを意図している点で、ISOマネジメントシステムなど従来からのリスク管理手法と互換性を持たせています。同時に、実践の中で必要になるさまざまな文書類について専用の記入フォームを添付することで、初心者が実務をイメージしやすくなるだけでなく、すぐに実行に移せるよう配慮しています。
GCNJは、本マニュアルを通して人権デュー・ディリジェンスがサプライチェーンやバリューチェーン全体に広がることで、国連グローバル・コンパクトの10原則の実践と、その先にあるSDGsの達成や持続可能な社会がいち早く到来することを期待しています。
本マニュアルは、『ビジネスと⼈権に関する指導原則』、ILOの『多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣⾔』、ならびにOECDによる『OECD多国籍企業⾏動指針』、これら三つの国際規範との整合を図ると同時に、デュー・ディリジェンスに関してより詳細な内容を記したOECDガイダンスを参照しました。
とくに、企業が負う社会的責任の範囲がサプライチェーンのみならずバリューチェーンに及ぶ状況や、デュー・ディリジェンス実施に関する要請が⼈権だけでなく環境など多岐に広がりつつあることから、章⽴てや表記などはデュー・ディリジェンス全般について書かれたOECDガイダンスをベースにしています。
時代や社会が変化する中で、企業が事業活動を通して関係するあらゆる⼈たちの⼈権を尊重・保護するための実践ツールとして、既に⼈権デュー・ディリジェンス実践中の企業のみならず、未実施の企業や中⼩規模の企業の皆さまもぜひご活⽤ください。
◆「人権デュー・ディリジェンスの実践のためのマニュアル ~人権分野の責任ある企業行動~」はこちらよりダウンロードください。
https://www.ungcjn.org/objective/procurement/web/hrdd.html
◆本マニュアルの制作に関わった企業(五⼗⾳順)
旭化成株式会社
イオン株式会社
⼤塚製薬株式会社
川崎汽船株式会社
極東開発⼯業株式会社
キリンホールディングス株式会社
株式会社コーセー
⼩林製薬株式会社
シチズン時計株式会社
積⽔化学⼯業株式会社
積⽔ハウス株式会社
ソフトバンク株式会社
株式会社ダイセル
千代⽥化⼯建設株式会社
東急不動産ホールディングス株式会社
ニデック株式会社
⽇本ゼオン株式会社
⽇本電気株式会社
株式会社ノーリツ
UBE株式会社
横河電機株式会社
◆本マニュアル作成にあたり、内外有識者・組織より有意義なご意見を賜りました。
潮崎真惟子 様(オウルズコンサルティンググループ)/高橋大祐 様(真和総合法律事務所)/竹内朗 様(プロアクト法律事務所)/田中伸英 様(プロアクト法律事務所)/名越正貴 様(EY新日本有限責任監査法人)/羽生田慶介 様(オウルズコンサルティンググループ)/矢守亜夕美 様(オウルズコンサルティンググループ) [五十音順]、およびGCNJ ヒューマン・ライツ・デュー・ディリジェンス分科会幹事(2022年度)、人権教育分科会幹事(2022年度)の皆様、誠にありがとうございました。
【グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)】
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンでは、国連グローバル・コンパクト署名企業・団体が主体となって、テーマ別の分科会活動を行っています。企業の実務者が他社の実践や学識経験者から学び、CSRの考え方やSDGsの取り組み、環境経営、贈賄防止強化に向けたガバナンス体制の構築、サプライチェーンや人権問題への取り組み、サステナビリティレポートの策定などについての議論・情報交換を行っており、計14分科会、360を超える企業/団体、延べ3,500人強が活動しています。
ウェブサイト:https://www.ungcjn.org/index.html
【サプライチェーン分科会】
GCNJのサプライチェーン分科会は「CSR調達」を活動テーマとして2008年にGCNJ参加企業の中から11社が集まり結成されました。各社がCSR調達の実務上で直面する課題の協議や、それらの解決に寄与することを目指したツール類の創出に力を入れております。2017年には「CSR調達 セルフ・アセスメント・ツールセット」を開発し、企業をはじめ経済活動に関わるすべての人や組織が調達の実務で使える実践的なツールを発行しました。
その他の出版物を含め、GCNJの「持続可能な世界実現のためのお役立ちシリーズ(https://www.ungcjn.org/objective/procurement/web/index.html)」として、これまでに多くの企業や団体のSDGsの達成に向けたさまざまな取り組みを支援しています。
現在サプライチェーン分科会は209企業・団体、318人が登録しています。
分科会活動の紹介につきましてはこちらをご覧ください。
https://www.ungcjn.org/objective/member/connect/action.html
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