熱発電のelleThermo、最先端GPUサーバーに対応したAIデータセンター用の水冷システムを用いた実証でサーバー排熱による発電と局所的な温度低下の可能性を確認
未利用熱のエネルギー変換を目指す株式会社elleThermo(読み:エレサーモ、本社:東京都港区、代表取締役Co-CEO/CTO:生方 祥子、以下「elleThermo」)は、KDDI株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:松田 浩路、以下「KDDI」)が保有する、GPUサーバーを想定した、電源技術や冷却技術などのAIデータセンター技術の検証環境において、当社のコア技術であるSTC(半導体増感型熱利用発電素子)を用い、サーバーの排熱を利用した発電およびラック内の局所的な温度低下の可能性を確認しました。
本実証実験は、STCによる廃熱利用の事業化に向けた重要な一歩であるとともに、STCの発電時における局所的な温度低下挙動の可能性を確認した初めての実証となります。
elleThermoは、東京科学大学(旧・東京工業大学)発の発明であるエネルギー変換デバイスSTC(半導体増感型熱利用発電素子)の社会実装を目的に設立されたスタートアップです。STCは未利用熱を電力に変換する新しい熱発電デバイスであり、世界的なエネルギー問題の解決への貢献を目指しています。
本実証実験では、KDDIが2025年4月、KDDI Telehouse 渋谷データセンター内に開設した、最先端のGPUサーバーを想定した、電源技術や冷却技術などのAIデータセンター技術の検証環境(以下「本検証環境」)において、サーバーの排熱を活用した発電動作および温度変化を確認しました。なお、本事業はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の推進する「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」において実施しているものです。


本検証にあたり、空冷方式と水冷方式が組み合わされたサーバーラック内に、STCを設置しました。STCは、熱を電力に変換する際に吸熱効果を伴うため、発電と同時に局所的な冷却効果が発生する可能性が示唆されており、本検証では、実際のサーバーの排熱が発生する環境に近い条件で効果を検証したものになります。


本検証環境は、直接液冷方式(サーバー内に直接冷水を送り込むDirect Liquid Cooling(DLC)のこと)に対応したサーバーと、GPUを模擬した高発熱装置を組み合わせて構築され、ラック内の温度が約30℃~44℃の環境下で検証しました。実験では、放電させるSTCと放電させないSTC(比較用)の2種類を用意し、熱が均一に伝わるよう金属板・絶縁板・プラスチック板で挟み込み、ラック内に静置しました。
STC表面には微小温度センサを取り付け、放電しているSTCと放電していないSTC(以下、Ref)の温度差(ΔTSTC-Ref)を測定するとともに、周囲環境の温度分布(ΔTbase)も測定しました。

放電側のSTCに抵抗を接続しスイッチを入れると、電圧が発生し、サーバーの排熱が電力へ変換されていることが確認されました。スイッチ投入時の温度は、放電させたSTCが42.5℃、放電させていないRefが43.5℃でした。投入直後にはジュール熱の発生によると思われる一時的な温度上昇が見られましたが、その後一定間隔でスイッチの切り替えを繰り返すと、放電しているSTC側の温度が徐々に低下する挙動が観測されました。
この温度変化が、熱流の向きに依存していないかを確認するため、周囲温度分布(ΔTbase)とΔTSTC-Refの相関を確認しました。その結果、周囲温度分布との明確な相関は確認されず、観測された温度低下はSTCの放電状態に起因する可能性が示唆されました。
本結果により、STCがサーバーの排熱を電力へ変換すると同時に、ラック内で局所的な温度低下を生じさせる可能性が示唆されました。elleThermoは 、引き続き、STCによる吸熱発電の評価と技術検証に取り組み、AI時代の省エネルギー・創エネルギー技術確立を進め、持続可能な社会の実現に貢献していきます 。
この温度変化が、熱流の向きに依存していないかを確認するため、周囲温度分布(ΔTbase)とΔTSTC-Refの相関を確認しました。その結果、周囲温度分布との明確な相関は確認されず、観測された温度低下はSTCの放電状態に起因する可能性が示唆されました。
本結果により、STCがサーバーの排熱を電力へ変換すると同時に、ラック内で局所的な温度低下を生じさせる可能性が示唆されました。elleThermoは、引き続き、STCによる吸熱発電の評価と技術検証に取り組み、AI時代の省エネルギー・創エネルギー技術確立を進め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

■半導体増感型熱利用発電素子(STC)とは
STCは色素増感型太陽電池における「色素の光励起」を「半導体の熱励起」に置き換えることで、低温度帯の熱から直接発電を可能にした独自の技術です。室温程度の熱で稼働するため、家庭や産業など幅広い応用が期待されます。さらに、本技術は吸熱型の発電原理を持つため、発電(放電)時に局所的な冷却効果が生じることも報告されています。
・公開総説
「半導体の熱励起電荷による酸化還元反応:半導体増感型熱利用発電」
電気化学 2024 年 92 巻 3 号 p. 235-239(Free online)
https://doi.org/10.5796/denkikagaku.24-FE0305
・解説動画
YouTube「elleThermoチャンネル」
https://www.youtube.com/@elleThermo
・プレプリント
“Simultaneous power generation and cooling using semiconductor-sensitized thermal cell”
https://doi.org/10.48550/arXiv.2512.12114
■本検証環境の詳細
•所在地: KDDI Telehouse 渋谷データセンター内(東京都目黒区青葉台)
•開設時期: :2025年4月

■会社情報
KDDI株式会社について
KDDIは、高品質な通信基盤を軸に、個人のお客さまには「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドで展開し、法人のお客さまには「KDDI BUSINESS」のブランドで国内外に多くのサービスを提供しています。
KDDIはパートナーの皆さまと共に、社会の持続的成長と企業価値の向上を目指していきます。
株式会社elleThermoについて
elleThermoは、安全・安心で、資源に依存しないエネルギー問題・資源問題の解決を目指し、東京科学大学(旧・東京工業大学)発のコア技術「STC」を用いた未利用排熱の活用による電力供給システムの社会実装に取り組んでいます。
<問い合わせ先>
株式会社elleThermo
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